2005.8.15

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「未来ロボティクス学科」申請

工学の将来見据え 知識、技術力養う
来年4月開設を目指す
 

 学校法人・千葉工業大学は、平成18年4月開設を目指す新学科「千葉工業大学工学部未来ロボティクス学科設置届出書」ならびに同学科設置に伴う「千葉工業大学収容定員関係学則変更認可申請書」を7月29日(金)に文部科学省に提出した。この新学科は、工学の将来を見据え、工学分野の知識、技術力を総合的に養うことを主眼とした学科で、入学定員は110人を予定している。
 本学は、開校以来常に時代のニーズをとらえて学部学科の改編、改革を続けてきた。そういう中にあって、平成15年には「未来ロボット技術研究センター(fuRo)」を立ち上げ、産学連携に取り組みながら最先端ロボットの研究・開発を続けてきた。これらの実績を学部教育に生かす一方、fuRoにあこがれる高校生から「ロボット関連の学科があれば……」という声も強く寄せられていた。また、21世紀のロボット産業は新たな基幹産業となってくるなど、これらをふまえて「未来ロボティクス学科」の設置が計画された。

 現在も企業や各種研究機関から新しいロボットが次々と開発され、今後はテクノロジーの高度化とともに、医療・福祉、災害救助、情報家電、セキュリティー、エンターテイメントなど、より幅広い分野でのロボット開発が本格化すると予想される。将来的には自動車産業に匹敵する巨大産業に成長するといわれている。
 こうした背景の下に「未来ロボティクス学科」は、技術者として求められる工学基幹分野に関する複合的な基礎知識を習得するとともに、ロボティクスに関する基本的な原理の理解を通して、人間生活の利便性を向上するための制御技術や人工知能に関する基礎的な知識と技術を有した人材の養成を図るとしている。
 特に今日、産業界では、プロジェクト立ち上げ能力や技術英語、さらに独創力とリスクを背負ってプロジェクトを推進する能力をもった人材を求めている。この要請に応えられるよう「未来ロボティクス学科」では、教育課程編成に工夫を凝らしている。
 その特色は、1年次からの「ものづくり(ロボットづくり)」を通した技術と知識の習得を目指した教育課程編成にある。体験的学習に力点を置くことで、学生の勉学意欲を高め、基礎的理論と技術的能力を身に付けさせる教育内容としていることである。

 
▲来年4月開設に向け文部科学省に提出した「未来ロボティクス学科設置届出書」(左)と「認可申請書」
 
 
文部科学省
「特色ある大学教育支援プログラム」に本学を採択

「マルチメディア教材の教育方法」が評価
高い質の教育提供に期待
 

 平成17年度の文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)に本学が初めて採択された。GPはグッドプラクティス(優れた取組みの意味)のことで、平成15年度から始められ、今回で3回目。選定基準は『大学教育の改善につながる特色ある優れた取組みをしている大学』が選ばれ、補助金が受けられる。

 今年度は、「総合的取組み」「教育課程の工夫改善」「教育方法の工夫改善」「学生の学習および課外活動への支援」「大学と地域・社会との関連」の5項目のテーマから構成され、国公私立の大学や短期大学から延べ410件が申請された。これを受けて、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム実施委員会」の総合評価部会や各審査部会で慎重に審議され、5部門で47件が採択された。
 本学は「教育方法の工夫改善」部門に申請し、取組み名称は『マルチメディア教材による教育・学習支援』で、副題は「シミュレータをベースにした理工学教育e―Learning」(申請担当者・三井田惇郎情報科学部学部長・教授)。
 申請内容は、シミュレータベースのマルチメディア教材による教育の質の向上を主題としている。本教材の特徴は、理工学の専門教育で取り扱う概念や現象を可視化したり、合成音像や映像等を体感できる双方向性のシミュレータを中心に構成していることである。これらは、本学の教育目標である「科学技術の厳しい変化に対応できる、しっかりした基礎学力を持つ学生を育成する」の一翼を担うものである。

「研究実った」と三井田学部長
 今回の採択について三井田学部長は「過去10数年間にわたり研究を進めてきたシミュレータをべースとしたマルチメディア教材による教育方法について高い評価を受けたものと考えている。今回の採択で本学のネットワーク環境が飛躍的に向上し、学生に高い質の教育を提供できるものと期待している」と語っている。

 
▲ワークステーション演習室での授業風景
 
 
 

三井田惇郎情報科学部学部長
 
 
片岡教授に「名誉教授」追贈
 

 今年4月15日に逝去された故片岡眞澄教授(学長補佐・機械サイエンス学科)に、7月21日開催の合同教授会で千葉工業大学名誉教授称号授与規定に基づき、同氏に名誉教授の称号を追贈することが承認された。その後、同月26日に開かれた理事会で正式に称号授与することに同意された。
 片岡教授は、昭和46年4月に機械工学科助手として就任。同61年11月に助教授、平成元年9月に教授となる。大学評価委員会委員長、学寮委員長、学長補佐などを歴任し、34年間という永きにわたり本学の教育・研究に熱心に従事し、大学の発展に多大な貢献をされた。

 
故 片岡眞澄教授
 
 
 
 
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