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2012.4.15

2538人を迎えて


平成24年度入学式
希望を胸に入学式に臨む新入生たち
希望を胸に入学式に臨む新入生たち
 例年より遅い桜の開花が、ようやく近づいた4月1日、千葉工業大学の平成24年度入学式が千葉市美浜区の幕張メッセ・イベントホールで行われた。大学は今年創立70周年。再開発が一段落し、施設の整った千葉工大で学ぼうと、スーツ姿の新入生たちが真剣な顔をそろえた(2、3、4面に関連記事)。
「悔いのない青春を」本岡学長
在学生代表 川西朝子さん 新入生代表 出津あやほさん
在学生代表 川西朝子さん 新入生代表 出津あやほさん
 今年度の新入学者は3学部の新入生(工学部6学科1651人、情報科学部2学科322人、社会システム科学部3学科327人)と、大学院生238人(修士課程3研究科226人、博士後期課程3研究科12人)の計2538人。
 本岡誠一学長は式辞で、国際社会の急激な変化を述べ「多くの企業は世界を相手に仕事のできる人材を求めている。人材競争に国境がなくなり、また不況の長期化で就職が厳しく、「大学教育の質」が問われている。特に理工系分野は国際競争にさらされる傾向が強く、卒業生は何を学んだかではなく、何が出来るかが強く求められている。諸君は科学技術の変化に対応できるしっかりした基礎学力を持つ学生に育ってほしい」と呼び掛けた。
 東日本大震災で再認識された「絆」の大切さにも言及、友人を得て「2度とない青春の可能性を信じ、悔いのないよう、それぞれの目的に向かう」ことを希望した。
 次に祝辞に立った瀬戸熊修理事長は、本学の建学の精神を受け継いだ卒業生が技術大国日本を支えている、と述べた後「科学・技術には、地球環境の破壊など負の側面もある。先端技術は応々、自然界に存在しない事象を作り出すことにつながるため、自然界への影響を最小限に留めることが重要であることを、忘れてほしくない」と語った。
 そして、原発災害対応ロボット「クインス」の活躍や、小惑星探査機の次期「ハヤブサ2」に本学惑星探査研究センターが開発した機器が搭載されることなどを紹介。「夢は1つでも、実現する手段は無限にある。失敗するほど、成功は近づく」と励ました。
 大学側の激励に応えて新入生代表・デザイン科学科の出津あやほさんが、「これからの世界を担うものの1人として自覚を持ち、努力を惜しまず勉学に励みたいと思います。東日本大震災により、現在でも福島では帰村がかなわない状態です。こんな危機的状況にあっても私たちはそれを乗り越えて生きて行かなければなりません。美しい日本の再生に貢献できる人間になるために、成長を志し、千葉工業大学で教養と人格を培っていきたいと思います。本学の発展と技術の向上、日本の復興のため精一杯努力することを誓います」と、宣誓の言葉を述べた。
 在学生を代表して、情報科学部情報ネットワーク学科4年の川西朝子さんが「大学生活ほど、自分が打ちこみたいことに時間を費やせる時はありません。興味を持ったことがあれば、どんどん挑戦しましょう。そして先生や先輩、友人との絆を大切にして下さい。人と人との結びつきは何物にも代えられません。皆さんの一生の宝となるはずです」と、歓迎の言葉を述べた。
 最後に、吹奏楽部の演奏で、千種寮生有志が校歌斉唱し、式を終えた。
芝園でガイダンス
 このあと新入生・父母たちは芝園キャンパスに移動し、各学科に分かれガイダンスに参加。諸手続きや今後のスケジュールについて、事務職員の説明を聞いた。
 帰途につく新入生を、サークル部員たちが待ち構え、にぎやかに勧誘。ガイダンスは4日間続き、4月6日(金)、新年度授業が開始された。

9年連続「AA−」


本学財務 格付け
 格付投資情報センター(R&I)は3月9日、本学の長期債務の信用格付けを「AA−(マイナス)」、格付けの方向性は「安定的」と公表した。AA−評価は9年連続、「安定的」と高い評価を維持している。
 キャンパスの再開発を概ね完了し、福島第一原発へのクインス投入などで知名度が向上、入学志願者は増加し、センター利用入試は過去最高となった。入学者の質を重視する入試改革や、教職員による就職進路支援も成果を挙げている。収支の基本比率である帰属収支差額比率が高く(自己資金が充実)、財務体質は依然良好と評価された。