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2007.12.15

HallucII サッカーロボ 大ロボット博で人気 −上野・国立科学博物館−


“未来の乗り物”にびっくり!!
大観衆の前で軽妙な動きを披露するハルクII
大観衆の前で軽妙な動きを披露するハルクII
 “ニッポンのロボット大集合”と銘打って「大ロボット博」が10月23日に上野の国立科学博物館で開幕(08年1月27日まで)、家族連れでにぎわっている。本学はTOYOTAなどと協賛(特別協力:Honda)に名を連ね、ロボットの実演ステージを提供するなど中心的な役割を担っている
ロボット実演に見入る子供たち ヒューマノイドロボット
ロボット実演に見入る子供たち ヒューマノイドロボット
 今回の博覧会の副題は「からくりからアニメ、最新ロボットまで」。からくりの茶運び人形から現代のロボットまで幅広く展示されている。
 本学は2つの実演を担当。一つは未来ロボティクス学科の林原靖男准教授が率いるチームのヒューマノイドロボットによるサッカー。実演が始まる前からステージの周りは子供たちでいっぱいになる。林原准教授の 解説のあとロボットが登場し、早速ボールを蹴って「ゴ〜〜ル!」。ロボットが自ら判断していると知った子供たちから盛大な拍手が送られた。
 もう一つは未来ロボット技術研究センター(fuRo)古田貴之所長とによるステージ。8つの脚を持つ新型ロボットHallucIIやレスキューロボットを軽妙な説明とともに動かす。
 でこぼこ道、狭い道を昆虫のように、動物のように、また車として前後左右自在に走行・回転するロボット。その姿を見て観衆はびっくり。同時に“未来の乗り物”の姿を想像したに違いない。会場の一角を占めるロボット・ラボ(研究所)コーナーでは実験機や試作機が紹介されている。本学はここでもmorph3やレスキューロボットなどを展示し、人気を呼んでいる。
古田所長「子供たちに“夢”伝えたい」
 古田所長は、「子供たちに夢を伝えたい。そして理科離れをなんとか食い止めたい」と博覧会の意義を語っている。博覧会の内容については、「自然環境と共存するための技術、人間の不自由を不自由でなくする技術が必要で、そのためにロボット技術は、からくり人形のような文化や芸術、風俗、経済などと融合していくことが重要だ」と述べている。

経産省 次世代ロボ知能化プロジェクト


−共同事業− 搭乗移動ロボット開発に助成金
古田fuRo所長
古田fuRo所長
 本学は、経済産業省が公募した「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」(平成19年度〜23年度)に応募、7つの研究開発項目のうちから「移動知能(社会・生活分野)」の開発を受託することになった。
 本学と芝浦工大、NECソフト(株)共同の事業テーマは「搭乗用移動知能の構築を簡便にするモジュール群の開発〜環境インフラと連動するパーソナルモビリティ〜」。
 研究の第一の目的は搭乗型移動知能ロボットの安全で確実な移動、すなわち(1)「本質安全・自己保全」を実現すること。また、老若男女誰もが簡単に扱えるパーソナルモビリティの実現、すなわち(2)「運用・安全知能」を開発することである。 第二の目的は、前記(1)(2)の条件を満たす知能モジュールを装備したロボットを開発しやすくするための、開発者支援技術の開発だ。
 NECソフトは、国土交通省の自律移動支援プロジェクトで、すでに銀座4丁目や上野公園でucode計画を行い、タグを設置するなど、実証実験を進めている。さらに顔識別で操縦者の状況を推定する技術、そして千葉工大が中心となる障害物回避知能の開発などにより第一の目的に挑戦する。初年度のプロジェクト全体予算は19億円。
 経済産業省は、ロボット産業を国家戦略の一つに位置づけており、平成17〜19年度には「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト」を実施、本学未来ロボット技術研究センター古田貴之所長らも参加し、「ロボットを作りやすくする部品」を開発してきた。

−シーテックジャパン2007− ケナフなど飛び入り操縦も


ケナフの動きを説明する小柳副所長
ケナフの動きを説明する副所長
 「大ロボット博」に先立つ10月6日(土)、幕張メッセ(千葉市)で行われた家電・電子部品など新技術の総合展示会「シーテックジャパン2007」でも、本学のレスキューロボット(ケナフ)と二足歩行ロボット(CIT Brains and Hajime Robot)がイベントホールでデモンストレーションを披露し、喝采を浴びた。
 会場には、大人から子供までビッシリとロボットデモコーナーを取り囲み、飛び入り参加でロボットを操縦した子供たちは、そのしなやかな動きに歓声を上げながら操縦を楽しんだ。
 本学からは林原靖男准教授(未来ロボティクス学科)、南方英明准教授(同)、(未来ロボット技術研究センター)、吉田智章研究員(同)らが参加した。
fuRo 超小型モータドライバを開発、製品化へ

名刺サイズの超小型モータドライ
名刺サイズの超小型モータドライバ
 本学の未来ロボット技術研究センターはこのほど、移動ロボットのモータ駆動には欠かせない超小型・名刺サイズのモータドライバを開発、(株)ピューズが製品化した。
 fuRoが開発した8脚の移動ロボットHallucIIは56個のモータを装着しているため多数のモータを制御する機能は欠かせない。
 今回開発されたドライバは「CANバス接続で多モータ、多センサーシステムが簡単に作れる」もの。経済産業省の次世代ロボット共通基盤プロジェクトの一環として開発されたもので、先に本学で開催された日本ロボット学会学術講演会の場でも披露され、評判を呼んだ。