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2009.4.15

本岡学長が特別講話(要旨)


 4月1日の入学式に続いて、本岡学長が新入生やご父母に、本学の伝統ある歴史、建学の精神、教育目標などについて理解を深めるために「新入生諸君へ―千葉工業大学で学ぶために―」と題する特別講話を行った。
■建学の精神と教育目標
 本学の建学の精神は知育、徳育、体育を網羅した「師弟同行」「自学自律」です。「師弟同行」は、教員と学生が一体となって学問に携わる、お互いに学び合う、という精神の下できめ細やかな指導を行います。「自学自律」は、「師弟同行」を実践する中で学生諸君が自ら学び、思索し、創造し、解決する能力を養うという自啓自発の教育を通して、創造性豊かな人材を育成するということです。
 これらを実践するためには教育目標が必要となります。教育目標としては科学技術の厳しい変化に対応できるしっかりした基礎学力を持つ学生(人材)の育成です。
■教育指針および教育の特色
 建学の精神に沿って、教養および専門基礎学力を持つ学生を育成するために次の7つの教育指針を掲げています。
 まず、豊かな教養と人格を備えた人材を育成するための教養教育。将来を担うために必要な教養、特に工科系としての教養を全学共通で徹底的に教授します。教養科目30単位以上の取得を義務化しています。
 第2に、変化する科学技術に柔軟に対応するための専門基礎教育。応用を可能とする専門基礎教育を教授します。専門基礎および基幹科目の必修・指定化、教育効果を上げるために習熟度別クラス編成などを行っています。
 第3に、創造性豊かな人材を育成するための実践・体験教育。実践体験を通して、自ら確認し、納得し、工夫する習慣を身につけさせる教育を行っています。
 第4に工学・技術に夢を持ち続け、自分の将来像が描けるキャリア教育。仕事と人生設計をきちんと考えさせる習慣を身につけてもらうために、キャリアセンターによる各種講座やOB・OG懇談会を開いています。学生参加による人工衛星やロボット関連プロジェクトも展開しています。
 第5に学生に対して面倒見のよい大学。入学した学生を大切に育てていくために、きめ細やかな指導を行っていきます。高校教育の多様化に対応して、必要な学生にリメディアル教育(数学・物理・化学)を実施しています。学習支援センター、修学支援制度も設けています。
 第6に、学生同士のコミュニケーションを育む大学。同級生だけでなく先輩や後輩などを通した友人づくりが重要になります。本学は学生が孤立化しないように、学生が集うための場所を設けています。
 第7に、社会と密接な関係を築いていく大学。社会とのかかわりを通して学生を成長させる教育を行っています。一例としては産官学融合センターの設置のほか、日本技術者教育認定機構(JABEE)による認定プログラムの設置が進行中です。
■千葉工業大学の源流
 1942年、財団法人興亜工業大学の設立が許可され、わが国2番目の私立工業単科大学として誕生しました。1942年には第1回入学式を挙行。1946年には校名を旧制千葉工業大学に改名し、全寮制として再スタートを切りました。1947年には第1回卒業式を挙行。1950年には新制千葉工業大学として設立許可を受け、現在の津田沼校地に移転しました。
■新制大学としての学部・学科の推移
 1950年、機械工学科、金属工学科、工業経営学科でスタート。2001年には工学部、情報科学部、社会システム科学部の3学部体制を確立しました。2003年、工学部を9学科から5学科に改編。2006年、工学部に未来ロボティクス学科を増設。今年、社会システム科学部に金融・経営リスク科学科を増設しました。
■現在の学部・学科構成
 工学部は6学科で入学定員1435人、情報科学部は2学科で同280人、社会システム科学部は3学科で同280人という体制です。各学科にはJABEEコースが設けられています。
■大学院(研究科)の推移
 2004年、大学院を工学研究科、情報科学研究科、社会システム科学研究科に改編しました。今年は修士課程に未来ロボティクス専攻を増設。
