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2017.2.15

超小型「CHERI」発表


fuRoロボ 天井裏を点検、建物管理
 fuRoのロボットがまた進化!本学未来ロボット技術研究センターと大成建設(株)は1月13日、東京スカイツリータウンキャンパスで、共同開発した遠隔操縦の超小型探査ロボットによる天井裏点検システムを記者発表した。
運搬も操縦も1人で
大成建設と共同開発
 近年、大きな地震による建物の天井崩落などの事故が社会問題化しており、建築物を維持管理するための劣化診断や耐震診断などの点検作業の重要性が高まっている。
 こうした要請に応えようと開発されたこのシステムの中心となるのはfuRoが新開発した6クローラー型ロボットの「CHERI(シェリ)」。原発ロボットのシステムをコンパクト化し、全長35センチ、幅25センチ、高さ9センチで、重量は従来の10分の1の4.5キロ。
 非構造部材や電気配線・配管などが錯綜し、狭くて暗いために点検口からの目視に頼らざるを得ない天井裏点検で、人に代わって活躍すると期待されている。
 東日本大震災で破壊された東京電力福島第一原発原子炉建屋の内部調査では、fuRoが開発した「Quince(クインス)」、「Rosemary(ローズマリー)」、「Sakura(サクラ)」の3機種合わせて5台が活躍している。
 また、昨年4月の熊本地震で崩壊寸前となった宇土市役所庁舎の内部調査に活躍した「櫻壱號」は、これらの原発ロボットを進化させたものだ。
 これらの技術を応用した「CHERI」は小型・軽量ながら、高さ15センチの段差を乗り越えて天井裏を自在に動き回れる踏破性を保持。新開発の小型カメラは少ない光量でも鮮明な映像を撮影できる上に、30センチの高さまで伸び上がるリフトアップ機能を備えている。遠隔操縦システムも原発ロボットで培った要素技術を抜き出したもの。
 これによって女性でも1人で持ち運びができ、1人で操縦できるパーソナルな災害対応ロボットが実現した。
 fuRoと大成建設は建物点検業務を行う調査会社などと連携しながら、実際の建物での実証実験を積み重ねてさらなる改良を進め、本格的な実用化を目指していく。
 記者発表には本学から小宮一仁学長、古田貴之fuRo所長、「CHERI」開発主担当の西村健志研究員らと大成建設の建築技術開発担当者が出席。
 テレビ局や新聞、専門紙・誌など28社の記者やカメラマンが集まり、「千葉工大のロボット」に関心を示していた。
公開された新ロボット「CHERI」と報道陣
公開された新ロボット「CHERI」と報道陣

CG作品評価支援システム発表


小林さん奨励賞
 情報処理学会の第15回情報科学技術フォーラム(2016FIT=昨年9月7〜9日、富山市の富山大五福キャンパスで開催)で、小林晴菜さん (情報科学専攻修士1年、中村直人研究室=写真)が「CG作品演習におけるピアレビュー(相互評価)支援システムの改善」を発表し、奨励賞を受賞した。
 中村研では、人間の音声、画像、動作などが、伝える内容とどのような関係にあるかを分析。遠隔者同士の共同作業を支援するマルチメディアやバーチャルリアリティーシステムの構築、CG映像などコンテンツ作成の支援システムの開発を行っている。
 小林さんらは、CG作品のモデルデータをウェブ上で描画し、学習者間での評価を支援するシステムの開発を行っており、成果をまとめ英語で発表した。
 小林さんは「初めての学会発表でとても緊張しました。準備時間が短く、不安も多かったですが、賞をいただけてとても光栄です。指導していただいた中村教授に感謝しています」と語った。

