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2013.1.15

学生アイデアコンテスト in 那須塩原
遠山ゼミがグランプリ


観光客誘致 会話劇でプレゼン
前列左から菊池さん、曽山さん、三木さん、後列左から林さん、太田さん、坂本君、堀君、妹尾君
前列左から菊池さん、曽山さん、三木さん、後列左から林さん、太田さん、坂本君、堀君、妹尾君
 大学ゼミ対抗の町おこしプレゼンテーション大会「学生アイデアコンテスト2012 in 那須塩原」(12月2日・栃木県那須塩原市黒磯文化会館=同市主催)で、プロジェクトマネジメント学科・遠山正朗研究室の3年生8人=林真衣子さん、太田千波さん、菊池祐圭さん、坂本光諒君、妹尾昭太君、曽山尚美さん、堀康記君、三木絵梨香さん=が異色の会話劇風プレゼンで見事、グランプリに輝き、賞金10万円と副賞の産物・グッズなどを獲得した。
 コンテストは3年前から開催され、大学は首都圏の経済系ゼミを中心に北関東、東北からも参加した。
 テーマは「那須塩原市の農業と観光がコラボした産業振興とは!?」。一次書類審査を勝ち抜いた5チームが本選に進出。遠山ゼミの8人は「大人レディに四季のときめきを」と題し、20〜30歳代の未婚女性をターゲットに、四季折々の観光客誘致策を提案した。
 スーツ姿の太田さんを司会役、林さんを進行役に、わきでカジュアルな服装の3人=菊池さん、曽山さん、三木さんが「恋したいなぁ」「那須塩原に行ってきたら?」。出会いを求めるなら、ここ▽プロポーズの場所は、あそこ▽結婚式を挙げるなら▽子供が出来たら家族で――と順を追って会話劇を進めた。
 春には7カ所のパワースポットめぐり、夏は黒磯のイベントへ、秋には紅葉狩り……と温泉や名所・イベントに産物、みやげ、料理のレシピまで絡めて、女性の要望に沿う四季の思い出づくりコースに仕立てた。
 審査の結果、チームは▽情報収集力▽論理性▽着眼点▽独自性▽熱意▽プレゼン力▽ビジネスにおける可能性▽楽しさ明るさ面白さ――の8評価の総合で最高点を獲得しグランプリに選ばれた。
 応募を決めた遠山ゼミでは那須塩原市の観光エリアを塩原温泉、黒磯および板室、西那須野の3地域に分け、各地域を2人1組に分かれて調査。多彩な農業・観光資源と四季折々の魅力を細かく探った。徹底したリサーチが受賞の決め手となった。
 毎週、各案をプレゼンし合って切磋琢磨する方式を取り、印象づけようと会話劇を思いついた。出演者はマイクの持ち方や立ち位置、ポーズを当日ぎりぎりまで練習した。
 審査員代表の山島哲夫・宇都宮共和大教授は「市の魅力をよく調べ、身近な発想のもと、事業性もよく抑えている。発表した3人娘を、そのまま那須塩原市の観光CMに登場させたいくらいだ」と総評した。
 ゼミ長でプロジェクトマネジャー・林真衣子さんは「ゼミ時間以外にも毎週プレゼンし合って案を練りました。本番では楽しんで発表でき、みんなの笑顔に心の底から安どしました。うれしいと同時に、今後への活力になります」と語った。
 那須塩原市では、産業振興につながるアイデアとして施策に反映させ、事業化も検討するという。

林さん 事務局長賞


“環境”ポスターセッションで
 村上和仁・生命環境科学科教授の指導のもと「マイクロコズムによる植物プランクトン異常増殖の生態系影響評価」を研究する林秀明さん(生命環境科学専攻修士2年)=写真=が、第9回環境情報科学ポスターセッション(12月4日、東京都千代田区九段南の日本大学会館で=環境情報科学センター主催)で村上教授と連名で発表、事務局長賞を受賞した。
 水中の生態系で、植物プランクトン(緑藻類やラン藻類)は、異常増殖するとアオコとなり、漁業や観光産業、人の健康に被害をもたらす。一方で、光合成により酸素を生み出す「生産者」として、水中生物の食物連鎖の根幹を担っており、方法次第で水質浄化に有効な働きをする。
 近年、植物プランクトンや水草を、富栄養状態の湖沼に人為的に導入して水質向上を図る「バイオマニピュレーション」という方法が注目されているが、植物プランクトンの生態系への影響はなお未解明な部分が多い。
 村上教授と林さんは、水中生態系の構成生物=生産者(植物プランクトン)、捕食者(原生動物やワムシなどの動物プランクトン)、分解者(バクテリア)=をフラスコ内に培養して、自然湖沼と同等の模擬生態系(マイクロコズム)を再現。植物プランクトンを環境中に大量に導入した場合の生態系への影響(機能面)と、生態系を構成する生物への影響(構造面)を、個体数や酸素量などのパラメータで詳しく評価する方法を示した。
 「生態系の制御」という難解なテーマを、いかに専門外の人にも興味を持ってもらえるようにするか、食物連鎖などの図式を工夫して発表したという。
 林さんは「多くの方々に支えられた研究を、受賞という形で残すことができ、うれしく思います」と感想を述べた。

