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2017.4.15

平成29年度 入学式


小宮一仁学長 式辞
英知に接し、果敢に挑戦を
 本日ここに平成29年度入学式を挙行するに当たり、新入生並びに御列席いただきました御父母・御家族・御友人の皆様に対し心より御祝いを申し上げます。
 今年も千葉工業大学は、日本に779校ある4年制の全ての大学の中で9番目に多い志願者を集めました。大変な難関を突破し晴れて千葉工業大学の入学式を迎えられた皆さんの感慨もひとしおだと思います。桜咲く今日、才気あふれ前途洋々たる皆様をお迎え出来たことは、千葉工業大学にとりましても大きな慶びであります。
建学75年の理想
 千葉工業大学は今年5月15日に創立75周年を迎えます。このような節目の年に入学することは皆さんにとっても記念になると思います。
 千葉工業大学は昭和17年に旧制大学として創立されました。日本では国立の東京工業大学に次いで2番目に長い歴史を持つ工業大学です。戦前は官立以外の大学において工学教育を行うことがなかなか認められなかったこともあり、工学部を設置できた私立大学はごく僅かでした。その中でも創立時から大学予科3年・本科3年の教育課程を認められたのは、早稲田大学、慶應義塾大学そして千葉工業大学の3つの大学だけでした。
 昭和の初め、日本の工業技術は欧米先進国のそれと比べ大きな遅れをとっていました。我が国を代表する先進的なエリート・オピニオンリーダーであった東久邇宮稔彦殿下、教育学者の小原國芳先生、森財閥の森曉先生、作家の武者小路実篤先生らが、欧米に負けない大学をつくり優れた工業人材を育成するために創立したのが本学です。共に本学の創立に大きく関わった我が国を代表する哲学者である西田幾多カ先生は、本学の設立趣意書に、「広く世界に知識を求める好学心を持ち、日本だけではなくアジアを背負い世界文化に尽力する人物を養成する」と書き、建学の趣旨を明らかにしました。この理想は「世界文化に技術で貢献する」という建学の精神として、本学に関係する全ての人々によって今日まで脈々と受け継がれてきました。
 京都帝国大学総長の小西重直先生を初代学長に迎え、磁性物理学の世界的権威である本多光太郎先生、八木アンテナで知られる八木秀次先生らが参加して開学した本学には、創立当初から官民挙げて大きな期待が寄せられていました。開学3年目の入学試験には定員の約45倍の受験生が殺到し、当時の若者たちの羨望を集めた大学であったことがうかがえます。
世界を意識して
 本学の建学の精神「世界文化に技術で貢献する」と、教育目標の最初にある「広く世界に知識を求める好学心を持つ人材の育成」には、共に「世界」という単語が使われています。千葉工業大学は世界を目指して創立され常に世界を意識して発展してきた大学です。グローバル化した世界において、本学の重要性は益々高まり、人々が未来への確かな指針を待ち望んでいる現代社会において、本学は人類の未来を切り拓くための創造性を生み出す源になるものと考えます。今まさに、本学の建学の精神である「世界文化に技術で貢献する」人材が全世界で求められています。
 この場には学部生の皆さんと大学院生の皆さんがいらっしゃいますが、どちらの皆さんにも、常に「世界に通用する社会人になる」ということを意識して大学生活を送っていただきたいと思います。専門性を高め学問と研究を極めるために集まった大学院生の皆さんは、まさに英知の集団と言えます。専門的な知識や語学力そして研究能力を更に高めることはもちろんのこと、弛まず取り組む実行力やリーダーシップを身につけてください。
 学部生の皆さんは、これからの4年間でさまざまなことを学びます。千葉工業大学の設立趣意書には、「この工業大学は、自ら学び、自ら体験し、自ら模索し、自ら創造する力をつけさせ、いかなる困難に遭遇しても正しいことを実現しようとする活動力(バイタリティー)のある人材を生み出すことを念願しており、決して単なる知識人や技術者を育成するものではない」と書かれています。
 これを実現するために、最初に皆さんは優れた工業人材になるための基礎となる教養を高める科目を多く履修します。工業大学における教養科目は、中世ヨーロッパの大学において、医学や法学といった専門科目を学ぶ前課であった自由七科に基礎を置くものと考えることができます。それは、文法学、論理学、修辞学、幾何学、算術、天文学、音楽の7つの科目です。名前だけ聞くと難しいと感じる方もいるかも知れませんが心配は要りません。これらの多くは今まで皆さんが数学や国語で学んで来たこと、特に数学における考え方に通じるものです。具体的には、論理的に書く力・話す力、人に伝える力即ちプレゼンテーション力、そして証明する力、計算する力を身に付けてください。高校時代に理系を選択した皆さんにとっては得意な科目だと思います。
 天文学を講義科目として学ぶ機会は少ないかも知れません。しかし頻繁にマスコミ等で紹介されているように、本学の惑星探査研究センターは、惑星・宇宙・ロケット等に関する最先端の研究成果をあげています。学生が参加できるロケットの製作や天体観測等の取り組みがありますので積極的に参加して科学の英知に接するといいでしょう。
人格を磨く場所
 更に専門科目の基礎となる理科や語学力を徹底して修得し、体育の授業では果敢にして実行力のある意志を培っていただきたいと思います。また課外活動等を通じて、音楽などの芸術活動によって純粋かつ崇高な情操を養い、豊かなそして堅実な人格を陶冶してほしいと思います。
 それぞれの学科の専門科目では、講義・演習・実験等を通して、先人が残してくれた多くの優れた知見・設計法の技術等を徹底的に修めてください。卒業研究や修士研究では、自ら発見し、証明し、人に伝える醍醐味を味わってください。
 今社会は、即戦力となる人材、即ち採用されたその日からそのポストの仕事をこなせるだけの高度な専門性を有した人材を求めています。世界を股にかけて働くグローバルリーダーを求めています。地道に研究開発に従事し新しい価値を生み出す研究能力のある人材を求めています。このような人材として、大学院修士課程修了者が注目されています。一例として、国連をはじめとする国際機関では、一部の例外を除いて修士号以上の学歴を有することが採用の条件になっています。日本の大企業においても、技術系の採用枠の多くを修士課程修了者に与えるところが増えています。これは参考に過ぎませんが、日本とアメリカでは、既に修士課程修了者の平均的な生涯所得が学部卒業者のそれよりも16.5%高くなっていることから、各所の主要なポジションには大学院修士課程修了者が多く就いているという研究成果も発表されています。皆さんには将来グローバルリーダーとして活躍していただきたいと思っていますので、私は多くの人に、学部卒業後は2年間の大学院修士課程へ進学することを、今から強く薦めたいと思います。
 千葉工業大学に入学された皆さんが充実した大学生活を送られることを願っています。是非これからの学生生活において、自己の可能性を最大限に引き出し新しい課題に果敢にチャレンジされることを心から期待して、私の式辞といたします。千葉工業大学御入学おめでとうございます。