PERCが新習志野などでロケット研修


UAE学生に宇宙教育
 中東の産油国で、日本にとっては最大の原油供給国の1つであるアラブ首長国連邦(UAE)の大学生が1月、本学新習志野キャンパスなどで、惑星探査研究センター(PERC)の秋山演亮主席研究員らによる1週間の「宇宙教育」に挑戦した。
 「UAE宇宙教育プログラム」(Cansat Educational Program in Japan)と名づけられたこの研修は、「将来、わが国の宇宙開発に携わる人材の育成に協力してほしい」というUAE側の要請に応えて行われた。
 UAEとの親密な関係を重視する資源エネルギー庁が内閣府宇宙開発戦略推進事務局に協力を依頼し、一般財団法人日本宇宙フォーラムが行った研修機関の公募に、宇宙教育に関してわが国有数の実績がある本学が応募してPERCでの受け入れが決まった。
 正月最中の1月2日、東京スカイツリータウンキャンパスで行われたプログラム開会式にUAE側は宇宙庁の教育担当官と学生12人(男子4人、女子8人)、教員1人など計16人、日本側は本学から小宮一仁学長、松井孝典(PERC所長)、宮川博光の両常務理事のほか、内閣府と日本宇宙フォーラムの担当者らが出席。
 式の後、UAEの学生たちはAreaII惑星探査ゾーンやAreaIロボット技術ゾーンを見学。300インチ3D宇宙シアターで上映された「宇宙138億年の旅、地球そして生命」の迫力に歓声を上げていた。
 1月3日から12日まで、新習志野キャンパスや千葉市花見川区の千種校地、和歌山市などで実質7日間の日程で行われた研修で、UAEの学生たちは秋山主席研究員や機械電子創成工学科の和田豊准教授の指導で3本クラスタータイプのモデルロケットの製作と打ち上げを実際に経験し、ハイブリッドロケットの燃焼実験と打ち上げを見学した。
 また、産業技術大学院大学の嶋津恵子教授によるロケットのシステムエンジニアリングの授業を受け、1月4日には宇宙飛行士の山崎直子さんの講演を聴いた。
 この間、ティーチングアシスタントとして本学工学専攻博士後期課程1年の川端洋さん、機械サイエンス専攻修士1年の坂野文菜さんを始め東京工大、首都大、立命館大、和歌山大の計8人の大学院生が同行。研修の手助けをすると同時に親睦を深めた。
 研修は開会式のあいさつを含め全て英語で行われた。
UAEの学生たちと研修の様子
UAEの学生たちと研修の様子
UAEの学生たちと研修の様子 UAEの学生たちと研修の様子
アラブ首長国連邦
アラビア半島のペルシア湾に面した地域の7つの首長国からなる連邦国家。石油への経済依存度を抑えるための産業の多角化を進めている。建国50周年の2021年に火星へ無人探査機を打ち上げるプロジェクトを進めており、そのためのロケットを三菱重工が受注。昨年5月、経産省・内閣府・文科省とUAE宇宙庁が宇宙分野における協力文書を取り交わした。

よさこい有終 次代へ


 体育会の「よさこいソーラン風神」チーム(桑名広季主将=生命環境科学科3年、部員148人)は、昨年も各地の大会に参加して成果を挙げた。
 秋以降は▽9月4日「大江戸ソーラン祭り」(6位入賞)▽10月8、9日「東京よさこい」(三菱地所株式会社賞受賞)――と連続受賞。
 11月5、6日「ドリーム夜さ来い祭り」では「アクアシティお台場賞」を受賞した。風神三代で演舞する最後の外部イベントで、テーマを『ドリーム・ジャンボ―5億にも勝る感動を―』と決めて、力いっぱい演舞を展開。そのエネルギッシュな様子が評価された。
 メンバーたちは夏から風神オリジナル演舞「」の猛練習に励んだ。曲に童謡「鯉のぼり」を取り入れるなど観客と一体となって楽しめるように仕上げたという。
 後を後輩に託す桑名主将は「“お客様に笑顔を届ける”の目標通り、多くの方々に笑顔を届けることができたと思います。受賞もできてうれしい。これからも笑顔を届け続けるよう、活躍を願っています」と語った。
アクアシティお台場賞を受賞
アクアシティお台場賞を受賞
今年度よさこいソーラン風神のメンバーたち
今年度よさこいソーラン風神のメンバーたち