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流星観測衛星S-CUBE(エスキューブ)のH-IIBロケットによる打上げが決定!~世界初の「流星紫外線観測プロジェクト」始動!メテオの兄弟ミッション~


  • 流星観測衛星「S-CUBE(エスキューブ)」が宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)に搭載され、H-IIBロケット5号機(打上日時:2015年8月19日(水曜日))により打ち上げられることが決まりました。
  • 「S-CUBE」は「こうのとり」により宇宙ステーションに届けられた後、宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟から放出され地球周回軌道に投入されます。「S-CUBE」の放出ミッションは、JAXAの油井亀美也宇宙飛行士が宇宙ステーション滞在中に実施される予定です。
  • 「S-CUBE」は千葉工業大学惑星探査研究センターを実施責任機関として、千葉工業大学惑星探査研究センターと東北大学が共同で開発する大学独自のプロジェクトです。
  • 「S-CUBE」は世界初の宇宙からの流星紫外線観測プロジェクトです。
  • 「S-CUBE」は二度の打上げ失敗に見舞われた流星観測カメラ「メテオ」の兄弟ミッションです。

ページ内目次


概要

千葉工業大学惑星探査研究センターでは、惑星科学探査を目的とする超小型衛星プロジェクトを立ち上げました。巨額の予算と長期に渡る開発期間が必要である国による惑星探査とは対照的に、超小型衛星は大学規模のリソースにより短期間で独自に開発できることがメリットとして挙げられます。初号機S-CUBE(エスキューブ)は宇宙からの流星観測をミッションとする3Uキューブサットです。キューブサットは10センチ角のユニットからなる超小型サイズでありながら、その可能性により、米国 Science 誌が選ぶ2014年10 大ブレークスルーに選ばれるなど、大きな注目を集めています。その中でも3Uキューブサットは科学やビジネスでの実利用が各国で始まりつつある、最注目の衛星カテゴリーです。「S-CUBE」は日本初の3Uキューブサットとして、本格的な科学観測に挑みます。「S-CUBE」は千葉工業大学惑星探査研究センターを実施責任機関として、千葉工業大学惑星探査研究センターと東北大学が共同で開発しています。

「S-CUBE」と相補的な関係である、流星観測カメラ「メテオ」との同時観測を目標に、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の『「きぼう」からの超小型衛星放出機会提供(有償の仕組み)』に応募し、JAXAのご協力もあり短期間で安全審査・適合性確認審査を通過し、「こうのとり」5号機に搭載されて、種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。「S-CUBE」は「こうのとり」により宇宙ステーションに届けられた後、JAXAの小型衛星放出機構(J-SSOD)により、「きぼう」日本実験棟から放出され地球周回軌道に投入されます。メテオの打上げ失敗は非常に残念でしたが、このタイミングで「S-CUBE」を打ち上げることで我々の歩みを止めず流星観測プロジェクトをスタートできることは非常に重要なことと考えています。

「S-CUBE」がターゲットとする流星は、太陽系始原天体である彗星や小惑星の塵が地球大気に衝突する(ぶつかる)ことで生じる現象です。そのため、流星観測は「間接的な太陽系始原天体探査」といえます。「S-CUBE」には科学測器として可視カメラ1式と紫外線センサ3式を搭載しています。流星の紫外線はオゾン層による遮蔽のため地上に届かず、これまで詳細な観測が行われてきませんでした。「S-CUBE」は、世界初の「宇宙からの流星紫外線観測プロジェクト」であり、流星の発光メカニズムの解明や、流星塵成分の新たな情報を得ることが期待されます。この流星紫外線を観測できることが、可視分光観測を目的とする兄弟ミッション「メテオ」との大きな違いになります。また、地球への微小天体の衝突頻度や空間分布の評価につなげることができ、宇宙物質が地球にどれだけ供給されているのかを議論することが可能になります。

本開発には、千葉工業大学が2002年に開発した日本初の大学衛星である鯨生態観測衛星「WEOS」や東北大学の2Uキューブサット「RAIKO」の知見・ノウハウが生かされ、さらに3軸リアクションホイールや伸展マストなど新たなシステムを追加することで、衛星バスとしても先進的で汎用性ある設計となっています。大学規模で独自に推進できる本プロジェクトを推進することにより、宇宙惑星探査の新たな方向性を切り拓きたいと考えています。