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2015.6.15

ロボカップジャパン サッカー
6度目V 常勝CIT


来月、中国で世界戦
6度目の優勝を飾った「CIT Brains」チームと林原教授(前列右から3人目)
6度目の優勝を飾った「CIT Brains」チームと林原教授(前列右から3人目)
 5月2日から4日まで福井県産業会館などで開催された「ロボカップジャパンオープン2015福井」のサッカーヒューマノイドリーグで、本学未来ロボティクス学科のチーム「CIT Brains」が2年ぶり6度目の優勝を成し遂げ、テクニカルチャレンジでも1位になった。同チームは7月に中国で開かれる世界大会に挑む。
テクニカルも1位
中国・浙江大と対戦(ブルーの腕が本学CIT Brains)
中国・浙江大と対戦(ブルーの腕が本学CIT Brains)
 「CIT Brains」は昨年のジャパンオープンには参加せず、7月にブラジルで開かれた世界大会で完全優勝。最も優れたヒューマノイドロボットに与えられる「ルイ・ヴィトン・ヒューマノイド・カップ」を獲得した。
 2年ぶりに出場したジャパンオープンはルールが改定されて、難易度が大幅に引き上げられた。最大の変更点は使用するサッカーボールの色。昨年まではオレンジ1色だったのが、白・黒・青・緑・オレンジなどまだら模様の多色ボールに変わった。このため画像処理技術を使ってオレンジ色を探知し、ボールを認識するこれまでのやり方が全く通用しなくなった。
 技術開発のハードルが上がったこともあり出場を見送る常連チームが続出し、キッド、ティーン、アダルトの3サイズのうち競技が行われたのはキッドサイズだけ。出場チームも「CIT Brains」と中国・浙江大の「ZJU Dancer」、いわき明星大の3チームだった。ちなみに浙江大はロボカップ世界大会でベスト4に入る強豪校。「CIT Brains」は2013年オランダ大会の3位決定戦で対戦し敗れている。今大会3チームは総当たり戦を2回行い、特に「CIT Brains」と「ZJU Dancer」が熱戦を繰り広げた。
 対戦は「CIT Brains」が4勝1引き分けで「ZJU Dancer」を振り切ったが、「うちにとって引き分け試合は久しぶり」とチームを指導する林原靖男教授。
 この結果、ヒューマノイドリーグの優勝は「CIT Brains」、2位は「ZJU Dancer」となり、テクニカルチャレンジは他の2チームが参加せず「CIT Brains」の1位が決まった。
多色ボールで難易度上がる
 過酷なルール下での「CIT Brains」の勝因は? 林原教授は「多色ボールをロボットが認識するためにはどんなアルゴリズムがあるかを徹底的に調べ、ピックアップしたやり方を実戦形式で一つ一つ確かめた成果」だという。
 今回出場チームの構成メンバーは4年生3人と2年生9人の計12人で、実戦経験者はゼロ。このチームが昨年末から今年の春休みまで、多色ボールの認識技術開発に集中して挑み、チーム内で行った30回の実戦形式での試合の結果、「カラーヒストグラム」を使った認識技術を作り上げたのだという。「ZJU Dancer」との差は、ロボットが多色ボールを「見えていたかどうか」の差だったわけだ。
世界大会では人工芝コートで
 「ロボカップ世界大会2015」は7月17〜23日(競技は19〜22日)、中国安徽省の省都・合肥市で開かれ、「CIT Brains」は林原教授、南方英明准教授の指導の下、今回優勝メンバーを中心としたチームでキッドサイズとアダルトサイズに挑戦する。
 使われるボールはジャパンオープンと同じ多色の1号球だが、さらに難易度を上げるのが、これまでのカーペットに代わる人工芝のコートだ。「人間に例えれば、トランポリンの上を歩くようなもの」で、ヒューマノイドロボットにとってはその場で足踏みすることさえ難しい条件だからだ。
 「CIT Brains」は多色ボール認識技術の開発と並行して、人工芝への対応も実戦形式の試合で技術を積み重ねてきたという。林原教授は「中国大会でも上位の成績をねらいたい」と、自信をのぞかせている。
学生リーダー・山本龍君(未来ロボティクス学科4年)の話
 知識不足の2年生メンバーは「まず経験だ!」と土日はもちろん、冬休み、春休みもなしで、よく頑張ったと思います。中国での世界大会は、ほぼ全員が初体験ですが、僕たちには先輩から受け継いだ技術がある。CIT Brainsは強いチームであることを証明してきます。

交流協定を締結


マカオUSJとも
 小宮一仁学長=写真左=は5月11日、中国マカオのセントジョセフ大(USJ)を訪問し、ピーター・スティルウェル学長=同右=と大学間交流協定を締結した。
 USJは中国マカオ特別行政区にあり1996年、カトリック・マカオ教区とポルトガル・カトリック大が共同で設立した。建築・経営管理・デザイン・情報科学・経済学・社会学など幅広い分野の学部を展開している。
 USJは、中国に返還後もヨーロッパ型の教育システムを続けている、マカオ唯一の大学であり、日本の大学では本学が初めて交流協定を結んだ。
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