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2017.11.15

産学懇 千葉工大に期待


参加申し込み600社超す
 本学が企業と親睦を深め、学生の就職情報を交換し合う今年度の「産学懇談会」が11月2日、ホテルニューオータニ幕張で開かれ、過去最多を記録した昨年をさらに20社上回る579社から人事・採用担当者597人が出席した。近年の本学の「ブランド力」上昇が依然として採用意欲旺盛な企業の関心を一層引きつけ、「千葉工大生」への期待をさらに高めていることの表れだ。
名刺交換に長蛇の列
名刺交換に長蛇の列
AI、環境激変の中
 企業側からの「産学懇談会」への事前の参加申し込みは603社と、初めて600社を超えた。2015年に初めて出席企業が500社を超えてわずか2年。千葉工大の躍進ぶりに企業の出席者の中からは驚嘆の声が聞かれた。
 こうした企業側の期待に応えるために、本学側も瀬戸熊修理事長以下の法人役員、小宮一仁学長以下の大学役職教員、就職担当教員、就職・進路支援部のスタッフらが総力を挙げて企業側の出席者に対応した。
 小宮学長は第1部冒頭のあいさつで、本学は今春の学部入試で全国779大学の中で9番目に多い7万6011人の志願者を集めたことを紹介し、「学長就任以来、今まで進めてきた教育・研究の質向上のための改革の成果が表れてきている。今後も企業の皆さまに信頼され、愛される、活力にあふれた大学づくりを進めていく」とアピールした。
 また、第2部であいさつした瀬戸熊理事長は「本学始まって以来の数の企業の皆さまにご参会いただいたことに心からお礼を申し上げます」と感謝の意を表した。また、「人工知能(AI)など技術の著しい進歩で、現在ある職種の約半数近くがこの10年から20年の間に消滅すると予測される時代に向かって、皆さんはどんな人材を求めておられるのか、大学はどんな教育をすればよいのか、忌憚のないご意見をお聞かせ願いたい」と呼びかけた。
 続いて、企業側を代表して乾杯の音頭を取ったKOA株式会社経営管理イニシアティブ人事教育センタープロフィットマネジャーの南部高幸氏は「企業も今、想像をはるかに超える環境変化の中で、多様な人材の採用に苦労している。そうした中で千葉工大とご縁を持てることは非常にありがたい」と話した。
来場者で会場は埋め尽くされた
来場者で会場は埋め尽くされた
油断なく準備を
 「産学懇談会」会場のホテルニューオータニ幕張の大宴会場「鶴の間」の前に設けられた各学科別などの受付台には、名刺交換開始と同時に企業側出席者の長い列ができた。どの出席者の表情からも「何としても優秀な千葉工大生を獲得したい」という思いが読み取れる。
 このような過熱気味ともいえる企業の採用意欲の背景には、2016年春入社、17年春入社と続いた実採用数が採用計画数を満たさない「未充足」状態が18年春入社も続いていることがある。
 19年春入社組(現3年生)の就職活動日程は「来年3月、会社説明解禁」→「同6月、面接解禁」→「10月、内定解禁」で18年入社組(現4年生)と同じ。
 しかし、好調な日本経済を背景に深刻な人手不足に悩む企業は、できるだけ迅速に採用のめどをつけたいのが本音。人事担当者は「今年こそ」の思いで、大学との太いパイプづくりに全力を挙げている。
 本学は12月9日と2月に恒例の「OB・OG懇談会」を開く。
 こうした状況を踏まえて、就職・進路支援部の福江聡部長はこれから就職活動に入る3年生と父母に次のようにアドバイスしている。
 「“学生の売り手市場”といわれているのを見て安易にならないよう、早めに準備を始めること。油断が一番の大敵です。保護者の皆さんには、理系学生の多くが就職する“B to B”(ビジネス・トゥー・ビジネス)企業への理解を深めていただきたい。企業の価値は知名度や規模だけで決まるものではないのです」
企業の人事担当者(左)と話す瀬戸熊理事長
企業の人事担当者(左)と話す瀬戸熊理事長
モンゴルに関心を
清水審議役が講演
 「産学懇談会」第1部では、本学審議役(前駐モンゴル大使)の清水武則氏が「資源大国モンゴルの苦悩と日本の役割」と題して講演した。
 この講演で清水氏は、日本とモンゴルの最初の接点は13世紀の元寇であったこと。20世紀に入り、旧ソ連の影響下での過酷な体制を経て、1989〜90年の民主化以降、モンゴルは日本と良好な関係を構築。日本は「太陽の国」と呼ばれ、日本にとっては東アジアで最大の友好国であることなどを紹介。豊かな鉱物資源に恵まれる一方で人材不足や産業の未発達、政治の不安定など悩みも多いが、「モンゴルの発展は日本の国益と考えて、民間の経済関係を強化して行くべきだ」と訴えた。
講演する清水武則氏
講演する清水武則氏
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