2006.04.15

3面

平成18年度入学式
 
 
豊田耕作理事長祝辞(原勇記常務理事代読)
科学技術創造立国の一員に
「AA-」資格を維持継続
 
 
 新入生諸君、ご入学おめでとう。ご列席のご父母の皆様にも心からお慶びを申し上げます。
 さて、すでに6年目を迎えました、この21世紀。これは「知識基盤社会」であるといわれて、知識・学問への要求が大変強い時代であります。
 そして、科学・工学の進展は日を追って目を見張るものがあり、わが国の政府においても、日本は「技術・産業立国を目標とする」ということを、わが日本の将来の大方針に位置付けておりますことは、皆様よくご承知の通りであります。
 この意味におきまして、理工系大学も学生教育には、一段と奮起しなければならないと覚悟を新たにしているところであります。
 
 ここで私は、諸君が入学されました千葉工業大学の沿革につきまして一言ご説明申し上げたいと思います。
 本学の創立は、先ほど学長も言われましたが、1942年(昭和17年)にさかのぼります。その創立に際し、日本の命運を担う優れた技術者を養成するため大学の名称は「興亜工業大学」と命名されました。この「興亜」という名称からもお分かりいただけるように、日本の国策に沿って設立された大学でありまして、単なる私立工業大学というものではなく、国立大学にも準じた国家の期待を背負って創立されたものであります。現在のわが国で、創立当初から旧制大学という形で設立されました工業大学は本学をもって嚆矢とするものであります。本年で創立64年を迎えますことを申し上げておきたいと思います。
 そして、諸君の先輩に当たる本学の卒業生は既に6万5千名をかぞえて、企業の第一線で活躍して、社会から高い評価をうけておりまして、日本の経済成長をこれまでも支えてきております。本日入学された諸君も、これらの先輩に続くことを願って止みません。
 さて、この数年の間に本学で催した記念すべきプロジェクトをいくつか拾って見たいと思います。多少先ほどの学長の話とダブるかも知れませんがお聞き取りをいただきたいと思います。
 まず最初に、去る2002年(平成14年)、暮れも押しせまった12月14日でございました。種子島の宇宙センターから轟音と共に打ち上げに成功しましたHUAロケット、これに本学が設計をして、その一部は学生諸君の力によって造り上げられた小型衛星、愛称「観太くん」これが搭載されまして、高度800kmの予定の軌道に見事に乗ったことであります。
 以来すでに3年有余を経ましたが、今日も、私たちのこの頭上を、南極と北極を結ぶ極軌道を毎日々々14回から15回ほど周回しております。
 そして、この小型衛星「観太くん」は津田沼キャンパス7号館の屋上に設けられました巨大なパラボラ・アンテナによって時々刻々モニターされ、その状況が常にきちんと把握されております。このプロジェクトの最終目的は、海中にいるクジラに発信器を付けまして、太古から神秘のベールに包まれたクジラの生態を、何とか解き明かすための方策にしたいということであります。
 毎年何回かのクジラ回遊のシーズンをねらいまして、この発信器の取り付けを試みておりますが、残念ながらいまだ成功に至っておりません。
 しかし、これが成功した暁には、クジラの生態が解明されるばかりでなく、このプロジェクトをもとに、いろいろ他にも応用編を考えまして、世界中の珍しい動物の生態調査、或いは他にもいろいろな面で応用できるのではないかと期待しているところであります。
 2番目には、2003年(平成15年)6月に政府機関である科学技術振興機構に属しておりましたロボット研究チームを本学に移籍しまして、fuRo≠ニいう名称を付けまして、新しい研究を開始しております。平成15年の12月、全く新しいコンセプトによる8本タイヤ付き、8本のタイヤが1本ずつ独立してロボットとして動く、こういう特殊な車をマスコミに発表し、それ以前に別箇に完成しておりました2足歩行ロボット「モルフ3」とともに世間をびっくりさせたわけであります。
 この技術力をべースに、文部科学省の認可を得て、新しい学科「未来ロボティクス学科」が本日ここに新しくスタートする運びに至ったわけであります。第1回のこのロボティクス学科に入学した学生諸君が、本日ここに同席してくれていることは誠に喜びにたえません。
 3つ目でありますが、同じく平成15年11月に、格付会社R&Iによる大学審査を受けています。その結果、本学は格付けとしまして、「AA−(ダブルAマイナス)」という資格を取得いたしました。以降毎年、更新審査を受けておりまして、現在もこの「AA−」は、きちんと維持をされております。そしてこのことは、本学の学内体制が、将来へ向けて「発展する底力」を持っているということの証明であると考えております。
 入学生諸君、先輩たち卒業生6万5千人が、全国津々浦々で頑張っていることを念頭に置いて、諸君もこれら先輩に続いて立派な技術屋になるべく、本日、ここに決意を新たにして、健康に留意し、勉学に、そして人格の陶冶に励まれんことを切に期待しまして、入学の祝辞といたします。
 
 
第一期生138人を迎えた未来ロボティクス学科
 
 
教授陣によるロボットデモ行う
最先端ロボットに熱視線
 
 未来ロボティクス学科第一期生138人を迎えて行われたガイダンス終了後、同学科の教授陣によりこれまでに作製したロボットのデモンストレーションが行われ、新入生や父母たちは興味深く最先端ロボットの動きを見守った。
 最先端ロボットの競演は、ロボカップ世界大会で2年連続制覇を果たしたレスキューロボットや、砂袋を利用した無限軌道をもち、急階段でも滑り落ちないクローラーロボットなど、特徴ある動きを披露していた。
 このほか、ロボットの2足歩行制御分野の先駆者である南方英明講師は、ソニーのエンターテイメントロボット「AIBO(アイボ)」でサッカーの試合を開催。“最強のロボコン世界チャンプ”の異名を持つ林原靖男助教授は、車輪をもつ円筒形のサッカーロボットの操縦を見学者に体験してもらう場面もあった。
 メカトロニクスの世界的権威である米田完教授は、クローラーロボットのほか、トカゲなどの生物を模倣する四脚歩行ロボットや、人間の歩みにより近い動きをする研究用の2足歩行ロボットを出展し、見学者の熱い視線を集めていた。

新入生が見守る中、四脚歩行ロボを説明する米田教授
 

 
第1期生138人の学生と父母を前にあいさつする中野学科長
 

レスキューロボットを説明する
fuRoの小蜑h次副所長
 
 
アイボによるサッカー大会
 

逆さになったり、転んだり
(ロボワン)
 
ロボワンでのロボットの動きに興味津々
 
   
 
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