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2013.4.15

受賞ラッシュ!!
生環2人 優秀講演者賞


安藤君、吾妻さん 水環境改善研究で
安藤君と吾妻さん(学位記授与式当日に)
安藤君と吾妻さん(学位記授与式当日に)
 生命環境科学科・村上和仁研究室の4年生(受賞当時)、安藤諭君と吾妻咲季さんが第40回土木学会関東支部技術研究発表会(3月14、15日、宇都宮市陽東の宇都宮大工学部陽東キャンパスで開催)で、それぞれ優秀講演者賞を受賞した。
 安藤君は第II部門(河川工学)で「付着珪藻による印旛沼・手賀沼流域における河川環境評価」を発表。河川の水質評価を、一般的なBOD(生物化学的酸素要求量)による評価ではなく、河川に生息する付着珪藻の種類・生物量に着目し、季節変遷を考慮して生物生態学的に評価した。
 計11カ所を春、夏、秋、冬に調査。珪藻は植物プランクトンの中でも種類が多く、分類同定には時間と労力が必要だ。また、河川に入ってサンプリングするため、ハードな研究だったという。
 審査員らによる採点の結果、発表内容やプレゼン資料、質疑応答ぶりなどでいずれも高得点を獲得、特に労力を費やした実験内容と明確な結論のポイントが高かった。
 一方、吾妻さんは第VII部門(環境システム)で、アオコ被害が発生する海浜公園池(汽水湖)の水質浄化について「地域未利用資源を活用した水質改善」を発表。九十九里浜に豊富に散乱している貝殻を砕いて蓮沼海浜公園池にまき、カルシウムに富栄養化の原因であるリンを吸着させて、水質と生物生態系の富栄養化状態の改善を試みた。
 採点では、特に質疑応答での的確な受け答えのポイントが高かった。
 受賞した2人は、村上教授と研究室の皆さんのおかげ、と感謝の気持ちを述べ、安藤君は「とてもうれしい。後輩たちも賞を目指してほしい」。吾妻さんも「素晴らしい賞をいただき大変うれしい。学会での受賞は初めてで、信じられない気持ちです」と語った。
 吾妻さんは大学院に進学、安藤君は今春卒業した。表彰は5月の土木学会関東支部総会で行われる。
 土木学会関東支部は毎年3月に技術研究発表会を実施。毎年500編近くが発表される。

山崎研3人が連続受賞


電気学会優秀論文発表賞
倉持怜士さん 民谷周一さん 加藤優輔さん
倉持怜士さん 民谷周一さん 加藤優輔さん
 電気学会の平成24年の研究会、部門大会で、電気電子情報工学科・山崎克巳研究室の3学生が相次いで優秀論文発表賞を受賞した。山崎研が進める、モーターなどの高効率化をコンピューター内で仮想現実的に行う研究や、実機検証に関する論文で、年間に1研究室で、3学年にわたる学生が別々の論文で受賞するのは珍しいと注目されている。
 1人は電気電子情報工学専攻修士課程を今春卒業した倉持怜士さん。もう2人は在学生で同専攻修士2年・民谷周一さんと同1年・加藤優輔さん。
 倉持さんは昨年1月26、27日、関西大学(大阪府吹田市)で開催された静止器・回転機合同研究会で論文を発表、優秀と評価され本部表彰された。論文は「焼嵌による応力を考慮したインバータ誘導電動機の鉄損解析に関する検討」。
 新幹線の主導電動機など高性能の誘導電動機の多くは、電源の周波数で速度制御するインバータで駆動されるが、電動機固定時の焼嵌め(フレームを加熱膨張させて広げ、モーターをはめ入れる方法)によって圧縮応力が加わり、鉄損(鉄心部分で電気エネルギーが熱となって失われる)が増加する問題がある。倉持さんの論文は、焼嵌めによる鉄損増加を高精度に見積もる解析手法を検討した。
 倉持さんは今春、世界的自動車部品メーカーのアイシン・エィ・ダブリュ社に入社、インバータの開発関係に配属された。
 2人目、民谷さんは昨年7月19日、電気学会本部(東京都千代田区)で開催されたモータドライブ・回転機合同研究会で部門表彰された。発表論文は「永久磁石補助突極形同期機における出力向上のための新設計と実機検証」。
 希土類永久磁石(レアアースマグネット)は目下、高性能な電動機や発電機に欠かせないが、主産国・中国との尖閣諸島問題で価格が一時期10倍以上に高騰した。民谷さんの論文は、限られた量の永久磁石で、同期発電機の出力を最大化するための新たな設計手法を開発、金沢工業大学と共同で実機検証した結果を報告したもの。
 民谷さんは日立製作所に就職が決定。入社後は風力発電機の開発関係に就く予定という。
 3人目、加藤さんは昨年8月21〜23日、本学津田沼キャンパスで開催された平成24年電気学会産業応用部門大会で本部表彰された。発表論文は「応力解析と電磁界解析を連携したIPMモータ回転子の最適設計に関する検討」。
 高性能IPMモータは、ほとんどの電気自動車やハイブリッド車の主機に用いられているが、高速運転時に回転子に働く遠心力によって回転子が変形しないような設計が必要となる。
 加藤さんの論文は、応力解析と電磁界解析を連携して、遠心力を制約以下に保ちつつ鉄損を最小化する回転子の形状を決定し、日産自動車の協力で実機試験の結果と比較検討した。
 電気学会優秀論文発表賞は35歳以下の若い研究者、技術者の優秀な論文発表に贈られる。24年の産業応用部門では研究会と部門大会を合わせて62人が受賞している。