平成29年4月1日

千葉工業大学

学長 小宮 一仁

新入生インタビュー


ハイブリッドな学科に期待

高木 謙汰さん
(機械電子創成工学科)

 志望したきっかけは高2の時のオープンキャンパス。ほとんどの学科を回りましたが学生の方がみんなすごく楽しそうで、自分もここで知識や技術を身につけたいと思いました。機械も電子も学べるハイブリッドなこの学科で頑張ります。
 

就職を考えIT技術ならここ

伊集 亮人さん
(情報通信システム工学科)

 千葉工大は就職に強いと聞きIT技術を学ぶならここだと入学しました。中学ではバドミントン部でしたが高校時代は帰宅部。3年間のんびりした分、大学では何かサークルに入って体を動かしたいし、勉強にもしっかり取り組みます。
 

安全で楽しい建物 設計したい

宮城 琳さん
(建築学科)

 建築士になりたくて沖縄県から来ました。好きな建物は国立劇場おきなわ(浦添市)。沖縄らしくて大胆な外観にひかれます。私も安全で使いやすく、楽しい建物を設計したい。アニメ「スポンジ・ボブ」のパイナップル形の家が理想です。
 

福島の町づくりに貢献したい

酒井 翼さん
(都市環境工学科)

 城下町の古い町並みが残る福島県会津若松市出身です。鶴ヶ城や飯盛山など見どころが多く、自然が豊か。景観を整えればもっと観光客を呼び込めると思います。大学で学んだことを生かし、いずれは地元に貢献したいと考えています。
 

こだわりのゲーム作ってみたい

佐藤 志哉さん
(知能メディア工学科)

 父がITやロボットに関わる仕事をしていて、アドバイスをもらううちに自分の進路も固まりました。ほのぼの系のイラストが得意なので、グラフィックにこだわったゲームを作ってみたい。VR(仮想現実)にも興味があります。
 

自作曲でゲーム作れたら最高

江波戸 雄大さん
(情報工学科)

 プログラミングを勉強したくて入学しました。自分でゲームを作り、ゲーム音楽も自分で作曲できたら最高です。作曲も楽器演奏も今はできませんが、2年間練習してピアノが弾けるようになった母を見て、自分にもできる気がしています。
 

魅力の図書館で理論や方法を

都築 由佳さん
(プロジェクトマネジメント学科)

 オープンキャンパスで津田沼キャンパスの図書館が気に入りました。広すぎず空間バランスがちょうどいい。高校では天文部だったので、天文研究部があるのも魅力でした。心地良く人をまとめるための理論や方法を学び、成長したいです。
 

旧友らと勉学、ツーリングも

石森 宥佑さん
(金融・経営リスク科学科)

 金融と経営の両方を学べることに興味をひかれました。学科は違いますが、高校の同級生や部活の仲間も千葉工大に入学し、心強く感じています。お金を貯めてロードバイクを買い、友達とあちこちツーリングに出かけたいです。