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2009.1.15

県温暖化防止活動コンでV
「くるくる研究会」 2月、全国大会へ


習志野市内で自転車レンタルサービス
全国大会へ進んだ西崎准教授(右)と谷合助教
 地球温暖化防止のための活動を競う「CO2CO2(こつこつ)ダイエットコンテスト」千葉県選考会が昨年11月開かれ、習志野市内で自転車のレンタルサービスを展開することでCO削減に取り組む「くるくる研究会」(代表、・本学経営情報科学科准教授)が県代表に選ばれた。
 このコンテストは千葉県地球温暖化防止活動推進センターの主催。「くるくる研究会」は今年2月、「一村一品・知恵の環づくり全国大会」(環境省主催)へ出場する。
 選考会には「くるくる研究会」のほか、9団体が応募、予選を通った5団体が日ごろの活動を10分間ずつプレゼンテーションし、「くるくる研究会」は選考委員票、一般票とも第1位だった。
 「くるくる研究会」は、習志野市の「商店街活性化」事業の一環として、津田沼1丁目商店会、市、西研究室、本学3R研(顧問・谷合哲行・教育センター助教)の15人で構成、キャッチコピーは「レンタルサイクルで人も地球もダイエット」。
 活動は(1)通勤・通学・買い物を車から自転車に変換してCO削減を図る(2)自転車をリサイクルして活用する(3)廃棄された自転車を3R研の学生が完全に分解、再製して貸し出すことで地域の環境意識の向上を図る――などが目的。プロジェクトは2005年からスタート、2007年9月からJR津田沼駅北口の市営駐輪場の一角を借り、30台で自転車のレンタルサービスを行っている。
 レンタサイクル事業は放置自転車の追放にも一役買う。昨年秋3カ月の利用実績は1日利用も含め合計105名で、常にキャンセル待ちの盛況という。「くるくる研究会」によると、COの削減効果は、車移動を自転車利用に変換したとして計算した場合、1日1台あたりCO換算2・31キログラムの削減となる。
 さらに、現在30人の利用者が年間200日利用しているので、1年間で13・86トン削減される。加えて、この事業が市内5カ所の駅で実施された場合、実に年間138・6トンものCOが削減でき、この量は杉の木を9900本植林した場合に匹敵する温暖化防止効果が期待できるという。
 西准教授は「自動車社会を脱却し、自転車で暮らせるコンパクトシティ実現の一手段になる実験を、千葉県初の取り組みとして産・官・学・民が連携して行い、新しいライフスタイルを提案したい」と話している。

