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2014.9.15

学生寮で国際交流


4大学 学生
メキシコ・台湾学生ら来日

 8月3日、新習志野キャンパスの学生寮にメキシコと台湾の学生を迎えて、国際色にあふれた歓迎パーティーが開かれ、本学のグローバル化の進展を示す光景が繰り広げられた=写真
 メキシコからは日ごろ日本語を学んでいる大学生と高校生などの男女計10人。また、台湾からは国立台北科技大学の男子8人、女子2人と荘賀喬准教授が来日。この遠来の友人たちを、桑蓬寮と椿寮の寮生計11人と未来ロボティクス学科の1年生13人、そして教職員が迎えた。本学と包括的連携協定を結んでいる神田外語大学の学生3人と教員も参加した。
 メキシコと外房の御宿町とは古くから密接な親善関係にある。一方、本学は御宿町に研修センターをもち、今年6月には地域振興や小中高校での科学技術教育などで協力し合うための包括的連携協定を締結した。
 メキシコの学生たちは7月12日から8月9日まで日本に滞在。この間、神田外語大の協力で19日間に及ぶ日本語の研修のほか、御宿町でのホームステイなどを通して日本の文化や自然に触れ、日本人の生活にじかに接して友好を深めた。この一連の研修に本学は御宿研修センターと新習志野学生寮の施設を提供。国際協力と地域協力に貢献した。
 国立台北科技大学の学生たちは、昨年7月に本学との間で締結した交流協定に基づき来日した。

 8月3日午後6時から桑蓬寮2階の食堂で催された歓迎パーティーは英語や中国語、スペイン語、日本語が飛び交う、にぎやかな国際親善の場となった。
 冒頭、小宮一仁学長は「私がケンブリッジ大学で教えていたときの友人が、いま台北科技大で教鞭を取っている。彼と私の友情が両大学の交流協定締結につながった」とあいさつ。乾杯の音頭を取った御宿町の石田義廣町長は「地域と大学の相互発展という理念を実現させたいと千葉工大と連携協定を結んだ。ここに集まった4大学が一層交流を深め、友好の絆が固く結ばれることを念願している」と語りかけた。
 また、駐日メキシコ大使館のアレハンドロ・バサーニェス文化担当官は「日本の科学技術と一緒に国土の清潔さ、日本人の優しさ、家族の在りようといった日本のよさも持って帰ってほしい」と自国と台湾の学生に呼びかけた。

ロボットを“共作”


台北科技大生と未ロボ生
 国立台北科技大学の学生10人(うち女子2人)は8月3日から11日まで9日間、新習志野学生寮に滞在し、参加募集に応じた未来ロボティクス学科の1年生13人(うち女子2人)と力を合わせてロボット作りに挑戦した=写真上。交流協定により、参加した本学学生は単位認定される。
 特別授業は、未来ロボティクス学科1年生のための「ロボット体験演習」を台湾の学生のために再編成したもの。5組に分かれた日台混成チームにティーチングアシスタントとして未来ロボティクス専攻の大学院生(修士課程)が1人ずつ加わり、各チームが車輪型のサッカーロボット3台の製作に挑んだ。
 台湾の学生は科学技術を専攻しているもののほぼ全員がモノ作りは初めて。ロボット製作のための機械・電気や制御に関するレクチャーを受け、各チーム内で自分たちがどのようなロボットを作るかを議論して決定。設計図を書き、秋葉原で部品を購入、それを組み立てて遠隔操作型、または遠隔操作もできる半自律型ロボットを製作し、最後にそれらを持ち寄り競技会――とハードな課程を5日間で成し遂げた。
 日台学生の共通語は英語。英語で議論し、チームとして決めたロボットの機能などについて、全体会合でプレゼンテーションをするなどの活動を通して互いの理解が深まり、国際交流の視点からも大きな成果を挙げた。授業終了後のアンケートにも台北の学生たちは「大満足」と答えていた。
 台北科技大の一行は9日には東京スカイツリーキャンパスを見学。さらに東京ディズニーランドや成田山新勝寺などを見学し、11日帰台した。
 特別授業の指導は未来ロボティクス学科の林原靖男教授、青木岳史・藤江真也准教授と富山健fuRo研究員が担当した。
林原教授の話
 短期間でこれだけの成果を挙げた台湾の学生の能力は「さすが」だった。同時に千葉工大生のモノ作り能力の高さを改めて評価したい。これは最新の工作機械を豊富に導入するなど、モノ作りのための環境整備に大学が力を入れてきた成果だと思う。

