2005.2.15

1面

国内初の直収型光ファイバーLANを導入

次世代キャンパスネットワーク“MARINE”
研究室など1000カ所をセンターと直結
超高速通信、ウイルス対策など強化
 

 本学では、津田沼、芝園の2キャンパスに分散しているすべての研究室を含め、約1000カ所を光ファイバーで直接センターと結ぶ「次世代キャンパスネットワーク=通称MARINE(Multimedia Archives&Resources Intercross Network)」を昨年12月に整備した。旧ネットワークを統合し、今年4月から本格運用に入る予定。完全なる直収型光ファイバー(FTTD)LANの構築はわが国では初のケースとなる。

本ネットワークMARINE≠フ特徴は――。
(1)光ファイバーを用いることでノイズに影響されない。
(2)1ギガビットの超高速通信を各端末まで基本的に利用できる。
(3)中継機器を介さずに端末まで接続できるため、途中のネットワーク接続機器(スイッチングハブやルータ等)が不要となる。
(4)ウイルス対策の一元化によりセキュリティが強化される。などである。

 従来の多段型ネットワークでは、各教室・研究棟においてネットワーク接続機器の設置場所の確保が必要であったり、大学内の組織変更に伴ってネットワークの接続形態の変更が余儀なくされたり、またメタルケーブルである場合には、学内の実験設備などに起因するノイズを拾うなどの問題が発生したりしていた。本ネットワークではこれらの課題を、光ファイバーをセンターに直収することにより解決した。
 さらに、各研究室からの外部ネットワーク等へのアクセスをセンター内に設置したセキュリティサーバ類で一元的に管理することにより、これまで各学科等に分散設置していたセキュリティサーバが不要となり、管理・運用面で大幅なコストダウンが実現できる。
 このような次世代ネットワークは、グリッドコンピューティングやブロードバンド対応のe―Learningに活用することが期待できる。
 具体的な本ネットワークの内容は次のとおりである。
 
▲光ファイバー250本を収容した集合メディアコンバータ。これが1ラックで津田沼に3ラック、芝園に1ラックの合計1000本の光ファイバーを収容している。赤枠内だけで32本だけで32本(拠点)の光ファイバーを収容
(1)インターネット接続回線、キャンパス間接続回線
 インターネット接続用外部接続回線は、ISP通信障害にも耐えうるようキャリアミックスによるマルチホーム接続環境を実現した。既存の学術情報ネットワーク(SINET)に加え、新規に帯域保証型10MbpsのISP接続を重要なメール等に利用し、通信トラフィックが一番多いと予想されるWebアクセスについては、安価・高速な非帯域保証型100MbpsのISP接続を3回線とし、トラフィックを分散させることで高速かつコストメリットの高いインターネット接続環境を実現した。
 津田沼〜芝園を結ぶキャンパス間接続回線については、既存の1・5Mbpsから帯域保証型の広域イーサネットワーク100Mbps×2アクセスにより高速化・冗長化を行い、キャンパス間での遠隔講義トラフィックなどキャンパスを跨いだシームレスな学術研究活動に対応できる環境を整備した。
(2)光ファイバーLAN配線方式
 5号館のセンター機器から各研究室1000カ所まで光ファイバーにて直収し、全研究室の高速アクセス環境を実現した。本ネットワーク構成はノイズの影響が無く、柔軟にネットワーク構成の変更等が可能なLANである。光ファイバーの敷設技術方式として、シングルスター(SS)方式を採用し、光ファイバーの1芯を占有することにより高速化や将来の拡張に対して柔軟に対応できる環境を整備した。各研究室にはメディアコンバーターを設置し、研究室ごとの必要帯域に応じて100Mbpsおよび1Gbpsの高速を実現した。
(3)サーバ構成
 セキュリティサーバ系は、ファイアウォール・アンチウイルス・IDS(侵入検知)を単一機器で処理可能なサーバを導入し、1万人の全トラフィックを高速かつセキュアに処理可能な環境を実現した。また、Proxyサーバはアプライアンスの3台冗長構成とし、Web通信の高速化、信頼性の向上を実現した。
(4)認証方式
 演習室など不特定多数がネットワークを利用する環境下では、新たに構築した認証基盤システムによりメール、Webメールおよび認証VLANのユーザ認証データの一元管理を実現し、運用管理を容易にした。
◆ことばの解説◆
FTTD(Fiber To The Desk):オフィス各席まで光ファイバーを導入すること。
グリッドコンピューティング:ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことで仮想的に高性能コンピュータをつくり、利用者はそこから必要なだけ処理能力や記憶容量を取り出して使うシステム。
ISP:インターネットサービスプロバイダーの略。インターネット接続業者。
マルチホーム:2つ以上のインターネットサービスプロバイダーに加入して、必要に応じてそれらを使い分けること。
シングルスター方式:センターから伸びる光ファイバーを末端まで直接1本で接続する方式。
メディアコンバーター:異なる伝送媒体(例えば光ファイバーと銅線ケーブル)を接続し、信号を相互に変換する装置。
IDS(Intrusion Detection System):侵入検知システム。インターネットからの不正アクセスなどを検知し、管理者に警告を出したり、トラフィックを遮断する機能や機器。
Proxyサーバ:インターネット接続時、セキュリティを確保するために設置されるサーバ。「proxy」は「代理」の意。他にproxyサーバにより、WWWアクセス時にHTMLデータその他のキャッシュなどを行い、高速化を行うこともできる。
アプライアンス:特定用途向けの専用装置。
認証VLAN:従来の端末単位の管理ではなく、ユーザー単位(ユーザーIDとパスワード)のアクセス管理・制限が可能になることで個人認証ができる新しいセキュリティ技術。
 
 
平成16年度卒業式ご案内

 
 平成16年度学位記授与式は、3月22日(火)午後2時から、幕張メッセ・イベントホールで挙行されます。
 入場受付は、学生・父母とも1時半から開始します。定刻以降は入退場できませんので時間厳守のこと。なお、学生は当日「学生証」を必ず持参してください。
 
 
2面→
 
千葉工業大学/〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1
Copyright © 1998-2005 Chiba Institute of Technology. All rights reserved.