NEWS CIT ニュースシーアイティ

2012.10.15

水質保全、資源有効利用を


今年も「エコメッセ」に本学出展
五明研は展示で、河口干潟に現われる稚仔魚たちを紹介
五明研は展示で、河口干潟に現われる稚仔魚たちを紹介
 「第17回エコメッセ2012inちば」が9月17日、幕張メッセ国際展示場で開かれた。市民・企業・行政が3者協働でエコロジーに取り組む環境見本市で、活動や研究110件余りが紹介された。
 本学からは▽CITものづくり“学内未利用資源発掘プロジェクト”(旧くるくる研)▽生命環境科学科生物圏環境研究室(村上和仁教授)▽同社会圏環境研究室(五明美智男教授)▽「環境科学研究会」(代表・村上教授)――が、学生の取り組み部門に出展した。
 五明研は初参加で、村上研、環境科学研とともに、日本大学の2研究室と合同で「ちばの川と水探検館」ブースに出展。▽釣り・魚とりによる環境教育と市民調査▽千葉県臨海部の環境史を踏まえたまちづくりや河川底質環境改善▽災害廃棄物処理や環境アセスメントへの市民のかかわり▽ビオトープ造成のための物理的構造や棚田の地形・水環境調査▽離島のネットワーク分析――などをパネル展示。
 また、多摩川、江戸川、養老川の河口の稚仔魚標本を展示し、河口干潟域の生物生息場としての重要性を訴えた。
 村上研は、バイオ・エコエンジニアリングを活用した環境保全、特に微生物生態学の立場から水環境の保全研究に取り組んでいる。今回は県内各地の具体的な環境評価やマイクロコズムを用いた環境影響評価の研究などを発表した。
 環境科学研は昨年度から、湖沼水質ワースト5に入る印旛沼を継続調査している。水質がきれいな芦ノ湖との比較を展示し、水に関心を持ってもらう活動を紹介した。
 “CITものづくり”は、学内で廃棄される自転車や実験系廃液などの再利用・再資源化活動を紹介。地元商店会と共同運営しているレンタサイクル事業の使用自転車や修理工具、リサイクル工程が分かるパネルなどを展示。また、習志野青年会議所と共同で市民祭りに環境教育活動をしていることを紹介した。
 出展の各チームは会場で、多くの来場者から質問されたりアドバイスを受け、県内の環境団体と交流した。環境科学研では県庁職員も質問。五明研では、千葉県の河口域への取り組みに賛同の声が寄せられていた。

スタッフの運営ぶり好評


芝園で教育システム情報学会全国大会
講演する松井PERC所長
講演する松井PERC所長
 情報ネットワーク社会の急激な進化の中、どう豊かで健全な学びの環境をつくっていくか――教育システム情報学会の第37回全国大会が8月22〜24日の3日間、本学芝園キャンパスを会場に開かれた。
 教育分野でのコンピューター利用などに関する学術研究・調査と情報交換を目的とする学会で、全国大会を毎年1回開く。今回は情報ネットワーク学科の仲林清教授が実行委員長を務め、本学の教員・学生が多数、運営に協力した。テーマは、近年のソーシャルサービスやこれを利用した学習機会の広がりを受けて「知と学びの絆―教育システム技術でつなぐ人と社会―」。
 研究者・学生440人が参加し、講演4題、公開フォーラム、企業や研究者・学生の多様なセッション、7つのワークショップなどがあり、213件の研究発表があった。
 招待講演では松井孝典・惑星探査研究センター(PERC)所長が「宇宙と生命、その研究の現状と日本の宇宙政策」と題し、最新の宇宙開発技術やこれを支える政策を解説。文部科学省高等教育局専門教育課の秋庭祥亜課長補佐、放送大学の白井克彦理事長らも講演し情報通信技術と人材育成、生涯学習社会との関連などを話した。
 ワークショップでは、学校現場のデジタル化や、タブレット端末で創る授業などのeラーニング、クラウドコンピューティングの活用などについて提案と意見交換がなされた。ワークショップのチュートリアルでは、学会誌の編集委員長でもある仲林教授らが、論文執筆のコツや査読ポイントなどを解説した。
 大会2日目、幕張のホテルで懇親会が開かれ、小宮一仁学長が開催校としてあいさつ。小宮学長は、自身のソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用ぶりを「本日で、ちょうど友だちが100人になり、1年生になったかのような気分です」と、ユーモラスに語り、会場がわいた。この後、大学教育の改善や、学習の質の向上などに触れ、情報技術に大いに期待したいと語った。
 今大会では、ペーパーレスへ向け、大会予稿集をPDF化し、学内ネットワークを介しダウンロードサービスが行われた。一般講演会場は芝園8号館に集約、コンピュータ演習室が開放された。多数の本学学生がサポートスタッフとして働き、設備と併せて参加者に好評だった。
研究発表会の会場
研究発表会の会場

