千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2014年版
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図1 基板の自転条件による作製膜の微細構造の変化.(a)(b) 定速0.8 rpm,(c)(d) 1/2成膜時点で反転,(e)(f) 1/4,1/2,3/4成膜時点で反転. 図2 基板位置による微細構造(くの字)の相違.基板中心からの距離:(a) +12 mm,(b) +9 mm,(c) 0 mm,(d) -9 mm,(e) -12 mm. 図3 形状膜厚500 nmの緻密およびINC化ITO膜の光透過率スペクトル. 図4 波長381 nmにおける光透過率の変化. 図3に,近紫外〜近赤外の光透過率スペクトルを示す.緻密膜では,干渉によるうねりが生じるため,波長によって大きく透過率が変化しているのに対し,垂直柱状INS膜(図1(a)(b))では,自己遮蔽効果によって得られたINSが存在するため,干渉の影響が大きく低減されている.一方で,短波長側において散乱による光損失が発生するため,透過率が低下する.ジグザグ構造,くの字構造膜は原料供給の方向が柱状構造のものより限定され,一定方向でしか自己遮蔽効果が得られないため結晶粒径が揃わず,緻密膜と柱状構造膜の中間的な特徴を示す. 垂直柱状INS膜について,AiEC特性評価を行った結果を図4に示す.印加電位+2~-1V間で,波長390 nm付近において最大8%の可逆的な透過率変化が確認された.以前に報告した透過率変化量は1.5%であり3),スリットを用いて微細構造制御性を向上させることにより,AiEC特性が飛躍的に向上した. 参考文献 (1) 山崎純一,倉永知英,鷹羽秀隆,齋藤永宏,井上泰志,高井 治:表面技術,57,459 (2006) (2) J. Robbie and M. J. Brett : J. Vac. Sci. Technol. A, 15, 1460 (1997) (3)Y. Inoue, J. Matsui, H. Ishikawa, H. Tsuda, O. Takai, Thin Solid Films, 518, S6 (2010) 2014 千葉工業大学附属総合研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2014      2

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