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2010.9.15

ロボカップ世界大会


各部門で本学活躍
世界のトップに立った本学チーム「CITブレインズ」 1位、2位、3位とそろったトロフィー
世界のトップに立った本学チーム「CITブレインズ」 1位、2位、3位とそろったトロフィー
 14回目となるロボカップ世界大会(2010)は今年6月19日から25日まで、シンガポールのサンテックで開かれ、ロボットサッカー、レスキューなど各部門で奮闘した。
◆サッカー◆

テクニカルチャレンジで世界の頂点に
 ロボカップは「2050年までにサッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」ことを目的とした世界的なプロジェクト。世界から研究者が集まり成果を披露しているが、本学のチーム「CITブレインズ」は一つの部門で世界のトップに立った。
 ヒューマノイドリーグは、人型のロボットが自律的にサッカーを行い、その技術を競う。今年は、昨年度まで参加していた社会人と他大学メンバーの不参加により、千葉工業大学のメンバーとはじめ研究所のみで開発を続けて参加。
 ヒューマノイドティーンサイズリーグ(1メートル以上の自律型)のテクニカルチャレンジ(徒競走、スローイン、障害物ドリブルの合計ポイントを争う)では、次々と高得点を獲得し、堂々の一位となった。また、サッカー2on2では、大型ロボットが体をぶつけ合いながらサッカーを行うが、惜しくも準優勝であった。その中でも、ダイナミックに飛び込むキーパは努力の結晶だ。
 ジャパンオープンで優勝したキッドサイズリーグ(60センチ以下)の3on3サッカーは、予選を順調に勝ち進んだが、準決勝で敗退し、3位となった。優勝はドイツチーム。本チームは、2つのリーグ、4つの部門に参加したが、全て3位以内という快挙を成し遂げた。
 年間を通して常に動かし続け、問題を発見しては改良・・・という気の遠くなる作業の末に得た栄光だ。(総合指導は林原靖男准教授と南方英明准教授)
 林原准教授は「みなさんのおかげで世界最高峰といえる安定した自律型ヒューマノイドのプラットフォームを手に入れることができた。これを元に、ロボットの知能化などに挑戦したい」と語っている。
■参加したメンバー
小椋慎祐(大学院工学研究科1年)◇鎌田俊(未来ロボティクス学科3年)◇高松和城(同3年)◇町浩輔(同3年)◇山田幸果(同3年)◇秋谷駿行(同2年)◇福田大輝(同2年)◇(日本大会のみ)入江清主任研究員(fuRo)
■協力いただいた企業・メンバー
◇(株)ブレインズ、はじめ研究所、東京大学大学院有志、双葉電子工業、NKK(西淀川経営改善研究会)、AXIOMTEK、クラフトハウス
リーグは多彩

 この2つより大きい身長のアダルトサイズリーグに本学は参加していないが、1.3メートル以上の“人間並み”ロボットの戦いは強烈な迫力を見せた。
 このほか、ヒューマノイド以外のロボットがサッカー試合をする標準プラットフォームリーグ、小型ロボット、中型ロボットリーグ、シミュレーションリーグなどで、さまざまな型の闘いが行われ、日本のチームも善戦していた。
◆レスキュー◆

マニピュレーションで優勝
 レスキューでは、実機リーグに本学が登場。このリーグには、遠隔操縦か完全自律型のロボットが“災害現場”のあちこちに閉じ込められている被災者を限られた時間内に探査し、彼らの位置、彼らが発する声や熱、さらに二酸化炭素などの情報の精度を競う通常競技部門と、ロボットの能力(モビリティー、地図の精度、マニピュレーション)をそれぞれ競い合うチャレンジ部門がある。
 本学チームは東北大学などとの「Pelican United」。18チームの激戦を勝ち抜き準決勝に進出したが、残念ながら決勝進出ならず。タイが優勝を飾った。
 チャレンジ部門では、「Pelican」が3部門のうちのマニピュレーション部門で優勝した。
 参加した西村健志さんは、「レスキューロボットリーグに参加し、結果は4位でしたが、世界中の研究者と交流ができて、とても良い経験になりました。今後のレスキューロボットの実用化に向けた良いデータが取れました。ロボットをより良いものにするために研究を続けたいと思います」と感想を語った。
■参加したメンバー
西村健志(未来ロボティクス専攻M1)◇北村拓也(未来ロボティクス学科2年)◇大山裕正(同2年)◇小柳栄次fuRo副所長◇吉田智章fuRo上席研究員
ロボレスキュー実機リーグで善戦した本学メンバー
ロボレスキュー実機リーグで善戦した本学メンバー
◆その他の競技◆

 家庭環境を作り、人と対話したり、探したり、棚のものを探したりする「@ホームリーグ」、ジュニアと同じようにサッカーやレスキュー、さらにダンスもある「ロボカップジュニア」など興味深い部門がたくさんあった。
(本稿の一部はオーム社の『ロボコン』情報を参照した)

教育研究交流協定
カナダのライアソン大学と本学


中、仏、米、スウェーデン・・・交流校拡大
交流協定の調印を行うカーラ・キャシディー副学長と本岡誠一学長
交流協定の調印を行うカーラ・キャシディー副学長と本岡誠一学長
 本学はカナダ・トロントにある州立ライアソン大学(Ryerson University=RU)との間で教育研究交流を推進する学術交流協定を締結した。
 本岡誠一学長、本保元次郎国際交流委員長、長嶋孝三学務部長の3人が7月12日に同大学を訪問し、カーラ・キャシディー副学長と協定調印を行った。
 席上、本岡学長は千葉工業大学(CIT)の歴史、現在の学部学科構成および教育方針を説明、「今後両大学の間の人的、学術的交流を活発に行い、両大学のさらなる発展に寄与する実り多い交流を期待している」と挨拶した。
 RUは1948年に工科専門学校として出発、現在、大学院生1600人を含め25000人の学生を擁する。現在の学部は文学、芸術学、社会学、理工学・建築学、経済学の5つ。本学同様、地下鉄ダンダス駅の直近にあり、交通の便の良さは有名だ。

カナダは2校目

 本学はすでに中国の哈爾濱工大、吉林大、北京理工大、フランスのコンピエーニュ工科大、アメリカのペンシルバニア州立大、コロラド大ボルダー校、テネシー工科大、カナダのトロント大理工学部、スウェーデンの王立工科大と交流協定を結んでおり、RUはカナダで2校目となる。