2007.5.15
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中保専門研究員(山口研)―― GSCポスター賞受賞



GSCポスター賞を受賞した中保専門研究員
GSCポスター賞を受賞した中保専門研究員


 「人と環境の健康安全」「省資源・省エネルギー」などを実現するGSC(グリーン・サステイナブル・ケミストリー・ネットワーク=古森重隆会長)主催の第3回GSCポスター賞を、本学生命環境科学科の山口研究室(山口達明教授)の専門研究員、中保建さんが受賞した。
腐植物質「フミン質」を土壌浄化に応用
 第1回GSCアジアオセアニア会議は、3月6日から同9日まで学術総合センター・一橋記念講堂で開催され、177件のポスター発表の中から10件が選ばれた。
 中保さんが応募した研究発表テーマは「腐植物質の植物生理活性とファイトレメディエーション(植物による環境浄化)への応用」。内容は「腐植物質の持つ植物の成長促進作用に加え、腐植物質が持つ有害重金属の無毒化作用を利用して、ファイトレメディエーションへの応用を試みた」というもの。
 選考について、同賞事務局では「土壌中に豊富に存在する腐植物質であるフミン質に着目、これを用いることで重金属汚染土壌の浄化と作物の生育維持を両立させ得ることを示した。人と環境に優しく、持続性のある社会に貢献することを目指す化学技術GSCの観点から大いに評価できる」とコメントしている。
 中保さんは「受賞は寝耳に水の出来事。協力してくれた4年生など皆さんのおかげです。本研究を含め、社会連携研究プロジェクトの成果が、各地の活性化につながることを期待しています」と受賞の喜びを語っている。

市川、須納瀬、野口、古山の4教授 本学の名誉教授に


市川名誉教授 須納瀬名誉教授
市川名誉教授 須納瀬名誉教授
野口名誉教授 古山名誉教授
野口名誉教授 古山名誉教授
 長年にわたって教鞭をとられ、本学における学術の向上に寄与された元建築都市環境学科教授の市川裕通氏、元電気電子情報工学科教授の須納瀬司氏、元教育センター教授の野口盛雄氏、古山英一氏の4氏が、4月15日付で千葉工業大学名誉教授の称号を授与された。
 市川氏は、昭和45年に助教授として本学に就任。同56年に教授となる。この間、入学試験委員会委員、学寮委員会委員、PPA委員などを歴任、38年間にわたり本学の教育、研究に熱心に取り組み尽力された。
 須納瀬氏は、昭和35年に助手として本学に就任。同60年助教授、同61年に教授となる。この間、教学委員長、PPA副会長などを歴任、定年までの47年間という長きにわたり、大学の発展に多大な貢献をされた。
 野口氏は、昭和34年に助手として本学に就任。同45年助教授、同60年に教授となる。この間、学寮委員会委員、運動施設管理委員会委員長を務めたほか、体育会顧問として約20年間、学生指導に熱心に力を注ぎ、48年間という長きにわたり多大な貢献をされた。
 古山氏は、昭和39年に助手として本学に就任。同60年に助教授、平成2年に教授となる。その間、学務委員会委員、学寮委員会委員などを歴任、43年間にわたり本学の教育、研究に熱心に取り組んだ。

第2回産官学連携フォーラム


教職員・学生・企業など44人参加、5シーズ紹介
無響室を体験する参加者 産官学連携フォーラム会場
無響室を体験する参加者 産官学連携フォーラム会場
 千葉工業大学産官学融合センター(センター長・本岡誠一学長)、同技術・情報振興会(会長・豊田耕作理事長)主催の「第2回産官学連携フォーラム〜オープンラボ(研究室紹介)〜」が、3月9日(金)午後2時から本学津田沼校舎5号館6階大会議室で開かれ、企業・団体、教職員、学生など44人が参加した。フォーラムは、本学を軸に産業界や地域社会と積極的に情報交換を行うために、昨年から始まった。
 開会に先立ち、本学産官学融合センター運営副委員長の南和一郎教授(機械サイエンス学科)があいさつし、「本学の研究シーズならびに研究室の紹介などを5人の先生方から直接説明いただきます」と述べた。最初は菊池耕生助教授(未来ロボティクス学科=現准教授)が「オフィスビル内監視用ホイール型跳躍ロボットの紹介」のテーマで制御が簡単なロボットの研究を紹介した。
 続いて、屋代智之助教授(情報ネットワーク学科=現准教授)が「情報通信技術を用いた位置情報サービス」のテーマで、ITS(高度交通システム)などを例として紹介した。
 白井裕講師(経営情報科学科=現助教)は、「生産システムの効率化」というテーマで線形計画法を基本とした機械装置配置の最適化などいくつかを実用例として説明を行い、榎本眞三教授(プロジェクトマネジメント学科)は「PMを活用した産学連携によるビジネス創生」のテーマで研究発表を行い、ビジネス創生について詳しい説明をした。
 最後に矢野博夫教授(情報工学科)が「快適音環境の創生・三次元音場のシミュレーション」というテーマで音楽ホールの音響効果、地下鉄の放送システムなどを例に紹介、研究紹介は終了した。各教員の研究紹介の後、参加者は3研究室を見学、技術相談も行われた。
あいさつする南教授
あいさつする南教授

『地下かん水』の有効利用に注目


海外研究者ら招き、シンポジウム開く
 千葉県には「南関東ガス田」と称される水溶性天然ガス鉱床があり、ガスは県の民生用として利用されている。この地層の間隙水は海水に近い高塩分濃度の「かん(鹹)水」で、汲み上げて天然ガスを分離し、残ったかん水からヨウ素を生産している。ヨウ素回収後の廃液からは植物生育促進剤と期待されるフルボ酸が得られる。
 豊富なかん水から、これら資源を有効活用し企業化することが求められており、本学の「千葉県『地下かん水』より産出する資源(メタン・ヨウ素・フルボ酸)の高度利用」プロジェクトは、文科省の平成16年度「社会連携研究推進事業」として補助金を受けている。
 プロジェクトは平成20年度までの5年間にわたるが、3月14日、津田沼校舎で一般聴衆も対象としてシンポジウムが開かれた。
 研究代表者の山口達明教授(生命環境科学科)が概要説明を行ったあと、オーストラリアの研究者が講演、そのあと同学科の尾上薫、橋本和明、滝口泰之、柴田充弘、本学総合研究所の山口貞衛各教授と関東天然瓦斯開発の佐藤国臣氏が研究成果を発表した。
 そのあと、同学科の講師・専門研究員らが三資源の高度利用についてポスター発表を行った。
 このプロジェクトは既に県内企業と連携して開発が進められており、新たな戦略産業として育てば地域振興に大いに貢献すると期待されている。
あいさつする南教授
説明する山口教授
『地下かん水』プロジェクトが行ったシンポジウム ポスター発表会場
『地下かん水』プロジェクトが行ったシンポジウム ポスター発表会場


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