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2014.6.15

地域と共生 さらに


習志野市 浦安市 御宿町
3市町と本学、連携協定
浦安市との調印式
浦安市との調印式
 本学は5月7日に浦安市、6月6日には研修センターがある御宿町と包括的連携協定を締結した。3月には習志野市との間で同様の協定を締結(4月号で既報)しており、かねてから本学が取り組んできた「地域社会との共生」がさらに前進。大学執行部は、教職員や学生によるそれぞれの地域での小・中等教育支援などを通して、一層の地域貢献を進めていく考えだ。
理科教育など支援
御宿町との調印式
御宿町との調印式

 浦安市との協定締結式は5月7日、同市役所で行われ、瀬戸熊修理事長と松崎秀樹市長がそれぞれ署名した協定書を取り交わした。
 この後、あいさつに立った松崎市長は「今後、市と千葉工大との間で設置される連絡協議会で話し合いながら、子どもたちの理科教育などを中心に、さまざまな分野で連携事業を積極的に展開していきたい」と語った。
 瀬戸熊理事長は「本学がもつ知財・人材を広く使っていただくことが大事だ。子どもたちの理科離れがいわれているが、本学のロボット技術や惑星探査研究などの成果を展示している東京スカイツリータウンキャンパスで“本物の科学”を見た子どもたちは目の輝きが違う。千葉工大の総力を挙げて浦安市の要望に応えていきたい」と応じた。
 この包括的連携協定の締結記念イベントとして夏休み中の小中学生と保護者が親子で参加する「ロボット体験教室」が8月23日、浦安市文化会館で開かれ、未来ロボット技術研究センターの古田貴之所長が講演する。

 御宿町との協定締結式は6月6日、御宿町役場で行われ、瀬戸熊理事長と石田義廣町長が協定書を取り交わした。ロボットなど本学がもつ最先端技術に御宿町の子どもたちが触れることなどを通して、理科や科学技術への関心を高める取り組みを進めることが、一番目に盛り込まれている。
 御宿町には江戸時代初期の1609年、メキシコ(当時はスペイン領)の帆船が同町岩和田沖で難破した際、乗員373人を住民が献身的に救助した歴史がある。この縁で1978年にポルティーニョ大統領(当時)を町に迎えて以来、メキシコとの間にとりわけ密接な親善関係を築いてきた。
 この夏には、メキシコ外務省や日本メキシコ交流基金などが支援し、本学と神田外語大学も参加している「御宿における日本メキシコ学生交流プログラム」に基づいて、姉妹都市協定を結んでいるテカマチャルコ市の工科大学から短期留学生12人を迎え入れる。この研修に本学も協力することになった。
 留学生たちは本学の御宿研修センターで日本の環境・文化についての研修を受けるほか、新習志野キャンパスの新学生寮に宿泊してロボット技術の講義を受け、本学の学生とも交流する予定だ。

 3月25日に包括的連携協定を締結した習志野市とは、これまでも災害時の地域住民の避難場所としてのキャンパスの活用や帰宅困難者への食料提供などで、市当局と個別に協定を結んで事業を進めてきた。
 また市の各種委員会に本学の教員が専門家として参加▽市立小・中学校の理科の授業に本学学生が補助員として加わる▽地元企業に学生のインターンシップを受け入れてもらう――など、密接な関係を築き上げている。
 今後は新たな包括協定に基づいて、市制60周年を記念して新機軸を打ち出す計画の「習志野市民まつり」に、桑蓬寮と椿寮の寮生や教職員が実行委員として参加するなど、一層緊密な関係構築が図られる見通しだ。

巨大スクリーンに「ROBOTIC SHADOW」


スカイツリーキャンパスAreaI
 本学東京スカイツリータウンキャンパス(東京都墨田区押上・ソラマチ8階)「AreaI(ロボットゾーン)」の巨大ロボティックスクリーンに、6月7日から新コンテンツ「ROBOTIC SHADOW(ロボティックシャドー)」=写真上=が追加された。
 ロボティックスクリーンには開設当初から、未来ロボット技術研究センター(fuRo)開発の各種ロボットがポップなBGMに乗って行進する様子や、ロボットの設計図が映し出され、来場者を楽しませてきた。
 追加プログラム「ROBOTIC SHADOW」は、360度投影システム4台をコンピューターでつなぎ、3Dセンサーで人の動作を捉えて投影するもの。横15メートルのスクリーン中に飛び込んだ観客の分身(ほぼ等身大)が、四方八方から飛んでくる球をよけかわすゲームで、小さな子どもから年配者まで、体を動かしながら楽しめるようになっている。毎週土曜・日曜・祝日に投映。
 これに併せてAreaIの外周面もお色直しされた。開設以来のホワイトベースががらり変わってシックな黒ベースに。その上にfuRo開発の人型ロボット「モルフ3」が大胆にレイアウトされ、ロボットゾーンをアピールしている。
外周面もお色直し
外周面もお色直し

知財の拠点 責任果たす


 本学と浦安市との包括的連携協定では、第一に「教育研究、生涯学習、文化およびスポーツの振興発展」が挙げられている。なかでも松崎市長が大きな期待を示したのが小・中学校の理科教育への本学の協力と支援だ。
 習志野市ですでに行われている本学の学生の授業補助はもちろん、理科担当教員に対する授業でのタブレット活用指導など、本学がもつ知財・人材に対する自治体の協力期待は大きく、また多方面にわたっている。
 連携3自治体との間でどのような事業ができるかは、今後、本学とそれぞれの自治体の担当者との間で具体的な協議が行われるが、瀬戸熊理事長はこのような自治体との協力関係の中から「将来、工学やものづくりに興味をもつ青少年が1人でも2人でも多く出てきてくれれば」と語っている。それはまた、将来の“千葉工大ファン”を増やすことにもつながっていくだろう。
 それは同時に大学の「地域の知的創造活動の拠点」としての役割と責任を果たすことでもある。
オープンキャンパス