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2014.3.15

本物データで見せる


AreaII 惑星探査ゾーン
千葉工大の成果、社会に還元
 宇宙の謎や不思議な現象にじかに接して、宇宙をもっと身近に感じ、楽しみながら理解を深めてもらおう――。東京スカイツリータウンキャンパスに2月22日オープンした「AreaII惑星探査ゾーン」は、惑星探査研究センター(PERC)の松井孝典所長が総監修した宇宙情報体験エリア。『世界文化に技術で貢献する』という建学の精神のもと、本学の研究成果を社会に還元する試みの一つでもある。
■マスコミも高い関心
 既設の「AreaIロボット技術ゾーン」は、未来ロボット技術研究センター(fuRo)の体験型アトラクションゾーンとして幅広い人気を集めている。
 「惑星探査ゾーン」の一般公開に先立って2月21日に行われた報道陣公開には、テレビ・新聞・雑誌など約50社、100人を超える記者やカメラマンが詰めかけた。
 あいさつに立った松井所長は「千葉工業大学は科学・技術の教育・研究のための大学であり、その成果を社会に還元することはとても重要です。ここでは来場者になるべく“本物”を見ていただきたいと思って監修をしました。映像などの惑星データはすべて本物です」と語った。
 今年、国際宇宙ステーションに打ち上げられるカメラから、直接PERCに送られてくる画像なども、ほぼ同時にこのゾーンで見せられるようにする計画だという。
入り口「アストロゲート」 報道陣に説明する松井所長
入り口「アストロゲート」 報道陣に説明する松井所長
■さあ、宇宙へ出発!
 入り口は「アストロゲート」。5個のキューブを積み上げた映像が投影された2本の柱の間を来場者が通ると、惑星の映像とともに「WELCOME」とメッセージが表示され、いかにも「宇宙の旅が始まる」感じ。
 その先にあるのが「ステップタップ」。床と壁に投影された宇宙の映像に近づくと、太陽や惑星、彗星や隕石などが現れる。床面の彗星や小惑星を踏むと、「あれっ!」。壁面に向かって動き出し、惑星にぶつかって破裂したり、消滅したり……。星の誕生以来、繰り返されてきた天体同士の衝突がコミカルに表現され、子どもも大人も夢中になってしまう。
 次は「太陽系グランドツアー」。120インチタッチパネルに、水星から海王星まで8つの惑星をはじめとする天体や太陽系探査のデータが入力されていて、太陽系構成天体の美しい画像や最新情報に自分の手でアクセスできる。「私の誕生日の地球とその他の惑星の公転位置は?」なんて“疑問”にも答えてくれる。
 次は「ムーンウォーカー」に進もう。日本が誇る月探査機「かぐや」が撮影した高解像度の動く映像で、自分が月面上空を飛んでいるよう。クレーターや山、谷などの月面の地形が、臨場感たっぷりに眼前に迫る。
 このムーンウォーカーと太陽系グランドツアーで使われている映像は、NASA(米航空宇宙局)やJAXA(宇宙航空研究開発機構)などから提供された「本物」。世界の宇宙研究の最先端を走っているPERCのような研究機関などが使うことを許されるものだ。
 ちょっと変わった展示もある。4億5000万年前にアフリカに落下した「ギベオン隕石」と呼ばれる鉄隕石を使った日本刀「天鉄刀」だ。松井所長と『宇宙戦艦ヤマト』などで知られる漫画家の松本零士さんが「隕石で日本刀を作ろう」と意気投合し、現代の名工・吉原義人さんが砂鉄に「ギベオン」の粉末を混ぜて鍛え上げたもの。ギベオン隕石も同時公開。
床面・壁面の映像で遊ぶ「ステップタップ」 月面を本当に歩いているよう。「ムーンウォーカー」 太陽系グランドツアー
床面・壁面の映像で遊ぶ「ステップタップ」 月面を本当に歩いているよう。「ムーンウォーカー」 太陽系グランドツアー
「天鉄刀」
「天鉄刀」
■圧巻!300インチ3D宇宙シアター
 宇宙の始まり、138億年前のビッグバン以来、無数の星が生まれては消えている。太陽そして地球をはじめとする惑星が誕生したのは46億年前。地球では海が生成され、生物が生まれ、植物が出現したが、2億3000万年前に出現した恐竜は、6550万年前に巨大隕石の衝突で起きた気候変動で絶滅。奇跡的に生き残った哺乳類から20万年前に人類ホモサピエンスが出現した。
 人類は1万年前、農耕牧畜を始めたことで人口が増え、やがて文明を生みだす。そして、200年前の産業革命によって駆動力を得たことで、人口が爆発的に増加した。しかし、人間圏のこのような拡大は、果たして進化と言えるのか――。
 「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか。この人類にもっとも根源的な問いに答えるのが『アストロバイオロジー』です」と松井所長。
 シアターで上映されるのは「宇宙138億年の旅、地球そして生命」。映画「ゴジラ・シリーズ」で知られる特撮監督・川北紘一さんの制作・協力による約15分の遠大な物語だ。2Dは月〜土曜、3Dは日曜の、午後2時と5時から上映される。
3D宇宙シアター
3D宇宙シアター
■実物大マクロスF「バルキリーVF‐25 F」を常設展示
 こちらはfuRoが担当したコーナー。「バルキリー」とはアニメ「マクロス」シリーズの変形ロボット。航空機「ファイター」、人型「バトロイド」、その中間形態の「ガウォーク」の3形態に変形するが、展示されているのは「ガウォーク」形態の前半部で、全長約9メートル、全幅約8メートル。
実物大マクロスF「バルキリーVF‐25 F」
実物大マクロスF「バルキリーVF‐25 F」
■壁面グラフィック「宇宙からヒトへ」
 人間や地球のすべてのモノは、輝く星の中で生まれ、まき散らされ、再集合した元素により構成される。AreaIIの外側を取り囲むグラフィックは、私たち人類も宇宙の一部の構成要素であることを再認識させる。
壁面グラフィック
壁面グラフィック

過去最多4万3679人


平成26年度 本学志願者
 B日程入学試験が2月17、18日の2日間、また、今年度から行われた大学入試センター利用入学試験(中期=本学試験なし)、3月5日午前にC日程入学試験、同日午後に大学入試センター利用入学試験(後期)が行われ、本学の平成26年度入学試験が全て終了した。
 B日程入試の志願者は7344人(昨年度より1537人増)。大学入試センター利用入試(中期)には1765人、C日程入試には3131人(昨年度より279人増)、センター利用入試(後期)には1431人(昨年度より426人増)が志願した。
 平成26年度の本学総志願者数は4万3679人(昨年度より8125人増)で、過去最多を記録するとともに、6年連続で志願者数が増加した。