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2012.6.15

東京スカイツリータウン®に
本学キャンパス オープン


70周年節目
 最先端の科学技術を魔法のように楽しもう。日本中の注目が集まる東京スカイツリーの足元に5月22日、「千葉工業大学 東京スカイツリータウン® キャンパス」(東京都墨田区)がオープンした。開学70周年の節目に、最先端の科学技術を広く発信するのがねらい。五感を通して近未来を疑似体験できるよう展示方法に工夫を凝らし、子供から大人まで大にぎわいを見せている。
最先端技術を発信
オープン初日。来場者でフロアは満員に
オープン初日。来場者でフロアは満員に
 スカイツリーの雄姿がくっきりと外壁に映る高層ビル「東京スカイツリーイーストタワー」。商業施設「東京ソラマチ」も入るこのビルの8階が、先端技術を応用したアトラクションゾーンへの入口だ。
 オープンを前に、会場の準備を終えた宮川博光常務理事は「子どもたちが未来を感じ、夢を描く場にしたい。社会人にはこの最先端技術を産学連携やビジネスチャンスととらえてもらえれば」とあいさつ。未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長は学生や研究者などのスタッフに対し「ここで来場者にどんな未来づくりをしてもらえるかはみなさん次第。ディズニーランドのキャストになった気分で接客を」と激励した。
●巨大スクリーンを歩くロボットたち
階段を昇り降りする新型ロボット「ローズマリー」
階段を昇り降りする新型ロボット「ローズマリー」
 いかに驚きと発見に満ちた空間に仕立てるか、工夫は随所に見られる。場内の躍動感を担うのは横長の巨大スクリーンをポップなBGMに乗って闊歩するロボットたち=写真上。fuRoが開発した歴代ロボットだが、本来のモノトーンを彩色したり、一部のサイズを調整してCGに合成。二足歩行ロボットの行列はユーモラスで、並んで歩いたり競走する幼児も。連動するiPadの画面を操作して個々のロボットの設計図をスクリーンに映すこともでき、メカマニアをうならせている。
 福島第一原発で活動予定の災害対応ロボットをつぶさに観察できるのも大きな魅力。展示されているのは現在、開発・実証実験中のロボット「ローズマリー」(試作機)で、より過酷な環境下で任務を果たすため耐放射線性能と駆動系を強化したうえプラグイン充電対応、3年間はメンテナンス不要という強者だ。年内に福島第一原発に投入予定といい、階段を安定した姿勢で昇り降りする姿を食い入るように見つめる人が引きも切らない。
●魔法のカード
魔法のカード
 「なんで〜」と歓声が上がるのは「魔法のカード」のコーナーだ。細かい穴がパンチされた紙をテーブル上に置くと=写真上、ロボットの仕様書や隕石の解析画面が変幻自在にテーブルに投影される。天井の赤外線カメラで認識されたセンサーの情報がコンピューターで処理されテーブル上に投影される仕組みというが「カード自体はただの紙です」というスタッフの説明に目が点になる人が続出している。
●火星を疑似体験
火星探査船シュミレーターに座って操縦体験
火星探査船シュミレーターに座って操縦体験
 無料で気軽に入った場所で火星旅行ができたら、それだけで忘れられない一日になるだろう。「火星探査船操縦シミュレーター」は惑星探査研究センター(PERC)の研究成果を集結。本物の宇宙ステーション用操縦桿を握って火星の上空を飛行できるアトラクションだ。映し出される映像はNASAから提供された火星の地表写真データという本格的なもので、宇宙へのあこがれをかきたてる貴重な体験になるのは間違いない。
 場内は子どもの踏み台を兼ねた箱型ベンチが所々に置かれ、工房か実験室に遊びに来たような雰囲気。ひと休みしながらゆっくり展示を味わう家族連れやロボットファンが目立つ。
 5月中の来場者は多い日で1日3000人ほどだったが、夏休みに入ればその数倍の人出が予想される。はとバスや高校の修学旅行担当者から「ぜひ立ち寄り先に」との申し出も数多く寄せられており、受け入れ態勢の整備が進む。
 千葉工大発のテクノロジーをきっかけに将来の志願者が育ってほしいと期待も膨らむ一方で、「ここは未来を見て触って感じてもらう空間。お金では買えないものをお届けしたい」(古田所長)。展示内容やイベントは定期的に見直していくという。
 開館時間は10〜18時。8月末までは無休。
OPEN CAMPUS
クールビズ実施中