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2017.12.15

FDフォーラム 真剣質疑


研究発表5件を教育業績表彰

教職員が力を合わせて本学の教育力向上に取り組むFDフォーラム(FD委員会主催=委員長・長尾徹デザイン科学科教授)が11月27日、津田沼キャンパス2号館大教室で開かれ、昨年度を上回る約150人の参加者が真剣に質疑した=写真
 FD(Faculty Develope mennt=授業改革の組織的取り組み)のフォーラムは今回が5回目。これまで2月に開いていたFD講演会を集約し、第1部を講演会、第2部を教職員の教育に関する研究成果を発表するポスターセッションとした。
 冒頭、小宮一仁学長に代わりあいさつした佐波孝彦副学長は、文科省が進める「高大接続改革」について「大学入試改革ばかりがクローズアップされがちだが、これまでの高校教育改革の中で育ってきた生徒たちがいよいよ大学に入ってくる。そこで大学は、自分たちが教えたいことを教えるという従前どおりのやり方を続けていっていいのか。我々の教育のあり方を根本的に変えなければならない時期が差し迫っていることをご理解願いたい」と呼びかけた。
 講演は全国規模の大学入試動向分析などに長年携わってきた高坂栄一・(株)進研アド大学改革推進室長による「高大接続改革の現場から」。
 高坂氏は「高大接続改革とは高校教育と大学教育、大学入試を三位一体で改革して、社会で必要な力を持つアクティブラーナー=主体的な学習者=を育てるのが目的だ」として、「大学はそこから逆算した教育の場であってほしい」と、大学側の意識改革を訴えた。
 これに対し会場からは「学生に主体性を持たせるための有効なテーマとは? また、どうしても主体的に動けない学生にはどう対応すべきか」など、現場を預かる教員ならではの質問が出され活発なやりとりが続いた。
 2階1〜4会議室で行われたポスターセッションには教員16件、大学改革推進室1件、教務委員会1件の計18件の研究発表が展示され、それぞれのポスターの前で教職員が熱い議論を交わしていた。
 これら研究発表のうち次の5件が「教育業績表彰」に決まり12月7日、表彰式が行われた。
 ▽新井浩志准教授(機械電子創成工学科) 機械電子創成基礎実験・実習におけるPBL教育−ピンポン玉トランスポータの作製−
 ▽金田晃一准教授(教育センター) ジャグリングを通じたスキルトレーニング(身体・ティーチング・文章化・プレゼンテーション)〜教養テーマ科目・テーマC・課題探究セミナーに向けて〜
 ▽木島愛准教授(教育センター) 「異文化理解」の目的と工夫
 ▽手嶋吉法教授(機械電子創成工学科) パテント&デザインパテントコンテストへの応募と国際会議での英語発表を研究室の全学生に経験させる取り組み
 ▽山崎治准教授(情報ネットワーク学科) 「着実/柔軟な授業改善」に繋がる講義の映像コンテンツ化

長尾委員長の話
 ここ数年、高く評価されている本学の教育力向上に照らしても、FDの効果は十分に出てきており、この流れをしっかり維持していくことが大切だと思う。

研究開発の成果 発表


介護系SI-LABの2チーム
成果を発表するSI-LABチーム
成果を発表するSI-LABチーム
 デザイン科学、プロジェクトマネジメント、未来ロボティクスと機械電子創成工学、建築の5学科の学生で構成する2つの混成チームが、今年7月から取り組んできた介護系SI-LABプロジェクトの成果発表会が11月16日、津田沼キャンパス2号館で開かれた。
 社会実装(Social Implementation)を見据えた高齢者介護のためのサービスや製品、システムなどを、学科の垣根を越えて学生が主体的に創り出そうというこのプロジェクトに参加したのはデザ科、PM、未ロボの3年生各2人と、建築の2年生2人、機械電子創成の2年生3人の計11人。
 未来ロボット技術研究センター(fuRo)の富山健研究員をコーディネーターとして、2チームに分かれ、8月の御宿研修センターでの合宿を含むミーティングと、特別養護老人ホームなど各種の高齢者介護施設の見学や聞き取り調査などを積み重ねて、チーム独自のテーマ構築に挑んできた。
 2チームが発表した成果は――。
チームA 「CURE(クーラ)」(リーダー・経塚彩乃さん=デザ科)
 介護施設利用者の要望に適合し、自分らしい生活を送ることのできる施設探しと、施設側のベッドの空き時間短縮、施設職員の利用者探し業務の軽減を進めるマッチングサービスシステムの開発。
チームB 「Smiler(スマイラー)」(リーダー・北本彩乃さん=デザ科)
 施設内での利用者のレクリエーション時間をより楽しくするロボットの開発。センサーとプロジェクター、パソコン機能を内蔵し、スクリーンや壁などに投影した映像が、利用者の動きに反応して自在に変化。さまざまなゲームなどができる。

