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EPISODE 04 日本初!有人ロケット開発への挑戦

宇宙飛行士選抜試験でムッタと共に夢を追いかけた受験生中最年長(54才)の福田。試験では落選してしまうが、ロケット開発に携わってきた経験を買われ、民間企業「スイングバイ」に再就職。日本初の有人ロケット開発に挑む。

「次世代ロケットの研究」について工学部 機械電子創成工学科の和田先生にお話をうかがいました

研究内容

専門は宇宙機構造設計、推進工学、燃焼工学。ハイブリッドロケットエンジンの開発に加え、新たな燃料の開発や低コストの次世代型ロケットの実用化提案などがテーマ。現在は日本のロケット研究者らが集うハイブリッドロケット研究会に加わり、成果を共有することで、開発を加速しようとしています。

episode 04-01

民間企業のロケット開発は
コストの視点が重要

小型観測ロケット試作機 イメージ

民間のロケット開発は、いま現実の世界でも盛んに行われています。アメリカではすでに打ち上げに成功している企業が複数あり、日本でもインターステラテクノロジズ社などが開発を開始しました。漫画のエピソードにある有人宇宙ロケットの場合には、求められる安全性、信頼性のレベルが格段に上がり、難易度も高まります。その際、私が研究しているハイブリッドロケット※は一つの回答になると考えています。ロケットには大きく分けて液体燃料を使用するタイプと、固体燃料を使用するタイプがありますが、それぞれにデメリットがあり、ハイブリッドはそれらを解決する可能性があるからです。ところで、ロケット開発の最前線ではどんなニーズが高まっているのでしょうか。現在、各社の最大の課題は、商用利用に向け、打ち上げコストをいかに削減するかにあります。アメリカのスペースX社が、打ち上げたロケットの1段目を回収しているのも、再利用することで打ち上げ費用を大幅に削減する狙いがあるからです。
※ハイブリッドロケット:プラスチック燃料と液体酸化剤を組み合わせたエンジンで飛ぶロケット。爆発の危険性が少なく、安全に取り扱えることがメリット。

episode 04-02

夢だった宇宙に手が届く時代がすぐそこに

ハイブリッドロケットのエンジン部分 イメージ

背景には、キューブサットのような、超小型人工衛星が増えていることもあります。安価で手軽なことがメリットの超小型人工衛星を1つだけ打ち上げたいというときに、大型のロケットでは採算があいません。火薬である固体燃料は、安全管理を慎重にする必要があり、液体燃料はロケットの小型化が難しいため、どちらもコスト高になります。となると、燃料が爆発性のないプラスチックで、製造や取り扱いが簡単・安全なハイブリッドが有望なのです。課題は、燃えにくいことですが、私は強度や弾性などを改良した樹脂を開発し、従来のプラスチックより約3倍のスピードで燃焼させることに成功しました。本学でも、燃料と燃焼方法の開発を進め、学生とともに次世代ロケットの打ち上げに挑みます。目標は、誰にでも扱えるほど安全でありながら、ローコストで高度100kmの宇宙に到達すること。宇宙の塵の収集解析や無重力実験を行いたいとき、気軽に打ち上げできる時代が、すぐそこに来ていることは間違いありません。

工学部  機械電子創成工学科

機械工学と電子工学の融合領域で発想力を鍛え新しい「ものづくり」を担う人になる

ものづくりの現場では、専門的な知識や技術だけでなく、新しい発想を持った人材を求めています。機械工学と電子工学が融合した技術で、まだ世の中にないものを生み出す人材の育成が本学科の目標です。社会のニーズに対するセンスを磨きながら、実験や実習でものづくりに取り組み、意図した通りに動くよろこびを体感できます。また、演習の機会も豊富で、企画立案、実験、計測、プレゼンなどのプロセスを通して、チームワークやマネジメント力、コミュニケーション力、調整力などを鍛えることができます。

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