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2012.3.15

豊田耕作会長 逝去
強い大学へ発展を牽引


経営や学部制、劇的に変革
故豊田耕作会長
故豊田耕作会長
 初の本学出身理事長(前職)で、21世紀を生きる強い大学へ改革を進めてきた豊田耕作会長が2月13日午前5時40分、肺炎のため千葉市脳神経外科病院で逝去された。88歳だった。葬儀・告別式はご遺族の意向により近親者のみで行われた。喪主は久子夫人。本学は改めてお別れの会を3月29日(木)、ホテルニューオータニ幕張で開く。葬儀に先立ち2月19日(日)、故豊田会長は霊柩車で、その半生を傾注した芝園・津田沼両校舎に別れを告げられた。教職員と学生たちは整然と並び故豊田会長をお見送りした。その後、津田沼新2号棟20階ラウンジに設けられた献花台で、故豊田会長のご冥福を祈り花を捧げた。
29日にお別れの会
 豊田会長は1923(大正12)年、広島県生まれ。10歳で東京に転居。47(昭和22)年、本学の前身・興亜工業大学の1期生として冶金工学科を首席で卒業し日本冶金工業(株)に入社。日精(株)(商社)に移籍して49(昭和24)年、26歳で卒業生代表の千葉工大評議員に就任。商社マンを務めながら10年後に理事を経て常務理事に。その後日精を退社して常務理事の職に専念し86(昭和61)年、理事長に就任した。以後、今年1月18日、理事長職を退き会長となるまで26年間理事長を務め、常に先頭に立って本学を牽引してきた。
 豊田前理事長の功績で特筆されるのは、大学設置基準の条件を満たすべく校地の取得に積極的に貢献、現キャンパスへ連なる壮大な発展計画を可能にしたこと。学部学科や大学院を先進的に整え、経営体質を劇的に変革して黒字体質とし、学生数1万人を超える財政優良トップの理工系私大に育て上げたこと――など。
 62(昭和37)年、当時手狭だった津田沼の地で本学は施設整備5カ年計画として本館、第二、第三校舎や実験室、学生寮などを新築整備する壮大なプランを決定。豊田常務理事(当時)を中心に不足校地探しに着手した。5万坪余の土地探しは困難だったが、ついに旧陸軍演習地跡のなだらかな農地(千葉市花見川区千種町)の取得に成功し、校地を一挙に倍増させた。
 その後、津田沼校地内を通る都市街路計画で豊田常務理事が習志野市と粘り強く折衝。3万7千坪もの芝園校地確保につながった。隣接茜浜の用地譲渡でも当時、土地所有者だった国の運輸省港湾局などに“お百度を踏み”心労で入院するほど折衝を重ね、難しい局面を乗り越え実現させた。
 故豊田会長を支えたのは1期生当時の苦しい経験だった。学業半ばで校舎を移転、実験施設が貧弱なため当時の東北帝国大学の教室を借りて卒業論文を作成――「そんな思いを後輩にさせたくなかった」。安定した大学経営につながる未来のキャンパスづくりへ、その手腕を期待され、理事長に推挙されたのは当然の経緯だった。
 学部学科改編では時代の要請に応え88(昭和63)年、情報工学科、工業デザイン学科を設置。2001(平成13)年、工学部を改組し現3学部制に。03年から工学部9学科の改編を図り06年、未来ロボティクス学科を開設、現6学科に。未来ロボット技術研究センター(fuRo)や惑星探査研究センター(PERC)を皮切りに、先進的な研究開発部門を発足させて、夢あるモノづくりの大学を形成し、新入生たちの心をつかんだ。
 これらの施策が入学生の増加をもたらし03(平成15)年、本学は財政格付け評価で理工系大学初の「AA−(マイナス)」を獲得するまでになった。
 私学振興にも尽力。86(昭和61)年、日本私立大学協会理事就任。90(平成2)年、同協会常務理事、翌年には日本私立大学団体連合会就職委員会委員長に(平成17年まで)。地域でも千葉県私学団体連合会理事、千葉県私立大学短期大学協会会長、財団法人千葉県私学会館理事長などを歴任。02(平成14)年、私立大学協会役員として永年表彰を受けている。
 生前、常に「学内の協調と融和」に心を砕いたという故豊田会長。創立70周年を迎えた本学を見届けたように旅立った。
部旗でお見送り
 故豊田会長の霊柩車は2月19日午後1時45分、茜浜運動施設を出発し芝園校舎を一巡、12号館に集合した教職員・学生らが正門でお見送り後、津田沼に向かった。
 津田沼キャンパスでは、新2号棟玄関口を中心に通用門から正門まで参列者がびっしり並んだ。学生部室棟前に3会役員、寮友会役員、各サークルの学生たちがそれぞれ部旗を掲げ整列。その前を白い霊柩車がゆっくり進み、教職員と学生たちは頭を垂れて故豊田会長をお見送りした。
 新2号棟20階のラウンジでは、南側窓辺の献花台に、会葬者は故豊田会長の遺徳をしのんで、順番に白いカーネーションを手向けた。
学生が部旗を掲げ、一同整列するなかを進む故豊田会長の霊柩車 献花台に白いカーネーションを手向ける教職員や学生たち
学生が部旗を掲げ、一同整列するなかを進む故豊田会長の霊柩車 献花台に白いカーネーションを手向ける教職員や学生たち

過去最多3万1758人


平成24年度入試志願者
 B日程入学試験が2月17、18日の2日間、C日程入学試験が3月5日、大学入試センター利用試験(後期)が3月6日に行われ、本学の平成24年度入学試験が全て終了した。
 B日程の志願者は5294人(昨年度より1931人増)。また、C日程試験は2202人(昨年度より900人増)、センター利用入試(後期)では、1180人(昨年度より110人増)が志願した。平成24年度の本学総志願者数は3万1758人(前年度より7921人増・前年比133%)。過去最多の志願者数を記録すると共に、4年連続で志願者数が増加した。