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2015.10.15

本学チーム初優勝


▼大学体育フラッグフット
2日目は新設された屋内運動場で
2日目は新設された屋内運動場で
 「大学体育フラッグフットボール全日本大会」(実行委員長=松元剛・筑波大准教授)が9月1、2日、新習志野キャンパス茜浜運動施設で開かれた。フラッグフットボールを授業に取り入れている大学が教育効果を見せる目的で開かれ、今年で3回目。
 参加したのは筑波大(4チーム)、東京医科歯科大(2チーム)、流通経済大(1チーム)、麗澤大(1チーム)、千葉工大(4チーム)の計12チーム。本学は教養科目「集中スポーツ科学」を受講中の22人が正規授業の一環として参加した。
 初日は大学対抗戦。12チームが3チームずつ4ブロックに分かれ予選を行い、各ブロック1位はカップ戦、2位はプレート戦、3位はボウル戦へ。熱戦の結果、カップ戦では千葉工大「ロングヘアー」チームが見事、初優勝した。
 2日目は雨で、新設された屋内運動場で開催。所属大学に関係なく抽選で12チームに分かれて対戦。初体験の混成チームでもメンバーは意気投合し、白熱したゲームが展開された。
 大会運営では総合学際科目「スポーツイベント」受講生30人が、習ったノウハウを生かし広報班、会場班、審判班に分かれて大会を企画・運営。教育センターの森田啓教授、谷合哲行准教授と、社会システム科学部の加藤和彦教授が運営委員として大会を支えた。
優勝した「ロングヘアー」メンバー
優勝した「ロングヘアー」メンバー
フラッグフットボール
 アメリカンフットボールをもとに考案されたスポーツで、タックルの代わりに腰につけたフラッグをとる。そのため身体接触がない。
 大学教育に取り入れることで1体格や性別、競技経験などの個人差に関係なく参加できる2参加者全員が役割を持ち、達成する責任を負うことから、責任感や協調性を育て、コミュニケーション能力を高めることにつながる――などの教育効果が期待されている。

今年も「オービック」応援


▼PM加藤研がスタンプラリー共催
 「スタンプラリーに参加して、オービックシーガルズを応援しよう!」
 社会システム科学部プロジェクトマネジメント学科・加藤和彦研究室の学生9人=写真=と、津田沼キャンパス近くに広がる「奏の杜」の住民・事業者、オービックシーガルズの3者が共催するスタンプラリーが8月29日、「ベルクフォルテ津田沼店」の周辺で行われ、多くの親子連れなどが参加した。
 オービックシーガルズは習志野市を本拠地とする社会人アメリカンフットボールチーム。日本選手権「ライスボール」を4連覇したこともある強豪だが、地元でのもう一段の知名度アップとファン増加が課題だ。
 一方、加藤研の学生はプロジェクトマネジメント概論や同演習などの授業で、プロジェクト管理の理論を学んでいる。この知識を生かすには実際のプロジェクトを自分たちで手掛けてみることが大切と、2013年からオービック支援プロジェクトを企画・実施してきた。
 3年目となる今年は、オービックが進めている《ファン1万人》計画の推進がテーマ。奏の杜の住民と事業者で組織する「奏の杜パートナーズ」が地域住民の交流イベント開催を模索していたため、3者共催が実現した。
 スタンプラリーは学生がアイデアを出し、アトラクションの中身、関係者との協議と調整、用具調達、ポスターづくりなど一連の過程と作業をすべて学生が担当。
 本番の8月29日はあいにくの雨模様の天気にも関わらず、アメフトのボール投げやキック、選手なりきり体験などを、参加者たちは思い思いに楽しんでいた。
 このプロマネ体験はゼミナール1の授業として行われ、スタンプラリーの会場運営にはゼミ生以外のPM学科の学生も協力。加藤教授は「学生が自分たちで考え、実行したことは、そのまま実社会で行われていることと同じやり方。この体験は必ず今後に生きてくると思う」と話している。