毛利宇宙飛行士から賞状


表面張力測定研究で
機サ・武井君
毛利宇宙飛行士(左)から賞状を手渡される武井君
毛利宇宙飛行士(左)から賞状を手渡される武井君
 小澤俊平准教授のもとで、微小重力下での表面張力測定を研究する武井悠翔君(機械サイエンス学科4年)が、日本マイクログラビティ応用学会第26回学術講演会・毛利ポスターセッション(11月20〜22日、福岡市早良区の九州大学西新プラザで開催)で努力賞を獲得、毛利衛宇宙飛行士から直接、賞状を手渡された。
 発表タイトルは「金属融体の表面張力測定における酸素ポンプの利用」。
 金属融体の表面張力測定の精度を向上させようと、無重力状態の国際宇宙ステーションでの実験が計画されている。
 測定方法の一つ、電磁浮遊炉を用いた液滴振動法は、電磁力で試料を浮遊させて測定するため、容器からの汚染がなく、従来よりも高温で測定できる。それには雰囲気中の酸素濃度を精密に制御・測定することが不可欠だが、宇宙ステーションでは使用ガスの種類や電力、装置の大きさが限られ、容易ではない。
 武井君は、宇宙ステーションで測定実験をする際、雰囲気中の酸素濃度を制御するために、ジルコニア式酸素ポンプの使用を提案し、その基礎データを示した。
 この装置を実際に利用した結果、雰囲気中の酸素濃度が予想よりも低いことが示唆された。今後はこの装置を用い、酸素濃度の具体値や制御について、さらに詳細なデータを得て、宇宙実験へ準備を進める予定という。
 武井君は「毛利宇宙飛行士から直接、賞状を手渡されて、とても光栄です。ポスター作りは苦労しましたが、小澤先生と先輩のアドバイスで、図やレイアウトを工夫できました。とても感謝しています」と語っている。

小田君が奨励賞


山崎研など参加、出展
「プロと卵のエコデザイン展」
受賞した小田君と、その作品
受賞した小田君と、その作品
 デザインを学ぶ学生たちに、プロの工業デザイナーがワークショップを開いて助言、出来上がった作品を展示する「プロと卵のエコデザイン展2012」(日本インダストリアルデザイナー協会東日本ブロック環境委員会主催)が昨年11月22日〜12月4日、東京・西新宿の新宿パークタワーOZONEプラザで開催された。
 デザイン科学科・山崎和彦研究室の飯田哲也君、大藤修太朗君、前田昂太君、長尾徹研究室の小田裕和君(4年)がワークショップ(6回)に参加。また山崎研究室が、産業廃棄物を楽しんで生かす産学プロジェクトを紹介し、青木大地さん(修士1年)、木村和寛君、柴田詠一君、山下達也君(4年)の作品を展示した。このうち小田君の作品が奨励賞に選ばれた。
 小田君は、身体の3次元測定器をデザインし、その機器で取得したデータを用い、ゴミをできるだけ出さない循環型社会を目指して、服のRefuse(リフューズ=不要なものは買わない)、Reduce(リデュース=ゴミを減らす)の流れを提案した。
 プロダクトを提案するだけでなく、それによって得られる情報をどう生かすかを、ビジネスモデルに落とし込んで検討できた点が評価されたと思う、と話す。
 小田君は「外部の賞をいただくのは初めてで、非常にうれしいです。上には上がいることを自覚し、もっとよい提案ができるよう努力していきたい」と語った。
 本学参加学生のリーダー役・青木大地さんは、山崎研が株式会社ナカダイ(産廃物中間処理業)と進める産学共同プロジェクト「スマイルマテリアルプロジェクト」の1部門、「スマイルマテリアルライブラリー」を展示した。産廃物を分類し、情報やデザインを加えてライブラリー化し、そこから新たな廃物利用の発想を得ようという提案で、産廃物で、泳ぐ魚をイメージしたモビールを付属展示した。
 「プロと卵……」展は昨年が10周年。日本インダストリアルデザイナー協会のメンバーが学生を指導している。今回は首都圏と静岡の12大学・研究所の学生38人、デザイナー17人が出展した。

卒展と学外展


デザイン科学科
日時=2月9(土)・10(日)
場所=千葉工業大学津田沼校舎7号館1階・4階
問い合わせ=工学部事務室 047・478・0509
学外展=2月22(金)〜23(土) 東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎で。卒業研究や産学協同プロジェクトの作品、演習の成果などを展示する予定。