大学院デザイン科学専攻2年の木村友紀君(長尾・松崎研究室)が、先頃開かれた「CAR STYLING国際カーデザイン・コンペティション2005」で優秀賞(学生の部)を受賞した。
このコンペは、自動車デザイン専門誌の「CAR STYLING」誌が毎年開催し、今年は将来の社会、道路利用等を想定し、乗り物としての使われ方やシステムも含めた提案に主眼がおかれ、今回の課題は「X年後の道路利用トランスポーティーション」だった。
木村君の作品は「Park in Ride」。将来の人とクルマ、都市環境との新しい関係を示したもので、ステーション(鉄道)とトランスポーティーションとをリンクさせたシステムとその車両デザインとして提案した。燃料電池を動力源とするこのコミューターは、車いすでの乗降、操作が可能で、エレベーター等にも乗り込めるくらいコンパクトにデザインされている。
このシステムは、コミューターごとステーションに進入でき、鉄道での移動も可能。さらにスティーション内には燃料電池スタンドや銀行などで一つの都市を形成することにより、障害者にも優しい街づくり、公共機関との融合にフォーカスした提案になっている。スタイリングコンセプトは、外側の車両と内側の車いすを「靴と靴下の関係」として捉え、車いす利用にフィットしたレイアウトで、三角形をモチーフしたフォルムは車いす乗員を優しく包み込むハーフカウル風のデザイン。
木村君は「元々は修士課程の研究として井村五郎先生から提供してくださったテーマでした。昨年はモデル製作で大変でしたが念願の入賞を果たすことができました」と受賞の喜びを語った。
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▲作品のコミューターを前にして受賞の喜びを語る木村友紀君 |