“袖団”活性化ウイーク


▼建都の3研究室が合同開催
 工学部建築都市環境学科の田島・鎌田・佐藤(徹)の3研究室は合同で8月27〜30日、住民と一緒に袖ヶ浦団地=写真左=の活性化を考える《夏の袖団活性化ウイーク》を開いた。
 本学津田沼キャンパスと新習志野キャンパスのほぼ中間に広がる袖ヶ浦団地は全戸数2990戸。昭和42年の入居開始から47年を経て住民の高齢化が進み、将来の空室増加が懸念されている。最近では団地商店街に空き店舗も目立っている。
 このため地域を管轄する習志野市と管理事業主であるUR(都市再生機構)、本学の3者が協力して昨年7月、「袖ヶ浦団地活性化プロジェクト」を立ち上げた。
 このプロジェクトのテーマは、本学学生の団地内でのシェアハウスだ。
 本学では毎年春、新入生を中心に約2000人が新たな住まいを求め、大きな住宅需要がある。また、新習志野の学生寮は入居資格が2年生までとなっているため、3年生になって寮を出る学生も新たに住まいを探す。
 こうした学生たちが袖ヶ浦団地に共同で部屋を借り(シェアハウス)、さらに団地商店街の空き店舗を住民との交流の場として学生が運営することで、さまざまな世代が混在する、活気ある地域コミュニティーの再生を目指そうというのだ。
 このテーマの実現に向かって、3研究室はそれぞれの特色を生かしながら取り組んでいる。
 ▽田島研究室 都市や地域の「再生」という幅広い枠組みで建築や街づくりの活動と研究▽鎌田研究室 まちづくりに関する研究や、その成果を活かした実践活動▽佐藤(徹)研究室 人口減少社会における新しい都市のあり方を定量的な分析に基づき提案する研究
 袖ヶ浦団地自治会と同団地ショッピングセンターの協力で4日間にわたって行われた《夏の袖団活性化ウイーク》では、2回の意見交換会や懇親会などを通じて、住民と学生たちが団地の現状や未来について活発に話し合った。また、学生たちが設計した空き店舗の活用例などの展示に、住民からさまざまな意見が寄せられていた。
 3研究室はこうして明らかになった住民の団地の将来への希望や、学生に対して求めていることを参考に、習志野市、UR、学内での協議を重ねて、来年度にも本学学生の団地での実験的な居住を始めたい考えだ。
住民との意見交換会
住民との意見交換会

月隕石が語る月の謎


▼科学未来館で荒井上席研究員が講演
 「中秋の名月」の9月27日、日本科学未来館でトークショー「研究者と一緒に、月隕石の世界をのぞこう!」が開かれ、本学惑星探査研究センター(PERC)の荒井朋子上席研究員が、月探査機が持ち帰った岩石試料と月隕石の両面の研究から見えてきた最新の月の姿を集まった小中学生や家族連れに語った=写真
【トークのあらまし】
 月探査は1960〜70年代、アメリカのアポロ計画と旧ソ連のルナ計画によって飛躍的に進歩した。特にアポロによって持ち帰られた385キロにのぼる岩石試料が研究の進展に果たした功績は大きい。
 さらにアメリカの探査機クレメンタインおよびルナプロスペクタにより月の裏側が明らかにされ、月全球のトリウムという微量元素や鉄の濃度の分布がわかった。その結果、アポロ探査機が降り立った月の表側西半球はトリウムと鉄の濃度が極端に高いことが明らかになった。
 一方、月隕石は、月面に隕石が衝突した際に、月面から飛び出した月の岩石が地球に飛来したものである。現時点で、世界の研究者が手にしている月隕石の量は約100キロだが、その組成を調べると、アポロが持ち帰った月の表側の岩石とは異なり、月隕石の大部分はトリウムの濃度が低いことが分かった。このことから、月隕石は月の裏側を含む、アポロが探査した月表側西半球ではない地域に由来すると考えられる。
 また、アポロが持ち帰った月の地殻表面を覆っている斜長岩には5〜10%の輝石が含まれているが、月隕石から地殻岩石を見ると輝石はほとんど含まれず、橄欖石が含まれている。つまり月の表側と裏側とでは地殻の組成が違うのではないかという「二分説」が浮上しているが、答えは出ていない。
 月探査は今後、人類の月への移住、さらに月面基地を拠点としてさらなる宇宙へと飛び出す方向に進むだろう。そのためにはまず、人間が住むために、そして基地を建設する前に、月の全球の地質や構成物質を理解する必要がある。それには、月隕石やアポロの試料の継続的な分析と月探査衛星によるリモートセンシングデータの解析が不可欠である。一見関係がないように見える月試料の研究と月探査計画も、実は密接に補完し合いながら成果を挙げている。