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2013.5.15

「地球アゴラwith You」に7人出演
本学発でNHK BS生放送


暮らし変革
千葉大生と提案し合う
 NHK BS1の若者向け啓発番組「地球アゴラwith You」が4月28日(日)、29日(月)の2日間、本学津田沼キャンパスから生放送され、デザイン科学科・長尾徹教授のゼミ生ら7人が出演した。
メーンキャスター・中野裕太さん(最前列右)と三輪アナウンサー(同左)を中心に記念撮影
メーンキャスター・中野裕太さん(最前列右)と三輪アナウンサー(同左)を中心に記念撮影
 「アゴラ」は古代ギリシャ都市国家の「広場」の意味。さまざまな現場の若者たちがスタジオに集合。世界各地で暮らす日本人(アゴラー)とインターネットを介し地球規模で“車座”になって現代の問題を語り合う。
 今回は本学に“出張”。津田沼2号館3階の大教室にセットを組み、28日は午後5時から、29日は午後6時から各49分間、生放送された。
 ゲスト出演は千葉大がソーラーハウス建築を競う「ソーラーデカスロン」チーム8人、本学はデザイン科学科4年の三上満里奈さん、渋井優珠さん、長瀬瑞季さん、池田祐理さん(佐藤弘喜研究室)の女性4人と、デザイン科学専攻修士1年の小田裕和さん、友野貴文さん、八藤後優也さんの男性3人の計7人。
 テーマは「千葉大学&千葉工業大学 挑戦!イノベーション」。イノベーションは新たなモノや仕組みを作り出し社会に変革をもたらすこと。
 メーンキャスターの中野裕太さん(俳優・アーティスト)と三輪秀香アナウンサーを進行役に、アゴラーはオーストリアやブラジルなど6カ国に滞在中の日本人学生や起業家ら7人が参加した。
 【前半28日】 ブラジル発「ゴミ問題」と、オーストリア発「何も決まらない会議」をどうするかという悩みについて。
 千葉大は「ごみでお得な町」を提案。ごみをスーパーや飲食店に持ち寄り、買い物ついでにゴミを分別して捨てる。店舗は集客率が高まり、お客にはポイントやおまけの特典が付加される。
 本学勢は「ごみを捨ててロケットを飛ばそう!」――溜まったゴミをバイオエタノール燃料に。ブラジル人に、ごみへの認識を変えてもらおうと考えた。
 何も決まらない会議問題では、本学が「生み出しの部屋」を提案。会議室の壁4面にスクリーンを張り、出される言葉や意見を可視化。椅子にも仕掛けし、時間が長引くと、椅子の背やひじかけが動いて意思決定を助ける。
 対する千葉大は「アゴラが広がる」と題し広場で会議。話した内容が文字や図となってスクリーンに投影され、行き交う人も会議に参加できる。
 【後半29日】 発展途上国の問題と、その解決法を考えた。
 千葉大は、2010年に死者31万6千人を超す震災に遭った中米ハイチでまだキャンプ生活する人々に「TAKE L'EAU」――日本の竹とフランス語の水をタイトルに、成長が早い竹を利用し衛生的な住環境を提案した。
 本学勢は、農業国が多い東南アジアに着目。農業の担い手の4割を占める女性に使いやすいよう、市販スコップやクワの柄に補助部品を装着し、扱いやすく、負担を減らす工夫をした。作業の効率化で生活の質も向上すると考えた。
 アゴラーの1人、インドネシア・バリ島で貧しい暮らし改善の製品造りを目指すNPO代表、中村俊裕さんは「着眼がよい。今ある道具のデザインを少し変えるだけで、実効性が高い。コスト面にもやさしい」と絶賛。番組後、実使用可能な模型を筋電計測などの結果を盛り込み具体化する話が決まった。
 出演打診以来、本学は総務部や施設部がNHKと打ち合わせを重ね、28日のオープニングCGアニメは出演院生の友野貴文さんが制作した。
 出演した八藤後さんは「貴重な経験になりました。今後につながる話が出てきたことは光栄で、これからも頑張りたい」。小田さんも「楽しかった。新しい発見もあり、今後につながると思います」と語った。
 長尾教授は「両校の学生とも、よく頑張ったと思う。遜色はなかったと千葉工大の教員としても、千葉大の元教員としても安心しました。特に本学の発展途上国の課題はスモールスタートが重要というスタンスの提案をしたことが良かった。これからが本番ですね」とコメント。
 番組は5月1日と8日の午後2時から再放送された。
緊張の面持ちで本番を待つ本学学生たち
緊張の面持ちで本番を待つ本学学生たち

「ミラノサローネ」に 山崎研7人が展示参加


作品を説明する中田君(左)と柴田さん
作品を説明する中田君(左)と柴田さん
 毎春ミラノで開かれる国際家具見本市「ミラノサローネ」に今年もデザイン科学科・山崎和彦教授の研究室から院生4人、学部4年生3人の計7人が参加。4月9〜14日の6日間、海外の多彩なデザインに触れてきた。
 展示会場はトル・トーナと呼ばれる地域。山崎研ブースは「smile experience design lab.」と命名。障子をメーンに、垂れ幕や展示台を和紙であしらい、和のたたずまいで来場者を迎えた。
 木を削って作ったイヤホンホルダーや、レーザー加工時に出るバリを生かした雪の結晶形のアクセサリーなどを展示。柴田詠一さん(修士1年)の万華鏡「KEKAZARI」や諸岡亮君(4年)の木工リングが人気を集めた。
 プロジェクトで継続しているレーザーカッターで切り出したアクセサリーや、動物を模した雑貨シリーズ「Steinle Zoo」も注目された。今年は販売も行い「Steinle Zoo」は完売した。
 チームリーダー・酒井芳樹さん(修士1年)は「海外のお客さんの評価が目に見える形で示され、自信につながりました」。河西真柚子さん(同)は「来場者とのコミュニケーションで戸惑うことも多々ありましたが、大学で培ってきた力を生かせる旅でした。今後の学生も、海外の空気やデザインにたくさん触れてほしい」と語った。
 期間中、世界中から出展している多様なデザインや、伊デザイン界の巨匠アッキレ・カスティリオーニのスタジオを見学したり、ベネチアやフィレンツェも訪問した。引率指導した山崎教授は「デザインを学ぶ者として豪華な時間をすごし、イタリアと世界のデザインから多くのことを学んだはず」と語った。
参加メンバーたち
参加メンバーたち
第18回 文化の祭典