今回は技術士になるまでの試験制度と合格者状況をご紹介します。
技術士は大学ばかりでなく、国からも、科学技術創造立国の政策を推進する上から質が高く、かつ十分な数の技術者の育成・確保の必要性と多くの技術者・学生が技術士を目指すことを期待されています。その中、技術士第一次試験は技術士への第一歩です。
〈技術士補とは〉
大学在学生が修得できる資格は技術士補か修習技術者の資格となります。
1.技術士補
技術士補については、当技術士解説シリーズ第2回でも説明していますが、一次試験に合格し、登録を受けた者です。
2.修習技術者
技術士第一次試験の合格者及び認定された教育課程の修了者を修習技術者と呼称し、技術士補の登録を行わなくても、計画、研究、設計等の業務に従事して、必要な実務経験を修得した後、技術士第二次試験を受験することができます。
〈技術士への道〉
技術士になるまでには、幾つかの段階をふまなければなりません。
年齢・学歴・業務経歴等による制限は一切ありませんので、将来、技術士を目指す若手の技術者や、技術系の仕事に就こうとしている理工系学生はもちろん、文系の学生や自分の技術に関する知識水準を試してみたい人など誰でも受験できます。特に4年制理科系統の学部を卒業している人や所定の国家資格を保有する人には、試験科目の一部が免除されますので合格のチャンスが大きいといえます。
技術士第一次試験に合格した方は修習技術者となります。
修習技術者は次の3ルートのうちいずれかひとつの業務経験を修得して技術士第二次試験の受験資格を得ることになります。
(1) |
修習技術者は法定の登録を受けることによって技術士補となり、4年を超える期間技術士を補助する。 |
(2) |
科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者(勤務先の上司等)の監督の下で、当該業務に4年を超える期間従事する。 |
(3) |
独自に科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務に技術士第一次試験合格前の従事経験を含めて7年を超える期間従事する。 |
※学校教育法による大学院(理科系等のものに限る)の修士課程若しくは専門職学位課程を修了した者、または博士課程に在学した者は、2年間を限度にこの期間を業務経歴として算入することができます。総合技術監理部門を受験する場合の実務経験は、上記(1)から(3)に示した期間に更に3年が必要です。
前述の3ルートのうちいずれか一つの業務経験を満たせば技術士第二次試験を受験することができます。
※技術士第二次試験の受験に際しては、合格した技術士第一次受験の技術部門に限らず、すべての技術部門を受験することができます。
技術士第二次試験に合格した方は、「技術士」となる資格を有することになります。
「技術士」となるためには、登録の申請をしなければなりません。
登録手続きが完了すれば、「技術士」となることができます。
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