 発表会には介護施設や機器、介護士養成などに携わっている専門家6人や、チームメンバーの学生が所属している学科・研究室の教員、そして介護関係者と参加学生をつないでこのプロジェクトの運営を支えている(株)aba代表取締役の宇井吉美さん(大学院工学研究科在籍)らが参加。
 専門家からは、2チームのアイデアや具体的な内容について、「素晴らしい」「現場に適用するにはさらに具体的な詰めが必要」など、学生たちの意欲を刺激するさまざまな意見が出ていた。
富山研究員の話
 SI-LABプロジェクトの最大の特徴は「全てを学生が自分たちで決めて、自分たちで実行し、成果を生み出す」。言い換えれば「自分から動け!」ということです。その結果、参加学生たちはプレゼンテーション力とコミュニケーション力、自主性が急速に向上していき、就活でも最強のエントリーシートが書けるようになるのです。
映画「つむぐもの」 自主上映討論会開く
 介護関係者の間でいま話題の映画「つむぐもの」の自主上映・討論会が11月9日、津田沼キャンパス6号館で開催され、介護系SI-LABの参加学生や関係教員、一般市民など49人が参加。上映の後、高齢者介護のあり方などについて、監督の犬童一利氏、プロデューサーの前田紘孝氏を交えて活発な意見が交わされた。最も記憶に残ったシーンは質問者それぞれ異なっていたのが印象的だった。
 「つむぐもの」は、ワーキングホリデーで福井にやってきた若い韓国人女性と、介護が必要になった頑固な和紙職人の交流を通して、人が最期まで自分らしく生きるには何が必要かを、見る人に訴えかける作品。主演は石倉三郎とキム・コッピ。
映画「つむぐもの」の討論会
映画「つむぐもの」の討論会

学生よ 習志野に帰れ


市が本学で講演会開催
 「習志野発学生向け」をキャッチフレーズにした講演会が11月11日、習志野キャンパス2号館大教室で開催された。
 「イノベーションで世界を変えよ!」をテーマに、ジャーナリストの田原総一朗氏、起業家志望者に人気のコンサルタント・山口周氏、「働き方のリデザイン」を掲げて活躍している石川貴志氏が熱弁を振るった。
 この講演会は、習志野市の新たな魅力を創り出し、発信して「習志野ブランド」を確立しようというシティーセールスの一環。習志野市には本学の他に日大生産工学部と東邦大があるが、多くの学生が卒業すると他地域に転出してしまう。
 そんな若者たちに、もっと習志野を好きになってもらい、たとえ転出しても結婚や就職、転居などを機に、もう一度習志野を思い出してもらえる存在になりたい――という市当局の願いを込めた企画だ。
 会場には、メールなどで事前応募した本学の学生をはじめ、他地域の大学生や中・高校生、一般市民など約250人が集まり、講師の話に熱心に耳を傾けていた。
 本学と習志野市は平成26年3月に包括協定を締結し、教育や生涯学習など市民生活に関する幅広い分野で協力し合っている。

30年度 AO・推薦入試終了


 平成30年度AO・推薦入学試験が、11月19日に行われた指定校制推薦入学試験を最後に、全日程を終了した。
 9月から11月にかけて▽AO創造入学試験▽公募制推薦入学試験▽専門高校推薦入学試験▽指定校制推薦入学試験▽帰国生徒推薦入学試験(指定校制)▽特別入学試験(外国人留学生・帰国生徒・社会人)――と、順次行ってきた。志願者数の合計は1543人。
 また、編入学試験、指定校制(高等専門学校)編入学試験を11月18、19日に行い、今年は48人が志願した。