なぜ「恋して泣ける技術者」をめざすのか――おや、と思わせるような見出しが目に飛び込んでくる。本書はNHK総合テレビで放映されたシリーズの一つで、主人公は本学fuRo(未来ロボット技術研究センター)の
。
番組は、時代の最前線にいる各分野のプロフェッショナルに仕事の実際や魅力、喜びなどを語ってもらうもので、キャスターは脳科学者の茂木健一郎さん。
高校の教師を勤めたあと、40歳で研究を始め51歳で博士号をとった
さん。世界コンテストで2連覇を果たしたレスキューロボットには、自然災害の現場での多様な働きに大きな期待が寄せられている。「人が使い、人の命に関わる技術だから機械のことばかり考えていてはいけない。人の気持ちがわかってこそいいロボットがつくれる」――「恋して泣ける」の意味だ。
新潟中越地震の現場での経験から学んだのも、「人が使う」ことをしっかり認識してロボットをつくることだった。
このほか、部品は一つひとつ手づくりしていること、最先端のパーツでなくいつでも手に入るものを使っていること、いい失敗はできるだけたくさんして明日につなげたいと考えていること――などが語られる。
「自分たちのロボットが実際に救助活動に使われ、成果を上げること」が
さんの究極の目標だそうだ。