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2010.9.15

OB根本四段が初優勝
全国空手道選手権


悲願の総理大臣杯 個人組手の部
優勝カップを手にするOB根本敬介四段(右から3人目)
優勝カップを手にするOB根本敬介四段(右から3人目)
 6月26、27の両日、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された内閣総理大臣杯「第53回全国空手道選手権大会」で、本学OBの根本敬介四段が男子個人組手の部で悲願の初優勝を果たした。
 この大会は、社団法人・日本空手協会が主催する全国大会で、約1500人の選手が参加し、一般男子、一般女子、高校生の3部門の個人・団体戦組手、形などが2日間にわたって繰り広げられた。
 大会のクライマックスは個人戦一般男子組手。準決勝に進出した本部推薦の根本四段は、身長差のあるリチャード・ヘセルトン選手(直轄団体)を中段突きで下して決勝へ。優勝戦は過去2度優勝している志水亮介選手(指定)との間で、3本勝負2本先取りのルールで行われた。
 「先のことは考えず自分の力を出し切るのみ」と冷静な試合運びに徹した根本四段が、足払いから素早い上段突きで1本を先取。さらに、焦って反撃を試みる志水選手から技ありを奪って2本先取し、念願の内閣総理大臣杯に輝いた。

OB鬼柳氏3度目柔道世界一に


今回は世界グランドマスターズ
前列左から2人目がOB鬼柳一宇氏
前列左から2人目がOB鬼柳一宇氏
 国際柔道連盟(IJF)主催の第2回世界グランドマスターズ選手権大会が5月27〜30日、ハンガリーのブタペストで開かれ、M9(60キロ級)で本学OBの鬼柳一宇氏(70歳)が優勝した。
 鬼柳氏は昭和37年電気工学科卒。講道館6段の柔道家で、一方では精密機器を製造する株式会社「アイオー精密」(本社・岩手県花巻市、従業員450人)を一代で立ち上げた企業経営者としても知られる。
 柔道家との“二足のわらじ”を履く鬼柳氏が「本業は柔道、社長業は暇つぶしだね」とインタビューに答えているように、時間があれば柔道練習に打ち込んでいる(ニュースCIT2009年3月号「活躍する校友」)。
 その成果が、今回のハンガリーでの優勝だ。同氏は過去5回出場したIJF主催の世界マスターズ柔道選手権大会でも、一昨年のベルギー大会と昨年のドイツ大会(60キロ以下)の連続優勝という形になって表れている。

次世代ロボット製造技術展(ROBOTECH)開く


本学のロボット技術を世界に発信
講演する古田fuRo所長 古田fuRo所長が行ったROBOTECHセミナー
講演する古田fuRo所長 古田fuRo所長が行ったROBOTECHセミナー
 7月28〜30日、東京ビッグサイトで「次世代ロボット製造技術展ROBOTECH」が開催された。

高齢者向けシステムに高い関心

 本学をはじめ、(独)産業技術総合研究所、東京大学等多くの研究機関や企業が参加し、日本のロボット技術について広くアピールする場となった。
 なお「ROBOTECH」は「第21回マイクロマシン/MEMS展」、「SURTECH2010」と並催されたため、ナノテク関連ほか多くの研究者・技術者も会場を訪れ、総来場者は1万4000人を超えた。
 初日は「ROBOTECH」テーマゾーンで、本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の小柳栄次副所長による講演とロボットデモが行われた。講演では、レスキューロボットの最新技術から問題点まで幅広く言及、会場から活発に質問が飛び出した。
 講演後、ステージに登場したロボットは「ケナフ」と防水・防塵が施された「クインス」。クインスは2メートルの高さから落下しても壊れないよう耐衝撃性を大幅に向上させている。また、国内では初披露の「ロボットアーム」を搭載、ペットボトルや食料を要救助者に手渡せることを示した。
 アームの先にはカメラが設置され、より広範囲に要救助者を探索することも可能となった。なおfuRoから千葉市にロボットを貸し出すことが決定し、現在救助訓練等で試験運用されている。
 2日目は「ROBO−ONEGP in ROBOTECH」が行われ、fuRoの先川原正浩室長が解説者として参加した。同室長はステージ全体の企画プロデュースも手がけている。
 最終日はfuRoの古田貴之所長が、「高齢者向けコミュニケーションロボットシステムについて」と題して講演した。fuRoが積水ハウスや本学未来ロボティクス学科の大川研究室と共同研究開発を行っている「高齢者の在宅健康管理・支援システム」について来場者の関心が特に高く、多くの質問や意見が寄せられた。
 なお「ROBOTECH」の会期中、国内外の新聞・雑誌・TV等マスコミ取材が多数行われ、本学の研究・技術開発力が広く発信されることとなった。
講演・デモを行うfuRoの小柳副所長。操縦は未来ロボティクス学科大学院修士課程1年・西村健志さん 2時間近くロイター通信の取材を受ける小柳副所長(動画は世界中に配信) 今回のROBO−ONEGPでは大型ロボットの登場に注目が集まった
講演・デモを行うfuRoの小柳副所長。
操縦は未来ロボティクス学科大学院修士課程1年・西村健志さん
2時間近くロイター通信の取材を受ける小柳副所長(動画は世界中に配信) 今回のROBO−ONEGPでは大型ロボットの登場に注目が集まった

SURTECH開く
表面技術の総合展


本学3研究室が展示
多くの来場者で賑わったSURTECH2010
多くの来場者で賑わったSURTECH2010
 ROBOTECHが行われた東京ビッグサイトの会場内で、(社)表面技術協会主催のSURTECH2010が同時に開催された。
 日本のものづくりを支える表面技術の総合展として注目された同展には、本学機械サイエンス学科の寺島慶一、山下智司、坂本幸弘3教授の研究室が出展、簡易ダイヤモンド合成装置やダイヤモンド電極を用いたオゾナイザー、さらにポスター展示も行った。
 ROBOTECHとマイクロマシン/MEMSが同時に開かれたため、いろいろな層からの来場者があり、SURTECHの特徴である表面処理、DLCやダイヤモンド等の炭素系材料の合成および応用などについて活発な質問があった。
 SURTECHは、材料表面に関する学理および技術の進歩普及の成果を「見て、触れて、話せる場」であり、本展示会ではユーザー・サブプライヤー・加工業に関わる産学官の人々が一同に会した。製品・技術・研究の発表などを通じ、基盤産業・表面処理業並びに関係業界の更なる発展を求めて活発な情報交流が行われた。