2005.6.15

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不整地移動ロボット チャリべえを公開

世界初、搭乗可能なハイブリット型
「愛・地球博」にも出展
脚と車輪で凸凹道や傾斜地歩く
 

   
 脚と車輪を協調動作して段差や傾斜地でも移動できる――世界で初めて搭乗可能なハイブリット型不整地移動ロボット「チャリべえ」のデモンストレーションが、5月16日(月)午後2時から千葉工業大学津田沼校舎8号館横の実験室で行われた。当日は新聞社など報道関係に披露され、大きな反響を呼んだ。
「チャリべえ」は、「愛・地球博」(愛知万博)でも6月9日〜19日の『NEDOプロトタイプロボット展』で一般公開された。
 このロボットは、中野栄二・本学総合研究所教授と中嶋秀朗・本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)が共同で開発。「チャリベえ」と名付けたのは、古代の2輪馬車チャリオット〔chariot〕と形状が似ており、実用化の願いを込めて命名した。
 従来のロボットは外界センサーで状況判断して動くのに対して、「チャリベえ」は内在しているセンサーだけで本体のバランスを判断して動く。また、人間が搭乗できる高い信頼性・安全性が実現できた。
 全体の重量は300キログラム。前後に4本の脚と左右に車輪を独立して装備している。高さは最大69.3センチ、長さ約3メートル、横幅は1メートル。
 特徴は、歩行困難な人でも搭乗して自由に移動できるだけでなく、段差のある場所や凸凹道では、脚と車輪が協調する“脚車輪モード”で歩行することができる。将来は、自然災害地や噴火口など人が近づけないような場所の情報収集など広範囲な応用も十分可能だという。
 この日、「チャリベえ」に搭乗した寺崎宏美さん(情報ネットワーク学科4年)は「凸凹道を歩いている時でも予想より揺れを感じずに乗れました。このロボットが早く実用化されることを期待しています。とても印象に残る体験をさせていただきました」と話していた。
 
▲寺崎さんが搭乗した「チャリべえ」に多くの報道関係者から感嘆の声が……


研究の過程を説明する中野栄二教授(左)と中嶋秀朗研究員
 
▲チャリべえの動きに注目する大勢の報道関係者
 
 

チャリべえがNHK「おはよう日本」に

 

 5月27日(金)のNHK朝7時台の「おはよう日本」で「チャリベえ」が生放送で紹介された。映像では、「チャリベえ」が凸凹道を自分でバランスを取り、安定した体勢で進んでいく姿が映し出された。
 取材を担当したNHKの小川浩司アナウンサーは、「チヤリベえ」について、「このロボットは、これまで難しいとされてきたことも可能にしました。例えばロボットが進む道に柔らかいスポンジがあったとします。これまでのロボットだと見た目でどんな形なのか判断しただけだったので、硬いか柔らかいかの判断が難しかった。このロボットの足の先にセンサーはついていません。関節から得られる情報に着目しました。実際に歩くことで関節の部分がどれだけ曲がったのか、どれだけの力がこの関節に掛かったのかという情報を元に、地面の状態を把握して、それに即座に対応できるシステムを開発しました」と研究の先進性を説明した。
 放送後、このニュースを見た一般の視聴者から、「チャリべえ」に関する問い合わせが入試広報課に相次いだ。(写真はNHK「おはよう日本」より)

▲チャリべえの傍らで特長を明快に説明するアナウンサー

▲雪道の歩行実験も難なくこなすチャリべえ
 
▲研究の力点を語る中野教授
 
 
 

 
 
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