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2017.2.15

災害対応ロボットのシステム開発


「竸基弘賞」に吉田主席研究員
 本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)で災害対応ロボットを開発している吉田智章主席研究員に「第12回竸基弘賞」学術業績賞が贈られた。授賞理由は「人の侵入が難しい場所で活動するロボットのシステム開発」。
 同賞は阪神淡路大震災で死亡した神戸大大学院生・竸基弘さん(ロボット技術専攻=当時23歳)の名を冠し、レスキュー工学研究者らを表彰しようとNPO法人「国際レスキューシステム研究機構」(神戸市)が創設した。授賞式は1月11日、神戸市長田区・ふたば学舎で行われ、吉田主席研究員が記念講演した。
 吉田主席研究員は、人が入れない過酷な災害現場で活動するクローラー型ロボットのシステム開発を担当。完成機「クインス」は東日本大震災の際、国産機として初めて東京電力福島第一原発の建屋内に入り情報収集。熊本地震では「櫻壱號」が余震が続く中、宇土市役所の損壊状況を内部調査した。今回はそうした実績が評価された。
 吉田主席研究員の夫人は神戸市出身で、阪神淡路大震災で被災。受賞について「被災者の妻から開発を期待され、励まされてきた。災害で役に立つロボットをこれからも作りたい」と話した。
 受賞講演では、福島第一原発の原子炉建屋内や宇土市役所庁舎での調査を振り返ったほか、CERN(欧州原子核研究機構=スイス)の加速器メンテナンストンネル点検実験や英国鉄道網管理会社の用水路トンネルの点検実験に「櫻壱號」が使われていることを紹介した。
 今回、学術業績賞に並ぶ技術業績賞は該当者なし。奨励賞には4人と1団体が選ばれた。
受賞講演で「櫻壱號」による宇土市役所の内部調査を説明する吉田主席研究員=毎日新聞提供
受賞講演で「櫻壱號」による宇土市役所の内部調査を説明する吉田主席研究員=毎日新聞提供

教員試験対策講座 今年も


先輩3人がアドバイス
採用試験についての講義風景
採用試験についての講義風景
 今年も教員採用試験対策講座(教職課程運営委員会主催)が1月28日、津田沼キャンパスで開かれ、教職課程を選んだ学生30人が参加した。草野滋之委員長(教育センター・社会教室)があいさつした後、2016年度採用試験に合格した卒業生が体験報告しアドバイスした。また教職課程担当教員が試験の傾向と対策をミニ講義した。
 今回、後輩に報告してくれたのは、卒業後も科目等履修生として在籍中の西村華奈さん(数学)▽上越教育大の教職大学院に進学した平林隆弘さん(数学)▽特別任用講師として県立銚子商業高等学校に勤めている渋谷亮介さん(数学)――の3人。
 教員採用の枠が広がってきているとはいえ、学部卒業と同時に教員採用試験を突破するのは簡単ではないこと、他方で教員になる道は多様にありうること、などが報告で示された。
 終了後は報告者を囲み「数学の楽しさとは何か」「教員採用試験の期間中に不安はなかったか」などと質疑や談笑が続けられた。
 教職課程運営委は今後も、講座や日常的な指導を通じて、教職課程受講学生への支援を続けていくという。
学生たちに資料の世話をする西村さん
学生たちに資料の世話をする西村さん