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2011.9.15

fuRoが「クインス」披露
「福島原発で活躍」と同型
四街道市で


「国境なきレスキューロボ隊めざす」小柳副所長
福島原発で活躍中のクインスと同型のロボット
福島原発で活躍中のクインスと同型のロボット

 四街道に「Quince(クインス)」現る――。小柳栄次・未来ロボット技術研究センター(fuRo)副所長の講演会が8月5日、四街道市文化センターで開催され、福島第一原発で活躍しているものと同モデルのレスキューロボットが小学生ら約300人に披露された。

 クインスが学外で実演されるのは珍しく、夏休みの子どもたちにとっては最先端のロボットに触れられる絶好の贈り物。本学の大学院生が「地域かるた」を考案して以来、四街道市との交流が進む中で、同市の市制30周年記念事業として実現した。
 国産ロボットの先陣を切って6月に福島第一原発に投入されたクインスは、これまでに2号機と3号機の原子炉建屋内に入って内部を撮影。放射線量や放射能汚染水の水位を測定し、空気中の浮遊物を採取するなど現場の状況把握に威力を発揮している。
 小柳副所長はスクリーンにクインスの走行映像を示しながら、「がれきをものともせず狭い空間で巧みに方向転換できるクインスは、らせん階段を昇降できる世界唯一のロボット」と説明。高温多湿・高濃度放射線という環境の中で、カメラや半導体集積回路がどのような影響を受けるか、原子炉建屋内で無線操縦に支障はないか(福島第一原発では有線操縦)など、実験を重ねた数カ月を振り返った。
 「災害現場でクインスが円滑に能力を発揮するためには、訓練された要員と組織が欠かせない」と実用化の課題を指摘したあと、「ゆくゆくは国境なきレスキューロボット部隊の創設を目指したい」と結び、約1時間の活動報告は終了。聞き入っていた聴衆の中には、一部始終をデジタルカメラに録画する小学生も見られた。
 講演後の実演では、ステージと客席をつなぐ階段をクインスが往復するひと幕も。進行役の先川原正浩fuRo室長が「80度近い傾斜です、きついのでは」と慎重姿勢を見せたのに対し、小柳副所長は「まあやってみましょう」と敢行。見事成功させ、喝采を浴びた。
 第2部では二足歩行ロボットの操縦体験会が行われ、こちらも希望者続出の大にぎわい。操縦者をしぼるため、先川原室長が世界のさまざまな最先端ロボットを画像で紹介しながらクイズを出すと、思いがけない正解に子どもたちから笑いやどよめきが起こる。
 大小5体の二足歩行ロボットは、標的のぺットボトルに横歩きで近づき右腕で倒す仕掛け。参加者たちは、ひざを曲げ上体を反らしてからパンチを繰り出すロボットの動きに、無心にタイミングを合わせていた。
 子どもたちからは「ゲーム機のコントローラーみたいで面白い」「ボタンがたくさんあって難しい」という感想のほか、「横でなく前に進んでほしい」という注文も出て、製作した未来ロボティクス学科の学生もたじたじだった。

原発での活動報告をする小柳副所長 二足歩行ロボットの操縦体験会は大にぎわい
原発での活動報告をする小柳副所長 二足歩行ロボットの操縦体験会は大にぎわい

Kid sizeで世界2位!
ロボカップinイスタンブール/サッカー


テクニカルチャレンジでも3位
本学CIT Brainsのメンバー
本学CIT Brainsのメンバー
 ロボカップの第15回世界大会は7月6〜10日、トルコのイスタンブール・エキスポセンターで開かれ、日本からはジュニアも含め52チームが参加、本学未来ロボティクス学科チーム「CIT Brains」は、ヒューマノイドリーグのKid size(60センチ以下)サッカー3on3(3機対3機戦)で準優勝した。同部門テクニカルチャレンジでも3位に入賞した。
 ヒューマノイドリーグは、自分で状況判断して動く人型ロボットがサッカーを競う。Kid、Teen(100〜120センチ)、Adult(130センチ以上)の3サイズがあるが、中でもKid sizeは参加数最多の激戦リーグ。今回24チームが出場した。
 5月のジャパンオープンで3連覇した本学CIT Brainsは、予選、準決勝と順調に勝ち抜き、決勝でバージニア工科大のTeam DARwin(米国・昨年4位)と対戦した。しかしDARwinの安定したムダのない動きに、今一歩及ばず、優勝を逃した。3位は2009、2010年連覇のDarmstadt Dribblers(ドイツ)。
 テクニカルチャレンジはスローイン、障害物ドリブル、ダブルパスの3競技で争われ、CIT Brainsは昨年度と同様、合計点で3位に入った。
 遠征したメンバーは未来ロボティクス学科の林原靖男教授、未来ロボット技術研究センター(fuRo)の入江清研究員、一澤勝弘さん(修士2年)、野平幸佑さん(同1年)、土橋一成さん(同)、高松和城君(4年)、秋谷駿行君(3年)の7人。さらに南方英明准教授、山田幸果さん(3年)が日本でのサポートを行った。
 ロボカップ世界大会はロボカップ国際委員会(スイス)を中心に各国委員会が運営し、毎年40カ国以上が参加している。昨年のシンガポール大会Kid size部門で本学は3位だった。出場各国が技術レベルを年々向上させてくる中、今年は強豪の米・独と競い順位を1つ上げて、堂々の世界第2位となった。
 レスキュー部門は福島原発対応を優先したため、出場しなかった。
白熱した米国との決勝
白熱した米国との決勝

津田沼図書館1階に
「就職支援コーナー」


データベースも、ご利用を
 厳しい経済状況下、就職難を乗り切ろうと、本学図書館(館長=茂木徹一・機械サイエンス学科教授)はこのほど、学生の就職活動に役立つ図書を選んで、津田沼図書館1階に「就職支援コーナー」を開設した。
 また、情報収集を助ける「SERENDIP」の利用も始めた。ビジネスマン向け書籍や国内外の雑誌記事をダイジェスト版にしたデータベースで、「就職関連図書」をまとめたページもある。
 図書館ホームページ内からアクセスできる「日経BP記事検索」でも、会社選びに役立つさまざまな情報が得られる。