2005.10.15

3面

尾上教授、イノベーションジャパンで技術説明
 
 
産業界が期待する「新環境処理技術」
 

 日本の産学連携に新しいモデルを構築した「イノベーションジャパン――大学見本市」(主催:科学技術振興機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構)が今年2年目を迎え、9月27日(火)から29日(木)までの3日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催された。
 この催しは、国内大学の最先端技術シーズと産業界のマッチングイベントで、昨年好評を博した大学出展者による新技術説明会が今回も行われた。本学からは、工学部生命環境科学科尾上薫教授が環境・エネルギー分野の「マイクロバブル法を用いたハイブリッド型環境処理技術」で参加、展示場には微細気泡発生装置も持ち込まれた。尾上教授による技術説明会は29日の午後に行われ、満席となった会場は同教授の研究が高い関心をもって迎えられたことを示した。
 技術説明会で同教授は、マイクロバブル発生法の分類、気泡径による応用分野、ハイブリット化するメリット、新技術の特徴と従来技術に対する優位性について説明した。この環境処理技術の想定される用途は、難分解性物質の処理を含む水環境保全、二酸化炭素の有効利用・液中の有価物の回収を目的とした炭酸塩の製造、燃料電池に関連するリチウム回収などであり、業界でもエネルギー、プラスチック、ゴム、電気機器、自動車、建設・土木業などでの利用が可能である。
 説明会後に行われた企業とのマッチングに参加した尾上教授は「マイクロバブルを構成する気体に対して、放電や超音波、紫外線、マイクロ波(電磁波)などを加えて、ガス自身を活性化させて反応性を高めるハイブリッド型処理技術の開発を進めています」と語り、今後、環境・エネルギー分野のみならず、様々な分野への応用が期待される。
 
技術説明会に臨む
尾上薫教授

▲尾上教授が開発した装置
 
▲尾上教授の技術説明に聞き入る参加者
 
▲展示装置に見入る来場者
 
 
高橋教授、茂木教授、坂本助教授
 
 
特許関連シーズ3件発表
産官学連携フォーラム
 
 千葉工業大学を軸に産業界・地域社会の人たちに情報交換の場を提供しようと、産官学連携に関わる事例を取り上げた「平成17年度第1回産官学連携フォーラム―知的財産権と産学連携3―」が、千葉工業大学技術・情報振興会(会長・豊田耕作理事長)主催、習志野商工会議所共催で9月21日(水)午後2時30分から本学津田沼校舎5号館6階会議室で開かれた。同フォーラムには、企業7社10人、7団体10人、本学教職員・学生25人が参加した。
 開催に先立ち千葉工業大学技術・情報センター(所長・本岡誠一学長)運営委員会委員長の南和一郎教授(機械サイエンス学科)より「産学連携開催の目的と必要性」について述べ、今回のフォーラムの狙いなどを語った。
 続いて基調講演に移り、千葉県知的所有権センター特許情報活用支援アドバイザーの坂元祥郎氏が「『特許電子図書館』による特許情報等の検索」のテーマで講演。特許情報の活用・調査などについて説明した。本学からも特許関連シーズ3件が発表された。はじめにデザイン科学科高橋靖教授が「ユーザーインタフェースデザインと携帯型操作入力装置について」、次に機械サイエンス学科の茂木徹一教授が「マグネシウム合金のセミソリッド鋳造法」を、そして同学科の坂本幸弘助教授から「ヨウ素含有炭素摺動皮膜について」の説明があった。
 このあと企業関係者を対象に相談会も設けられ、技術に関する質問やその技術が生かせそうな製品作りに向けた相談が持ち掛けられていた。
 
フォーラムの目的を説明する
南和一郎教授

 

▲産官学連携フォーラム会場
 
 
 
シーテックジャパン2005開催
 
 
「観太くん」「モルフ3」が人気集める
 
 デジタルネットワーク時代の家電製品、電子部品、新技術の総合展示会「シーテックジャパン2005」が10月4日(火)から8日(土)までの5日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された。
 展示会場には各メーカーのブースに混じって各大学自慢の最先端技術を展示説明する「産学交流パビリオン」コーナーも設けられた。このパビリオンに参加した大学は47校で、本学からは「鯨生態観測衛星(観太くん)」の実物大模型、衛星の仕組みやシステムの全容などのパネルが展示された。
 期間中、本学のブースには約300人が訪れ、中には本学卒業生もいた。ある卒業生は「鯨衛星」のアイディアと技術の高さに驚くとともに「衛星作りに学生が関わったというのは素晴らしいですね。自分たちの時にはこういうのがなかったからなあ」と、うらやましそうに『観太くん』を見つめていた。
 このほか本学の未来ロボット技術研究センターからも二足歩行ロボット「モルフ3」が、米国・半導体メーカー「スパンション」のブースに展示され、人集めに一役買っていた。
 
 
  ▲『観太くん』の模型も展示した本学ブース   ▲注目された『モルフ3』
 
 
中田教授、鉄を燃やす実験披露
 
 
サイエンスショー2005
 
 今年もどきどきわくわく――恒例の「サイエンスショー2005」が千葉県立現代産業科学館(市川市)で行われた。9月18日(日)は本学機械サイエンス学科の中田昌宏教授が千葉県警科捜研・金子毅氏と組んで、子どもたちに鉄を燃やしてみせた。
 中田教授は子どもたちに喜んでもらえるようにやさしく説明し、子ども向けに口調も変えて熱演し、科学のおもしろさを伝えた。実験では粉末の鉄を一人ひとりに燃やさせた。パチパチと赤く燃える鉄に、子どもたちは歓声を上げながら目を輝かせていた。
 科学の面白さで子どもたちを虜にした中田教授に、父母から盛んな拍手が贈られた。

▲子供らに喜ばれたサイエンスショー
 
▲中田昌宏教授の指導で鉄を燃やす児童
 
 
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