A型フォード 40年ぶり復活


自動車部・OBが尽力
 昭和30年代に体育会自動車部に寄贈されて活躍後、茜浜の車庫に眠っていたA型フォード(1931年式)を、OBと学生部員たちが、創部70周年記念プロジェクトとして40年ぶりに復活させた。お披露目会が9月29日(土)午前、津田沼校舎新2号棟前で行われ、瀬戸熊修理事長、小宮一仁学長、常務理事らが乗り心地を楽しんだ。
 A型フォードは1958(昭和33)年ごろ、当時電気工学科学生で自動車部員だった平田光壽名誉教授(平成22年死去)が卒業に際し、部に寄贈した。学外では走らなかったが62(昭和37)年、自動車部九州遠征隊の凱旋と大学祭が重なり、車庫残留の部員たちが急きょフォードを整備し、船橋まで遠征隊を出迎え、津田沼まで凱旋パレードの先頭を走った。
 昭和40年ごろから津田沼の車庫内に鎮座、卒業式にキャンパスに出ては、卒業生と記念写真に納まった。その後、芝園校舎が出来、自動車部と車庫が茜浜に移った後も茜浜車庫の片隅に置かれ、当時の学生たちは、なぜこのクラシックカーが車庫にあるのか不思議がっていたという。
 創立50周年にOB・加藤元治さん(九州在住)と平田助教授(当時)が「津田沼で走らせよう」と九州の修理工場に運んだが、計画は中断しフォードは九州に留め置かれた。2004(平成16)年、OB総会で、九州からの回収と修理復元を吉田直樹会長(当時)らに一任。平成22年10月、ようやくフォードが茜浜に帰郷。OB総会で修理を承認。病気療養中の平田名誉教授も懇親会に出席し再生計画を喜んだ。
 平成23年1月、OB会役員会で創部70周年プロジェクト及びA型フォード再生プロジェクトの発足が決定され、2月から活動が開始された。
 学生・OBのプロジェクトチーム(30人)が車庫で修理の問題点を把握。その後OB・町田洋さんが参加。町田さんは足尾銅山があった栃木県日光市足尾町で自動車修理工場を経営、足尾歴史館でフォードエンジンの機関車(ガソリンカー)を復活させた経験がある。町田さんらがエンジンを始動すると、フォードの機関が目覚めてエンジン音をとどろかせた。
 しかし、車体はボロボロで、ドアも閉まらない状況。溶接機を持ち込み曲がったフレームを修正。エンジンやブレーキの一部部品交換や修理、下回り塗装を行った。
 今年2月から、再度エンジンを下ろし分解点検。車体も幌の骨組みを取り寄せ、ヘッドライトやホーンなどを組み立て直した。車内床は木製で一部腐りかけていたため、手作りした。
 7月14日、学生たちが最終試走したあと、塗装とシート回り補修のため、足尾町の町田さんの工場に届け、最後の外装塗装をプロに任せて、約1年半かけたOBと現役の共同作業が終了した。
 お披露目会では町田さんが運転し、瀬戸熊理事長、小宮学長、宮川博光常務、竹田康宏法人事務局長、金子和弘大学事務局長、故平田名誉教授の夫人・孝子さんも試乗した。孝子さんはぴかぴかのフォードに「こんなにきれいにしていただき感激しました」と、平田名誉教授の遺影を胸に涙ぐんだ。
 部員で機械サイエンス学科3年・三原明大君は「70〜80年前のパーツなので、壊さないよう、極力慎重に作業した。ここまでキレイになるとは」と感激していた。
<A型フォード>
 ヘンリー・フォードが、有名な大量生産ラインを確立してT型車を製造後、息子とともにモデルチェンジを図ったT型の後継車で、馬車型の名残を一掃して鉄板箱型になった初期のもの。1927〜31年に販売され、日本国内で車社会の足がかりを築いた。
昭和37年、九州遠征隊凱旋パレードに出発 津田沼新2号棟前を試乗する瀬戸熊理事長
昭和37年、九州遠征隊凱旋パレードに出発 津田沼新2号棟前を試乗する瀬戸熊理事長

津田沼の環境整備進む


 津田沼キャンパスの環境整備が着々と進んでいる。舗装を、従来のアスファルトから、車両も通れるインターロッキングブロックに変え、明るい印象となった=写真。
 イチョウ並木沿いには、盛り土周辺に石の囲いをあしらい、ベンチ代わりに利用。新たな憩いの場が誕生した。