2006.11.15

1面

床下点検ロボットアイリスを開発

暮らしの安心、作業の安全 実現へ

 「人と暮らしの安心・安全を実現する」ことはロボット開発の大きな目的の一つ。本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)と筑波大学、大和ハウス工業(株)は10月26日、そうした目的を実現する「住宅床下点検ロボット」の開発に着手したことを芝園校舎で記者会見し発表した。

記者団に“アイリス”の開発を説明する小柳副所長(左) 床下点検ロボット“アイリス”
記者団に“アイリス”の開発を説明する小柳副所長(左)

床下点検ロボット“アイリス”

fuRoと筑波大、大和ハウス共同で

 住宅は建築後も長期にわたり快適に住むため、特に床下の点検を必要とする。これまで点検作業は人間が行っており、高さ50センチほどの床下にもぐり、シロアリの発生から水 漏れや素材のひび割れ、サビなどを窮屈な姿勢のまま点検してきた。
 しかし、土ぼこりの中で点検者の精神的、肉体的負担は大きい。最近は悪徳点検商法まで現れ、顧客の安心のためにも正確な情報提供が求められている。
 発表されたロボットはfuRoが得意とするレスキュー型ロボット『ハイビスカス』をやや小さくしたもので愛称は『アイリス』。高さ25センチ、幅27センチ、長さ40センチで、本体や前後左右のクローラーによって自在に動き、15センチほどの段差(排水管など)を越え、床下貫通口も容易に通過できる。
 会見では、本岡誠一学長が「身近で役立つロボット」の必要性を述べたあと、開発の中心である小柳栄次fuRo副所長が「アイリスは暮らしの安心・安全のための情報を提供するロボットで、実用性を重視した」と述べた。
 このあと、11号館3階に建設された60平方メートルほどの実物大実験場で実演が行われ、まず大和ハウスの現役作業員が床下をはい回って点検。次にアイリスが林立する「鋼束」の間を動き回り“頭部”のカメラからの映像を会場の大型モニターに送った。いずれはハイビジョンによるクリアな映像の無線送信を目指すという。


本岡学長 小柳副所長
本岡学長

小柳副所長

小柳副所長 「レスキューにも役立つ」

 点検ロボットは2年後の完成を目指しており、その後、大和ハウスの全国93支店に配備される。
 小柳副所長は「配備時に熱センサーを付ければ、すぐレスキューに役立つ」「もう一つの目的は床下の環境地図作り。いわば床下のカルテで、歴史がひと目でわかる」と一歩先を語った。


津田沼キャンパス“新1号棟”地鎮祭挙行


地鎮祭で鍬入れを行う豊田理事長(右)と本岡学長
地鎮祭で鍬入れを行う豊田理事長(右)と本岡学長

 「魅力ある大学づくり」の一環として建設される津田沼キャンパス“新1号棟”(仮称=2008年9月供用開始予定)の地鎮祭が10月19日(木)、建設予定地で行われた。本学から豊田耕作理事長、本岡誠一学長はじめ教職員・学生、建設に当たる三井住友・鹿島建設共同企業体関係者が出席して工事の安全を祈願した。

魅力ある大学づくりへ 大きく前進

 澄みわたる青空の下、午前11時から神事が行われ、鍬入れの儀で(株)横河建築設計事務所の加藤儀尚社長が斎鎌(いみかま)、続いて豊田理事長と本岡学長が斎鍬(いみくわ)、共同企業体代表の三井住友建設(株)五十嵐久也社長が斎鋤(いみすき)を行った。そのあと玉串奉奠などが型どおり行われた。
 正午からは、5号館6階大会議室を会場に直会を開催。席上、原勇記常務理事が「新1号棟と新2号棟、芝園新校舎は学生諸君の勉学環境と先生方の教育・研究に大いに役立つものです。皆さんが全力投球できるよう、環境整備を続けていきます」とあいさつ。
 続いて本岡学長が「新しい20階建ての校舎は、本学のシンボルタワーです。学生たちが“この建物の中で勉強したい”と思う魅力ある校舎を作っていただきたい」と述べた。
 加藤社長は「ジョイントを組む建設会社の皆さんと協力して、理想的な学舎が完成するよう頑張ります」と応えた。このあと、橋本篤秀理事が乾杯の音頭をとり、直会は粛々と進行した。
 新1号棟は、鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造り。建築面積は2、611・22m2、延べ床面積28、269・14m2。地下1階地上20階、棟屋1階建で高さ約93メートル。最上階は学生向けラウンジとなる。


2006年度第4回オープンキャンパス 12/10(日)津田沼キャンパス



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