情報通信系 県内大学の発表会


4人が卒論優秀賞
 第5回千葉県内大学による卒業論文発表会(3月1日、幕張ワールドビジネスガーデン・マリブウエストで開催=社団法人千葉県情報サービス産業協会〈CHISA〉主催、千葉県、千葉市後援)に、本学から学部卒業直前の4人が出場、卒業論文優秀賞を獲得した。
 情報通信技術の利活用に関する論文を募ったもので、4人と発表テーマは以下のとおり(学年は受賞当時)。
飯島安恵さん

「楽団向け電子譜面システムにおける譜めくり方法の検討」

飯島安恵さん
(電気電子情報工学科4年)

藤巻拓也君

「ARのカードゲームへの適応」

藤巻拓也君
(電気電子情報工学科4年)

タブレット端末などで使われる電子譜面アプリケーションについて、吹奏楽団(多人数)で使用することを想定した譜めくり方法を検討した。 AR専用カード以外の、ARに対応していないカードにARを適用する研究を行った。
       
谷村翼君

「ソフトウェア開発プロジェクトにおけるステークホルダー分析に関する研究」

谷村翼君
(プロジェクトマネジメント学科4年)

大土賢一君

「多変量解析を用いた要件抽出モデルに関する研究」

大土賢一君
(プロジェクトマネジメント学科4年)

プロジェクトを成功させるために欠かせないステークホルダー(企業と利害関係を持つ顧客や株主従業員、仕入先、得意先など)の関心、期待、重要性、影響のレベルを分析し視覚化するモデルを提案した。 ソフトウエア開発ではユーザー(客)側の要求を整理する「要件定義」が難しい。そこで自然言語で書かれた要求をテキストマイニングで分割し、その結果を多変量解析で分析することで、ユーザー要求を抽出するモデルの作成に関する研究を行った。
 受賞の感想を、飯島さんは「知識・経験ともにゼロからのスタートでしたが、試行錯誤のおかげでさまざまな知識を得ることができました。大学院でこれを生かしたい」。藤巻君は「初めての学外発表は、学内とは雰囲気が違い、いい経験になりました」。
 谷村君は「参考文献や事例がなかなか見つからずデータ収集に苦労しました。研究室の皆さんのご協力のおかげです」。大土君は「現場で通用するのか、厳しい目を持つ企業の方々を前に、研究が評価されてうれしい。名誉な賞を頂け感謝しています」と語った。
 卒業論文発表会は千葉市科学フェスタ2012の一環として開かれ、本学、東京情報大、東邦大、日大の9人が発表した。

佐藤さんベストプレゼン賞


ディーゼルエンジン燃焼観察で
 佐藤光太さん(写真=機械サイエンス専攻修士2年〈受賞当時〉=佐々木洋士研究室)が3月8日、公益社団法人自動車技術会関東支部の学術研究講演会(神奈川県川崎市の明治大学生田キャンパスで開催)で講演し、ベストプレゼンテーション賞を受賞した。
 発表論文は「定容容器を用いた直接噴射ディーゼル機関の燃焼観察」。
 佐々木研究室では環境・エネルギー問題の観点から、ディーゼルエンジンを中心として内燃機関の燃焼改善に取り組んでいる。
 佐藤さんは、ディーゼルエンジンの燃料噴射時の温度・圧力・密度を再現できる容器を使って、燃料噴霧の発達、蒸発、混合気形成、着火、燃焼の過程を高速度ビデオカメラで撮影して観察。多段噴射と燃料噴射率を変えた場合の一連の過程の状況を明らかにした。
 佐藤さんは「佐々木先生や研究室の皆さんの助力で受賞できました。高速度ビデオカメラ導入に尽力いただいた関係各位にお礼を申し上げます」とコメントを寄せた。