2006.07.15

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「ハイビスカス」準優勝

ロボカップ2006世界大会(ドイツ・ブレーメン)
ヒューマノイドリーグ・小型ロボットリーグでも好成績
 

 
出番を待つ「ハイビスカス」   凸凹の激しいフィールドで、赤ちゃんのヴィクティム(中央右)を発見したところ
 6月14〜20日、ワールドカップの開催地でもあるドイツのブレーメン市で「RoboCup2006(世界大会)」が行われ、本学の未来ロボット技術研究センターの、吉田智章研究員、未来ロボティクス学科の林原靖男助教授らが率いるチームが参加し、レスキューリーグで準優勝した。
 このチームは、5月に行われた「ロボカップジャパンオープン2006」に参加した電気電子情報工学科2年の桐林星河君、機械サイエンス学科2年の野口宏実君、未来ロボティクス学科1年の阿久澤拓己君、一澤勝弘君、土器秀雄君、山本大貴君の計6人も同行し、教職員と学生が一丸となり試合に挑んだ。その結果、レスキューリーグでは世界大会3連覇がかかっていたが惜しくも準優勝、ヒューマノイドリーグは準決勝で優勝チームと戦い4位、小型ロボットリーグで8位という好成績を収めた。
 レスキューリーグは、瓦礫に見立てた凸凹なフィールド上でロボットを動かし、被災者を見つけるという競技である。ロボットは自律型か操縦型のどちらかで、操縦型の場合はロボットに搭載するセンサーやカメラからの情報だけで探索する。そして見つけた被災者の体温や動き、二酸化炭素排出量などの生存サインを多く正確に記録できるほど高得点が得られる。また、それらの被災者の場所を示す地図情報の出来によって、さらに点数が追加される。
 今回の大会には6月に本学で記者発表を行った新型機「ハイビスカス」も参加し、高度な不整地走破性能を披露していた。
   
  吉田智章研究員   林原靖男助教授

 

ハイビスカスの記者発表行う

 ドイツでのロボカップ2006世界大会出場に先立ち、6月5日(月)芝園校舎11号館で、と吉田智章研究員が開発した、実用化を目的にした新型レスキューロボット「ハイビスカス(Hibiscus)」の記者発表とデモンストレーションが行われた。
 このロボットは、家屋倒壊したガレキなどの災害現場を安定走行できる新型ロボット。機体全体をベルト状の軌道(センタークローラー)で覆い、障害物に乗り上げても空転することなく移動が可能になった。
 大きさは縦65センチで、展開時は98センチ、横幅37センチ、高さ18センチ。バッテリーを含む重量は22.5キロ。進行方向側の軌道の前部の直径を大きくして、ガレキなどに埋まらずに進める。乗り越えられる段差踏破能力は40センチ。カメラや赤外線熱感知センサー、サーモグラフィを搭載、災害現場で救助者の発見を容易にしている。
 この日の「ハイビスカス」のデモンストレーションでは、昨年、一昨年とロボカップ世界大会で2連覇したレスキューロボットとの比較走行も行われた。
 記者発表の中で、は「1年後の実用化を目指しています。多様な災害現場で活躍できるロボットにしたい」と話している。


 
多くの報道陣の前で機敏な動きを見せる「ハイビスカス」  
 
 

腕脚統合型ロボット『ASTERISK』開発の論文
 

 本学、未来ロボット技術研究センター(fuRo)のと工学部未来ロボティクス学科の林原靖男助教授らの研究論文が「日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門ROBOMEC賞」を受賞した。受賞論文は「腕脚統合型ロボット『ASTERISK』の開発」。本年5月27日に開催された「ROBOMEC2006」の会場で表彰式が行われた。
 2005年6月に開催された2005年度日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会で発表した本研究論文は、ロボティクス・メカトロニクス分野の発展に大きく寄与するもので、高く評価されている。
 なお、研究開発された「ASTERISK」は2005年開催の「愛・地球博−プロトタイプロボット展」に出展、腕・脚を統合しながら不整地を走破、天井をぶら下がりながら移動する様子は、多くの来場者やメディアの注目を集めていた。
 
愛・地球博のプロトタイプロボット展で見事な動きを見せる「ASTERISK」
 
 
 
 
   
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