アルミ缶ロボット「ウォーリー」大人気に
若いエンジニアの心意気見せる


「エコプロダクツ2008」
アルミ缶ウォーリーに見入る子ども
アルミ缶ウォーリーに見入る子ども
 東京ビッグサイト(江東区有明)で昨年12月開かれた日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2008」で、本学学生のプロジェクトチームが製作したアルミ缶ロボット「ウォーリー」が来場者の大人気を呼んだ。「アルミ缶リサイクル協会」の展示ブース(ディズニーピクサーとタイアップ)企画「アルミ缶でウォーリーを作ろう」への参加オファーに応え、学科の枠を越えて約1カ月という短期間で完成させ、本学の高いロボット技術と若いエンジニアの心意気を見せてくれた。
本学生チーム 1ヶ月徹夜で完成
徹夜を含め製作に集中する学生たち
徹夜を含め製作に集中する学生たち
 製作に参加したのはリーダーの未来ロボティクス学科3年・阿久澤拓巳君をはじめ、小椋慎祐君、木村俊彦君、原田雄二君、1年の飯沼敦史君、一瀬大地君、デザイン科学科3年・土屋亮太君、立石彩佳さん、山田美沙子さん、建築都市環境学科3年・福田菜々子さん、若月綾佳さんら22人。
 阿久澤君ら「ウォーリー」プロジェクトチームは、どんなロボットにするか、動きはどうするか、など話し合いを重ね、企画書を作成。これをアルミ缶協会が採用し、11月初め、今回のプロジェクトが正式にスタートした。製作は未来ロボティクス工作室で進められたが、授業と違って他学科の学生の集まりでもあって意見の衝突はたびたび。
 とりわけデザインではコンセプト作りを巡り、グループの足並みが乱れ、プロジェクトが暗礁に乗り上げる寸前まで行った。しかし、「ウォーリーを作るんだ」というみんなの強い意志が固い団結力を生み出し、徹夜作業を含めて製作を継続し、やっと12月11日朝8時に完成させた。
 「ウォーリー」はこの日から3日間、展示されたが、ロボットのデモンストレーションに足を止めて、見入る人々が溢れた。直前に全国公開されたディズニー映画「ウォーリー」のヒットもあって、アルミ缶ブースには前年の10倍もの来場者があった。
 阿久澤君は「約1カ月という非常に短い期間で、しかも、異なる学科の学生で作りあげるという初の試みが成功した。高い能力と強い創作意欲の証明です」と振り返った。そして、「ウォーリーの声が多くの人を引き寄せた。動いている時、お母さんに『触っちゃだめ!』と言われながらも、好奇心を抑え切れずに、たくさんの子供たちが手を伸ばして、なんとかウォーリーに触れようとする姿が目に焼き付いています」と話している。
池袋サンシャインでも展示
 このアルミ缶ロボット「ウォーリー」は1月18日まで、東京・池袋の「ウォーリーの世界展 inサンシャイン60展望台」でも展示された。参加した阿久澤君、小椋君、福田さんの3人は「展示期間中の休日に正午から午後7時まで動かしました。こちらで考えていた行動時間をはるかに越えてしまいました。というのも、子供たちがずーっと熱心に見ていて離れなかったからです。ある子は飽きもせずに3時間も見ていた。学生たちだけで出来ることも無限にあると思いました」と抜群の人気に感動している。
ウォーリーを囲んで。右から阿久澤拓巳君、飯沼敦史君、福田菜々子さん、若月綾佳さん、立石彩佳さん、小椋慎祐君
ウォーリーを囲んで。
右から阿久澤拓巳君、飯沼敦史君、福田菜々子さん、若月綾佳さん、立石彩佳さん、小椋慎祐君

中嶋准教授 移動ロボを実演
模擬火星コースを使い 小中学生ら熱い視線


火星ローバーコンテスト
小中学生らに囲まれ、移動ロボットを動かす中嶋准教授
小中学生らに囲まれ、
移動ロボットを動かす中嶋准教授
 千葉市科学館(千葉市中央区)で昨年11月29日開かれた「第10回火星ローバー(探査車)コンテスト」に、本学未来ロボティクス学科の中嶋秀朗准教授が講師に招かれた。中嶋准教授は、最新の移動ロボット豆知識を小中学生に紹介するとともに、研究用ロボットの実演を披露し、児童・生徒らの興味溢れる熱い視線を浴びた。
 中嶋准教授は現在、科学館に常設展示用ロボットを納入している。この日はコンテストの途中、模擬火星コースを使い講演と合わせ約45分間に渡り、中嶋研究室で開発中の不整地移動ロボットをデモしながら、ロボットの仕組みを分かりやすく説明した。
 中嶋准教授はまず、「地球上の凸凹した道、どうすればロボットがその道をスムーズに歩けるかを研究しています。以前、JR東日本にいたので、鉄道車両のような高い信頼性を一番大切にしています。きょうはロボットの機構、コントローラーの仕組み、ロボットの制御、という3点を学んでもらいます」と話した。
 さらに「移動ロボットは被災にあった凸凹道を動けなければなりません。ロボットの機構には車輪型、脚型とあって脚型は不整地に向いてます」と続け、四輪型の不整地移動ロボット「RT―Mover」を紹介。「脚に車輪を付けたロボットです。やっぱり“シンプル・イズ・ベスト”です。このロボットが未来にはどうなるのか。これに人が乗って、車椅子の代わりになってみんなと同じ道を行ければいいな、と思っています」と語り、実演へ。
 中嶋准教授は、スライドと動画を併用してロボットのコンピュータを見せ、「ロボットの頭というものは、このコンピュータが持っています」と実際に動かしながら、ロボットのネットワークを説明。ロボット操縦の雰囲気を示しつつ、「皆さんも興味があったら勉強しよう」と呼びかけた。