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2015.12.15

「ILY−A」グッドデザイン賞
独創の4形態モビリティー


「未来づくり」評価
 本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)とアイシン精機鰍フ共同プロジェクト、「ILY−A」(アイリーエー)が2015年度の「グッドデザイン・未来づくりデザイン賞」を受賞した。
ビークル キックボード カート キャリー
ビークル キックボード カート キャリー
fuRo技術を集約
 「ILY−A」はベビーカーとほぼ同じ大きさながら、ビークル、キックボード、カート、キャリーの4つの形態に変形し、若者からアクティブシニアまであらゆる年代が、さまざまなシーンで活用できる近未来のパーソナルモビリティー。
 fuRoが基本コンセプトを発案しロボット技術や知能化技術を開発、アイシンは外形的なデザインを担当した。
 fuRoが「ILY―A」のために開発した技術には、ロボット技術を応用した「知能化安全技術」や「知能化自己診断監視機能」などがある。前者は突然飛び出してくる人や障害物などを認識し、自動で車体の速度を減速し、停止させる。後者はシステムに異常がないか、常に「ILY−A」が自身の“健康”状態をチェックする。
 今年3月に東京スカイツリータウンキャンパスで行った記者発表会にはテレビ、新聞、雑誌など大勢の報道陣が詰めかけた。また、4月にイタリアで開催された「ミラノデザインウイーク」では、国際的な話題を集めた。
 12月2日に都内のホテルで開かれたグッドデザイン賞特別賞の贈賞式には、本学からは竹田康宏常任理事が出席し、瀬戸熊修理事長と伊原保守アイシン精機社長あての表彰状を受け取った。
レベル高い発想 複雑課題クリア
■審査委員の評価
 健常者とアクティブシニアが安心して共存する社会を目指し、安全かつ気軽に使えて人々の行動範囲を広げる全く新しいパーソナルモビリティーとして開発された。4つの形態に変形が可能な機構となっている。
 非常に複雑な課題設定であるが、ロボティクスの技術を盛り込みシンプルなデザインにまとめることに成功した。乗り物ならではのワクワク感も失われていない。そのアイデアのレベルの高さを評価したい。

東京五輪年 未来体験場へ参加を


古田所長 国際ロボット展で呼びかけ
 本学fuRoが文部科学省とともに事務局を務める「ユニバーサル未来社会推進協議会」(会長=鈴木寛東大教授/慶応大教授)のフォーラムが12月2日、「2015国際ロボット展」(東京ビッグサイト)の会場で開かれ、副会長を務める古田貴之fuRo所長が約500人のロボット関係者などに同協議会への参加を呼びかけた。
 ユニバーサル未来社会推進協議会は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に併せて先端ロボット技術を使った夢の未来社会の“実験場”を作り、世界に発信しようという国家プロジェクト遂行のために文科省主導で設置された。
 設置に当たっては、fuRoが同省に提出した原案がベースになった。
 「ユニバーサル未来社会」とは人種や民族、宗教・文化、老若男女などの違いを乗り越え、あらゆる生活空間で人々が快適に過ごせる社会。そのような社会の実現を、先端ロボット技術を駆使して実証する場を東京臨海副都心などに設けてショーケース化するのがプロジェクトの狙いだ。
 協議会はこのための実証プロジェクトを提案する企業や大学・研究機関などを10月16日から募集している。国際ロボット展はそのための格好のPRの場というわけだ。
 古田所長は呼びかけの中で「重要なのは先端ロボット技術のお祭りをやることではなく、事業化し、後の世代に『財産』として継承される技術を生み出すことです」と強調した。
 協議会の副会長にはアスリートで元オリンピック選手の為末大、日本パラリンピアンズ協会の大日向邦子副会長、ヤフーの川邊健太郎副社長執行役員/最高執行責任者、山中俊治・東大教授、田中浩也・慶応大准教授が就任している。顧問は日本科学未来館の毛利衛館長。
国際ロボット展で開かれたユニバーサル未来社会推進フォーラム。演壇中央が古田所長
 
国際ロボット展で開かれたユニバーサル未来社会推進フォーラム。演壇中央が古田所長
国際ロボット展で開かれたユニバーサル未来社会推進フォーラム。演壇中央が古田所長

来場50万人達成


スカイツリータウンキャンパス
 東京スカイツリータウンキャンパス(東京都墨田区押上・東京スカイツリータウン8階)が、開設から約3年半の12月6日・日曜日に、来場50万人を達成した。
 50万人目は、大田区から来た柏倉姉弟。お母さんと3人で初めてスカイツリーへ。知らずに8階に上がり本学ブースを見つけ、足を踏み入れたという。
 姉弟は瀬戸熊修理事長から記念に、と本学オリジナルペーパーウエイト、宇宙飛行士が使用する宇宙ペン、火星儀のほか、本学公式キャラクター・チバニーのグッズが入ったバッグを手渡された=写真は瀬戸熊理事長と柏倉さん親子
 館内で係員に導かれてアトラクションを体感。エリアIのロボティックシャドウや魔法のカードが気に入った様子。「大きくなったらワタシも、こんな(楽しい)もの作りたい」と目を輝かせていた。