2006.04.15

4面

入学生諸君へ
 
 
本岡誠一学長 特別講話(要旨)
―千葉工業大学で学ぶために―
 

 「本学の伝統や特色、教育体系などを知ってもらいたい」の考えから、本岡誠一学長が、4月1日の入学式終了後、新入生たちを前に「入学生諸君へ、千葉工業大学で学ぶために」というテーマの特別講話を行った。初めての学長講話は「千葉工業大学の歴史などがよくわかってよかった」と新入生・父母に好評だった。
(本岡学長の講話要旨は次のとおり)


学長の講話を傾聴する新入生たち
 
入学式後の特別講話を行う本岡学長

建学の精神と教育目標

 千葉工業大学の建学の精神は、知育・徳育・体育と非常にバランスがとれています。その中で我々が皆様に申しています「師弟同行」「自学自律」が建学の精神です。師弟同行というのは、教員と学生が一体となって学問に携わること。すなわち先生が学生の先頭に立って、お互いに学び、教え合うということを念頭において、学生諸君にきめ細かな指導を行う。そういう中で諸君が一生懸命に勉強すれば、当然のことながら自学自律、すなわち自ら学び、思索し、創造し、解決する能力が出てきて、創造性豊かな人材を育成するという形になってくるわけです。この建学の精神に則り、我々は教育方針(教育目標)を定めています。それは、科学技術の厳しい変化に対応できるしっかりした基礎学力を持つ学生(人材)の育成です。

千葉工業大学の源流

 では、千葉工業大学がどの様な形で成り立ったのか、源流ですね。それは1942年(昭和17年)5月15日、財団法人・興亜工業大学として設立しました。これは国の要請によって設立された私立の工業大学です。当時私立の工業大学はもう一つ藤原工業大学があり、1944年に慶応義塾大学工学部になっています。本学は、藤原工業大学に次ぐわが国2番目の私立の工業単科大学として、東京府に誕生したわけです。
 設立時の概要は、定員が予科160人、本科は航空学科50人、冶金学科50人。それに工業経営学科(学部開設時点で機械学科に変更)60人でした。修業年限は予科、本科とも3年でした。
 その後、1944年(昭和19年)に本科は神奈川県川崎市の日本冶金川崎工場内に学部(本科)を開設。戦後の1946年(昭和21年)3月30日には千葉県君津郡君津町(現在の君津市)に興亜工業大学(旧制)から干葉工業大学(旧制全寮制)に改名しました。
 そして、1947年(昭和22年)に第1回卒業式が行われ、冶金学科30人、機械工学科46人の卒業生を送り出しました。その後、1949年(昭和24年)8月に校地を千葉県千葉郡津田沼町谷津(現在の津田沼校舎の近く)に移転、1950年(昭和25年)2月20日に教育法の改正で新制の千葉工業大学として設置認可されました。
 
新制大学としての学部・学科の推移
 
 次ぎに新制大学としての学部・学科の移り変わりについて申し上げます。昭和25年に、本学は機械工学科、金属工学科、工業経営学科の3学科でスタートし、昭和28年に電気工学科が、昭和36年に電子工学科と工業化学科ができました。東京オリンピックなどの関連もあって、昭和38年に土木工学科と建築学科を新設して昭和41年に精密機械工学科、昭和63年には情報工学科、工業デザイン学科、そして平成9年に情報ネットワーク学科とプロジェクトマネジメント学科を設置しました。
 大学が現在の津田沼校地に移転したのが昭和27年で、昭和61年に芝園校舎が完成して現在の形になりました。同62年に茜浜運動施設が完成。学部は、現在工学部、情報科学部、社会システム科学部になっています。そのうち工学部は6学科で、情報科学部と社会システム科学部が2学科ずつで、全体で3学部10学科体制になっております。その上に、大学院(専攻)として工学研究科、情報科学研究科、社会システム科学研究科があります。
 
教育の特徴
 
 ここで本学の教育の特徴を申しますと、建学の精神に沿って、教養および専門基礎学力を持つ学生の育成にあります。そのために、工業大学の出身の学生として必要な教養・基礎教育に力を入れると共に、実験・実習・物作り等の体験的教育を実施しております。
 さらに、高等学校での教育課程や入試試験等の多様化により生じた基礎学力の不揃を解消するために、リメディアル教育を実施しております。
 本学では、日本をリードする教育プロジェクトがあります。それはシュミレータベースの理工学教育(特色GP)や地域との連携によるキャリア学習支援(現代GP)です。これは、日本の大学教育の中で高水準にあると文部科学省が認定し、非常に高い評価を受けております。
 また、国際交流(アメリカ、カナダ、フランス、中国など13大学)も盛んに行われております。また千葉大学工学部など千葉県内の大学とも単位互換協定にも力を入れているのも本学の教育の特徴だと思います。
 
千葉工業大学の誇り
 
 最後に、建学の精神は千葉工業大学の教育の理念であって、伝統とは長い教学の歴史の中で培われ、引き継がれてきた有形無形の財産です。教職員はこの伝統を誇りとして、教育を続けているのです。

 ※このほか、本岡学長は、講演の中でこれまでの本学の就職状況、卒業生は63、500人もいること、技術士の資格を取得している卒業生が400以上もいて、「千葉工業大学技術士会」を結成していることなどにも触れて講話を終えた。



 
 

 
 
 
 
   
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