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2020.5.15

コロナ禍でオンライン授業


月内にも“対面開始”検討
自宅でオンライン授業を開始する未来ロボティクス学科の大川茂樹教授
自宅でオンライン授業を開始する未来ロボティクス学科の大川茂樹教授
 新型コロナウイルスの感染拡大で、本学では4月1日に予定していた入学式を中止。同日行う予定だったガイダンスと授業開始も見送られた。
 その後5月初旬に授業開始を予定したが、4月7日、政府が感染拡大防止へ緊急事態宣言を発令したことで、5月18日まで授業開始を再繰り下げすることを決定した。
 さらに感染拡大が続き、緊急事態宣言が同月31日まで延長されたことで、本学は学生・職員の安全のため5月18日(月)から当面、情報通信技術(ICT)と学生たちに貸与しているiPadを活用した授業(オンライン授業)のみ開講することを決断した。
 授業形式は大きく分けて▽当該授業日から約1週間かけ各自が学修する「オンデマンド方式」▽時間割通りの曜日・時限にオンラインで授業する「ライブ配信方式」――の2通り。オンラインでも、通常年と同レベルの教育を提供できるよう準備。学生たちは開講一覧表をmanabaや授業支援システムで事前確認して受講することになる。
 すでにオンライン授業を体験した1年生からは「やっと千葉工大生として実感が湧いてきた。不安だがなんとかオンライン授業で頑張りたい。でも早く大学に通い、友人を作りたい」などの感想が寄せられた。
 オンラインに加えて今後、6月22日(月)から対面授業も開始する予定だが、オンライン形式も同時に継続する。前期の対面授業が全て終了するのは9月12日(土)になる予定。
新緑にあふれ学生たちを待つ新習志野キャンパス
新緑にあふれ学生たちを待つ新習志野キャンパス

3D空間を疾走 車いす


fuRoが協力 準グランプリ獲得
「サイバースポーツ」―― 未来都市空間で車いすレースを体験できる
「サイバースポーツ」―― 未来都市空間で車いすレースを体験できる
 本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)が協力して完成した、車いすレースの魅力を体験できるVR(バーチャルリアリティー)エンターテインメント技術が「クールジャパン・マッチングアワード2019」で準グランプリを受賞した。
 パラスポーツとテクノロジーをドッキングさせたこのシステムは「サイバースポーツ」と名づけられ、車いすをかたどった筐体に乗って東京の街をスキャンした3Dの未来都市空間を疾走するなどの疑似体験ができる。
 自身が車いす利用者である澤邉芳明社長が率いる(株)ワントゥテン(本社・京都市)がパラスポーツの魅力を多くの人に知ってもらいたいと、研究開発型企業の(株)RDSと共同開発した。
 fuRoはこのシステムの「CYBER WHEEL X」の開発に協力。車いすのハンドリム(駆動輪の外側に付いている持ち手)にウエイト制御技術を導入することによって、上り坂では負荷がかかり、下り坂では加速するなど、より実際に近い車いすレースを体験できるほか、ハンドリムの回転数の確認や負荷の調整を可能にした。
 これらの技術にはfuRoが開発した「Halluc Ⅱχ」や「CanguRo」などで培ったロボット技術が応用されている。
 クールジャパン・マッチングアワードは、日本の魅力を深く掘り下げ、世界の共感を得た優れた取り組みを募集し、表彰する。クールジャパン官民連携プラットフォームが主催し、内閣府に事務局がある。

彬子女王殿下が本学特別教授に


地球学研究センター主席研究員も
 三笠宮家の彬子女王殿下が、4月1日付で本学の特別教授および地球学研究センター(Geo-Cosmo inst.)主席研究員(非常勤)にご就任になった。
 彬子女王殿下は英国オックスフォード大で日本美術史の博士号をご取得になり、皇族の公務のほか学者としても幅広くご活躍になっている。2017年3月にはトルコ・アナトリア地方の考古学・文化・歴史に関する研究活動を支援している三笠宮記念財団の総裁にご就任になった。
 三笠宮家は、彬子女王殿下の祖父で学者として知られた崇仁親王殿下がアナトリア考古学研究所の属する中近東文化センターの設立をご発意。父のェ仁親王殿下が同研究所建設にご尽力になった。
 一方、本学地球学研究センターと惑星探査研究センター(PERC)はアナトリア考古学研究所と共同で、中央アナトリアで1万年の人類の歴史が埋まっているカマン・カレホユック遺跡の発掘・研究を行っている。
 一昨年9月、彬子女王殿下の三笠宮記念財団総裁ご就任を祝う式典がトルコのイスタンブール県で開かれた際、本学から瀬戸熊修理事長と松井孝典常務理事(PERCとGeo-Cosmo inst.所長を兼務)が参列。このときアナトリア考古学研究所の大村幸弘所長が2人を彬子女王殿下にご紹介したのを機に、一昨年12月には本学津田沼キャンパスをご訪問、教育・研究環境をご視察になった。昨年度からは本学主催の研究会「フォーラム地球学の世紀」にもご参加になっている。
 今後は8世紀初頭に西域やペルシャから日本に渡来した文化とその影響についての調査・研究のほか、学部教養課程、専門課程、大学院での講義をしていただく予定だ。

17年連続AA−


本学格付け「安定的」
 格付投資情報センター(R&I)は3月25日、本学の長期債務の信用格付けを「AA−(ダブルエーマイナス)」、格付けの方向性は「安定的」と公表した。本学は2003年にR&Iから発行体格付「AA−」を取得して以来、17年連続となる。
 評価理由には、未来ロボット技術研究センタ―(fuRo)、惑星探査研究センター(PERC)などで研究活動に積極的に取り組み、大手家電メーカーとの共同研究や「はやぶさ2」に搭載された観測機器の企画・開発といった実績をあげている。
 また、2019年に新たに地球学研究センター(Geo-Cosmo Inst.)を設置し、大学の知名度向上に寄与▽19年度入試は地方の受験生を広く集め、9万人を超える過去最高の志願者数を確保。20年度は受験生の安全志向が高まる中で初めて10万人を超えるなど、インターネット出願の締切日を試験日前日までに繰り下げた効果が続いたとみられ過去最高を更新した――などを挙げている。