 現在、工学研究科は修士課程が6専攻、博士後期課程は1専攻。情報科学研究科と社会システム科学研究科はそれぞれ修士課程、博士後期課程とも1専攻という体制になっています。
■国際交流
 グローバル化時代に対応して、学生諸君にはどんどん海外に出て「他流試合」をしてもらいたいと思います。現在本学では6カ国10大学と国際交流があり、毎年、留学生の募集を行っています。
■履修の流れ
 入学すると、まず学習状況調査を行います。これで諸君の力が分かりますので、各自のレベルに合った習熟度別クラスを編成します。ここで、数学、物理、化学の履修が必要だという学生はプレ科目を受講します。その時に皆さんにお願いしたいのは、学習支援センターの活用です。また、全教員がアドバイスしてくれる修学支援体制も整っています。ぜひこれらを有効に利用してください。
 習熟度別クラス編成から、全学部共通の教養科目に移り、さらには基礎・基幹・展開の専門科目を履修します。そして最終的な関門がゼミナール・卒業研究となります。その際は、君たちが3年間蓄えた力をこの卒業研究で大いに発揮してください。失敗しても構いません。ここでは先生の指導を受けながら、ぜひ諸君の考えを付け加えていただきたい。そして、自分の考えで行動できる学生として卒業してください。
■本学を支える3つの柱
 在校生のご父母と教職員の会として「PPA」があります。1949年に設立されました。学生を側面から援助するネットワーク組織です。毎年6月には総会を開いています。
 第2に同窓会です。職域12支部、地域48支部の全国60支部からなる、同窓生の組織です。産業界の第一線で活躍する卒業生は6万9000人以上。就職支援も行っています。
 第3に産官学融合センターです。本学と産業界・公共団体が技術および就職などの情報交換を行い、社会に貢献する組織です。本学卒業の技術士による技術士育成の援助と協力も行っています。
 現役の学生4人が技術士補に合格したことは近年まれに見る快挙でした。
■就職状況
 東洋経済新報社の調査による、平成20年度企業役員・管理職大学別ランキングでは、本学卒業の役員在職者は全国の国公私立大学752校中、67位という結果でした。これはいかに卒業生が頑張っているかという証だろうと、心強く思っています。こういう卒業生がいるからこそ、諸君たちの就職も先行き明るい状況にあります。
■千葉工業大学の誇り
 本学は日本で最も伝統のある工科系大学です。建学の精神は本学の教育理念でもあります。将来に向けて社会動向がどう変容しても、建学の精神は永続します。伝統とは、長い教学の歴史の中で培われ、引き継がれてきた有形無形の財産です。教職員はこの伝統を誇りとし、諸君を立派な人間に育てるよう努力しています。
<講話聞いて>
■伝統ある歴史を理解
 鶴田さくらさん(未来ロボティクス学科)
 伝統ある本学の歴史がよく分かりました。いままでの高等学校との教育の違いに期待しています。講話をお聞きし、学びの方向も見えてきました。これからは基礎をおろそかにしないで、何事にもまず参加してみようと思います。
■友達づくりを大切に
 菊地 風馬さん(生命環境科学科)
 印象に残ったのは友達づくりの大切さについてです。一生付き合える仲間との出会いに、期待と不安が半々です。母も講話を聞き、「細かなところまで目の届く、面倒見の良い大学」という印象を持ったようです。まずは4年間で卒業することを目標に、勉学に励みます。

「国立科博大学パートナーシップ」に引き続き入会


 本学は今年度も引き続き「国立科学博物館大学パートナーシップ」に入会した。
 本学学生は、国立科学博物館(東京・上野公園)のほか、同博物館附属自然教育園(東京都港区)、筑波実験植物園(茨城県つくば市)に、学生証提示で無料入館(入園)することが出来る。
 詳細は国立科学博物館ホームページ「大学パートナーシップ」をご覧ください。
世界へ翔ぼう!自らを高めよう!
(今回の参加者募集については、国際情勢、その他諸事情により、
日程の変更または中止となることがありますので、あらかじめご了承ください。)