千葉工業大学　プロジェクト研究年報　2014年版

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れている．その根拠として， ・ 分散学習では，休憩中に学習した内容をリハーサルする事が可能であり， ・分散学習の方が，学習対象に注意を集中しやすい傾向があり， ・分散学習の方が，様々な視点から学習対象の符号化を行いやすい といったようなものがある． ３．研究結果と想定される結果 本研究では，構築したシステムを用いて学習を行った．大学生を対象に自主的な学習を継続的に行わせ，毎週1度程度の間隔で学習成果をレビューし，学習状況の確認を行った．結果として，平均的に1日20分程度の学習を半年以上継続することに成功した． 通常の講義では，事前事後学習等の時間や内容の管理については，学生の自主性に任せるのみであったが，本研究で構築したシステムを用いれば，時間や内容について教員の負荷を大幅に軽減できると考える．把握しづらい情報をデータとして収集および蓄積することで，学習状況の管理に役立てることができる． また週1度の学習成果のレビューを通じて，怠けて学習を継続できない学生を検知し，学習を途中で投げ出してしまうことが無いように対策を打つことができるようになった． ４．まとめと今後の課題 本研究では，携帯型の情報端末とクラウドサービスを組み合わせることで，学習素材の提供と学習状況を把握するための情報収集システムを構築した． また，アクティブリコールと分散学習を行うことで効率的な学習を行うことが出来る学習システムを構築した． 最後に，大学生を対象に自主的な学習を行わせることで，自主的な学習を継続して実施させることができた．学習状況の管理を行う際にも，従来に比べて低コストで行うことができるようになった． 今後は収集されたデータを活用し，学習者の学習意欲を考慮した教授用の開発を行いたいと考える．意欲が低い学習者に対し，学習を習慣化させ，長期継続させるための仕組み作りを目指す． また，学習者の行動をモニタリングして個別的指導を行うための支援システムの開発を目指す．学習者の習熟度に合わせた学習法の開発および，事前事後学習の効果を上げるための仕組みとして有益な知見が得られると考える． 参考文献 (1) 水野りか，最適分散学習方式 改良Low-First方式の効果の持続性 : 実験的検証と予測モデルの構築，認知科学，Vol. 9, No. 4, pp. 532—542, 2002. (2) Frits, C., Morris, R., Acton, M., Voelkel, A., and Etkind, R., Comparing and combining retrieval practice and the keyword mnemonic for foreign vocabulary learning, Applied Cognitive Psychology, Vol. 21, pp. 499-526, 2006. (3) Reigeluth C.M., The Elaboration Theory of Instruction : A Model for Sequencing and Synthesizing Instruction, Instructional Science Vol. 9, pp. 195-219, 1980. (4) Karpicke, J.D. and Roedinger III, H.L., The critical importance of retrieval for learning, Science, Vol. 319, pp. 966-968, 2008. (5) Karpicke, J.D. and Blunt, Janell R., Retrieval Practice Produces More Learning than Elaborative Studying with Concept Mapping, Science, Vol. 331, No. 6018, pp. 772-775, 2011. (6) McDaniel, M.A., et al, The Read-Recite-Review Study Strategy, Psychological Science, Vol. 20, No. 4, pp. 516-522, 2009. (7) Koriat, A. and Bjork, R.A., Illusions of Competence in Monitoring One’s Knowledge During Study, Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, Vol. 31, No. 2, pp. 187-194, 2005. (8) Karpicke, J.D., Butler, A.C., and Roediger III, H.L., Metacognitive strategies in student learning: Do students practise retrieval when they study on their own?, Memory, Vol. 17, No. 4, pp. 471—479, 2009. 2014　千葉工業大学附属総合研究所　プロジェクト研究年報　　　　　　　　　　Project Report of Research Institute of C.I.T 2014　　　　　　57

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