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2012.9.15

「テクニカル」優勝!


ロボカップ世界大会で本学チーム
トロフィーを手にロボカップ世界大会の遠征メンバーたち
トロフィーを手にロボカップ世界大会の遠征メンバーたち
 ロボカップの第16回世界大会は6月18〜24日、メキシコシティのメキシコ国際貿易センターで開かれた。本学未来ロボティクス学科チームの「CIT Brains」は、サッカー・ヒューマノイドリーグのKidsize(60センチ以下)とTeensize(120センチ以下)に参加。Kidsizeでは3on3(3機対3機戦)で昨年と同じ準優勝だったが、テクニカルチャレンジでは世界の並みいる強豪を相手に、見事優勝した。Teensizeでも、2on2とテクニカルチャレンジでともに準優勝した。
サッカー2部門は準優勝
 ロボカップはサッカー、レスキュー、ホームなど複数のリーグが開催されるが、日本からは全リーグ合計40チームが世界戦に出場した。サッカー・ヒューマノイドリーグは、センサーで自分で状況判断して動く人型ロボット同士がサッカーを戦う。Kid、Teen、Adult(130センチ以上)の3サイズのリーグがある。中でもKidsizeは参加数最多で、今回は24チームが出場した。
 CIT Brainsは予選を順当に勝ち抜き、準決勝で宿敵・ダルムシュタット工科大のDarmstadt Dribblers(独・2009年、10年と連覇。昨年は3位)と延長戦にもつれ込む熱闘の末、競り勝った。決勝戦では昨年苦杯をなめさせられたペンシルバニア大学のTeam DARwin(米・昨年1位)と対戦。DARwinの安定した動きをまたも崩せず、優勝を逃した。
 しかしテクニカルチャレンジでは、スローイン、障害物ドリブル、ダブルパス、ハイキックの4競技合計得点で見事、世界1位の快挙を達成。本学のロボット技術が世界で一級レベルにあることを改めて示した。
 Teensizeは2年ぶりの世界大会出場だが、予選、準決勝と順当に勝ち進んだ。決勝戦で強豪・ボン大学のNimbRo(独・現在3連覇中)と対戦。接戦の末、惜しくも破れた。しかし、テクニカルチャレンジでも準優勝と、2年のブランクを感じさせない堂々の健闘ぶりを見せた。
 遠征メンバーは未来ロボティクス学科の林原靖男教授、南方英明准教授、未来ロボット技術研究センター(fuRo)の入江清研究員、野平幸佑さん(修士2年)、土橋一成さん(同)、谷本和城君(4年)、山田幸果さん(同)、秋谷駿行君(同)、伊藤裕介君(2年)、前川大輝君(同)の10人。日本では宮地真史君(3年)がサポートに回った。
 遠征メンバーの1人、土橋さんは「2部門のサッカーが準優勝に終わったのは悔しかった。でも圧倒的な力の差があったわけではないので、来年こそは後輩たちがKidsize、Teen共に優勝してきてほしい」と話した。
 ロボカップ世界大会はロボカップ国際委員会(スイス)を中心に各国委員会が運営し、毎年40カ国前後が参加。ゆくゆくは人間のワールドカップ・チームと対戦しようと機能の改良を重ねている。
Kidsizeサッカー3on3戦で熱戦を展開するCIT Brains(左の2機) ロボットを調整する土橋さん
Kidsizeサッカー3on3戦で熱戦を展開するCIT Brains(左の2機) ロボットを調整する土橋さん

細野大臣が来学


「ローズマリー」など見学
「ローズマリー」のデモ走行を見る細野大臣
「ローズマリー」のデモ走行を見る細野大臣
 細野豪志環境・原発事故担当大臣が8月17日(金)、本学を訪問した。東京電力福島第一原発事故に投入され活躍しているロボットの開発現場を視察し、感謝の意を伝えるのが目的。
 当日は瀬戸熊修理事長、小宮一仁学長、細野大臣と昵懇の松井孝典・惑星探査研究センター(PERC)所長ら本学関係者が出迎え、役員会議室で未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長を交えて懇談。細野大臣は本学の原子力災害に対する全学挙げての支援・協力に感謝の言葉を述べた。
 その後、新2号棟20階で、近く投入が計画されている次期原発対応ロボット「ローズマリー」のデモ走行を見学。小柳栄次fuRo副所長が、作業員の負担を極力減らす(被ばく時間を減らす)工夫や、格納容器撮影用の最長3メートルにも伸びる搭載カメラなどを説明。細野大臣もコントローラーを手に、ローズマリーの操作体験をした。
 さらに8号館に移動し、PERC研究施設や、fuRoの最新鋭ロボットを見学。
 同行した取材陣のインタビューに「(福島での本学ロボットの様子は)テレビでしか拝見したことがなかったので一度、現場の様子を見ておきたかった。説明を聞いて、研究者の皆さんの熱意が本当に伝わってきた。今後、廃炉へ向けてさまざまな努力が必要になってくるが、政府としても対応を考えて行きたい」とコメントしていた。
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