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2012.10.15

fuRoが復興支援ツアー


釜石、遠野でロボット授業
 未来ロボット技術研究センター(fuRo=古田貴之所長)の古田所長ら4人は8月29日〜9月1日の4日間、東日本大震災被災地・岩手県で県立釜石高校、釜石商工高校、市立小佐野小学校、遠野市市民センターを駆け巡り、支援の思いを込めてロボット講演・授業を行った。古田所長は児童生徒たちに「未来は自分でつくるもの」と語りかけ、復興を進める地元にエールを送った。
「未来をつくろう」エール
 ツアー・メンバーは古田所長と主任研究員の奥村悠さん、戸田健吾さん、野村緑さん。
 fuRoは、未来のロボット博士を育てようと国内各地の高校で出張授業を行っている。古田所長の独特な講演スタイル、ロボットのデモンストレーション、ユニークな実習に依頼が殺到している。昨年3月の大震災後、小柳栄次副所長を中心に災害対応ロボットを現地投入してきたものの、古田所長自身、直接地元で復興支援したいという強い希望があった。
 ツアー実現のきっかけは、釜石市出身・太田春夫牧師(日本キリスト教団千代田教会)と古田所長の交友から。太田さんはソーラー・風力発電などに熱心な「エコチャーチ」牧師。被災地で何か出来ることは――古田所長の相談が太田さんを介して地元関係者を動かした。釜石高校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)が決定したこともあり、次々に講演・授業が決まった。
 現地入りして目にしたのは被災のつめ跡。補修されたホテルや飲食店もあったが、海岸沿いは建物の1階部分が失われ、草木の更地が広がる。
 講演・授業はハルクII、モルフ、制作キットf‐paletteで作ったロボットなど、メンテナンス機器も含め重さ80キロ余の機材を持ち込んでスタートした。
釜石高校(釜石市甲子町・佐藤猛夫校長)で講演=8月30日 1年生160人、理数科2年生34人が聴講。講師紹介を終えても登壇しなかった古田所長。「自分の紹介をされると恥ずかしいんで……」と、ようやく壇上に上がり講演開始。スライド600枚以上を用意。「時間に終了しなかったらごめんね!」と会場をわかせ、研究内容や研究者になったきっかけを披露した。
 生徒数人が登壇し、ロボット操作を体験。「実物を見て、触れ、より興味をもった」と目を輝かせていた。この様子はNHKニュース(東北ローカル)でも放送された。
釜石商工高校(同市大平町・阿部徹校長)で講演=8月31日午前 電子機械科生徒が対象で、講演内容も一新。より専門的にロボット技術を説明した。近未来技術を目の当たりにして、生徒たちは熱心に聴講した。
 終わるや、研究員らは大急ぎで機材撤収。精密機器をすばやくこん包するのは至難の業だが、時間がなく次の目的地へ。
小佐野小学校(同市小佐野町・岩間三輝校長)で授業=8月31日午後 5、6年生110人が待っていた。講堂中央を囲むように座った子どもたちは、目前にハルクIIが登場すると歓声を上げて迎えた。ビークルモードやアニマルモードに次々トランスフォームすると「すごーーい!」「かっこいー!」「動きがキモーイ」。古田所長も「気持ち悪いって言われるの大好き!」とデモに一層力が入った。講演後、「名刺ください」と、小学生に囲まれ、1人1人に「古田と申します」とていねいにあいさつしていた。
遠野市市民センター(遠野市新町)で講演=9月1日午前 市立中学生徒約30人にデモを行った。ロボットに興味ある生徒に限定したため、より積極的にロボットを操縦、終わっても質問する生徒が大勢いた。
釜石商工高で生徒とコミュニケーション ハルクIIに「こっちにおいで」―小佐野小で 遠野の中学生にデモンストレーション
釜石商工高で生徒とコミュニケーション ハルクIIに「こっちにおいで」―小佐野小で 遠野の中学生にデモンストレーション
理想の未来を自分で
 古田所長は、どの講演でも「未来は自分でつくるもの」と話した。「今の大人はさ、誰かがやってくれるって目をつぶってることが多いんだ。僕らは、未来で活躍する君たちのために、いろんな技術を開発して、ロボット技術はこんなことができるんだ!って示していく。誰もやってくれないんだったら、理想の未来を自分で作っちゃおうよ!」。
 講演の夜には、釜石市社会福祉協議会会長ら復興の中心的な人々と、海の幸のバーベキューを囲み、震災・津波体験を聞いた。
 メンバーの感想――。
戸田研究員
感情をあまり表に出さない東北の人々が、都会では希薄になりがちな人と人のつながり、助け合い精神を原動力に歩き出していると感じました。
奥村研究員
出会った方々の思いやりに、絆とはこうあるべきだと感じました。子どもたちはロボットに目を輝かせ、こちらも心躍りました。未来を作る子どもらの心に何か良いものを残せていたらうれしく思います。
野村研究員
できることは何なのか考えさせられました。一方で、岩手の自然は本当に素晴らしく、今回お世話になったみなさまも魅力的な方たちばかりでした。

入場10万人を達成!


スカイツリーキャンパス
 本学の最先端技術や研究成果の情報発信基地として5月22日オープンした東京スカイツリータウンキャンパス(東京都墨田区押上=東京スカイツリータウン・ソラマチ8階)の入場者が9月22日(土)、10万人を達成し、記念の贈呈式が行われた。
 10万人目となったのは、墨田区在住の小山采子ちゃん(区立二葉小学校5年)。買い物に訪れたお母さんと、友達家族と一緒に、この日初めて来館した。
 贈呈式で宮川博光常務から記念品を贈られた采子ちゃん=写真。本学オリジナルのリングノートや筆記用具、書籍の入ったバッグをのぞき込み「本を読むの大好き!うれしい」と喜びの声をあげた。
 館内を説明してもらい各ゾーンを体験した後、「ロボットが人の命を救うなんてすごい!私も勉強したらできるかな?今度は友達と一緒に来たい」と話していた。
 このあと、10万人になぞらえて、9人の子どもたち(采子ちゃんを含め計10人)に、子ども限定で記念品をプレゼントした。
第63回 千葉工業大学 津田沼祭 11月23日(金)・24日(土)・25日(日)