サイバー大学と単位互換協定


タブレット活用 学修機会広がる
 本学は、ソフトバンクグループが設立し全授業をインターネットで行うサイバー大学(川原洋学長、福岡市東区)と単位互換協定を締結し、8月21日公表した。本学学生は、サイバー大学提供のeラーニング科目を履修すれば、場所や時間にとらわれず受講でき、学修機会が広がることになる。サイバー大学が大学と単位互換協定を締ぶのは初めて。
 本学は学生・教職員にiPad miniの貸与を展開中。学生はタブレットで、サイバー大学のIDを取得後、クラウド型eラーニングプラットフォーム「Cloud Campus」にアクセスし、iPad用授業視聴アプリ「CC Handy」を使って科目を遠隔受講。履修分についてサイバー大学が成績証明書を発行し、本学が単位を認定。卒業要件にも認める。
 本学は津田沼・新習志野キャンパスに最新情報システムを整備し、グローバル化を進めており、今後の方向性を考慮しての協定となった。
 サイバー大学は、国内で初めてインターネットで高等教育が受けられるよう2007年設立された株式会社立の4年制大学。一般教養、外国語などとともに、IT技術・ITビジネス科目を充実させている。平成24年度から学習コンテンツや管理システムがクラウド化され学生数は現在約1500人。20代〜40代の社会人が利用しているという。

“生物大量絶滅”を講演


大野上席研究員 高校理系教員に
講演する大野宗祐上席研究員(県立幕張総合高校看護科校舎で)
講演する大野宗祐上席研究員
(県立幕張総合高校看護科校舎で)
 本学惑星探査研究センター(PERC)の大野宗祐上席研究員が6月20日、千葉県高等学校教育研究会理科部会の26年度総会で、県内の公私立高校で教壇に立つ物理や化学、生物、地学担当の教員に、6550万年前に起きた恐竜などの生物大量絶滅について講演した。
 大野研究員を代表者とし、PERC、産業医大、東大、阪大などの研究者で構成する研究チームは今年3月、白亜紀末に起きた生物大量絶滅のメカニズムに関して、「巨大隕石の衝突によって全地球的に降った強い酸性雨と海洋酸性化が原因だった」とする仮説を、高出力レーザーを使った世界初の室内実験で証明し世界的な反響を呼んだ。
 この日の講演は、この研究成果に着目した同部会・布留川厚会長(千葉県立匝瑳高校校長)からの要請で実現した。
 大野研究員は、白亜紀末の生物大量絶滅が、ここ数億年の間に起きた5回の大規模な生物絶滅の最後のものであり、そこで生き残った生物が再構築されて、人類を含む現在の生態系に至っているとしたうえで、これまでに唱えられた絶滅のメカニズムを説明したさまざまな仮説を紹介。
 そのうえで、近年の研究でもっとも有力視されている「メキシコ・ユカタン半島への巨大隕石の衝突」による環境変動のメカニズムを、室内実験で実証した経緯を分かりやすく説明した。

神田外語大で“日米比較”


富山fuRo研究員が講演
 未来ロボット技術研究センター(fuRo)の富山健研究員(前未来ロボティクス学科教授)が8月3日、神田外語グループのセミナー「イングリッシュ・ライブ2014」で「学生・教員、アメリカの大学と日本の大学どっちが得?」と題して講演した=写真。神田外語大学と本学が今年4月に結んだ包括連携協定に基づく協力事業の一環。
 セミナーは神田外語グループが毎夏、英語の勉強に意欲を燃やしている受験生・高校生や保護者・教員を対象に10都市で開講している。
 富山研究員が担当したのは神田外語大学キャンパス(千葉市美浜区)で行われた千葉地区のセミナーでの特別講座。会場の教室では千葉県内や東京などからやってきた高校生約20人のほか、教員数人も耳を傾けた。
 カリフォルニア大学ロサンゼルス校で博士号を取得し、テキサス大学とペンシルベニア州立大学で教鞭を取った富山研究員は、16年に渡る滞米経験、さらに青山学院大学と本学での経験などをもとに日米の大学の違いを分かりやすく語った。
 例えば「アメリカの大学に入学試験はない。必要なのは入学願書と全米共通学力テストの成績、高校の成績と活動記録、その大学を志望する理由書、そして高校からの推薦状。つまり高校でやってきたことのすべてが評価される。対して日本は1回の試験の成績だけ。どっちがいいか。さあ、自分で考えてみよう」
 「アメリカの大学にもピンからキリまである。上位の大学で勉強について行けなかったら、下位校に転校するかやめるしかない。つまりチャンスはくれるが、入学した後は自分次第。自分がどこまで負けず嫌いに徹することができるか。自分の胸によく問いかけて」
 講座終了後も数人の女子高校生が残って熱心に質問していた。